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ともに生きていくことが楽になる!発達障害を持つ人が感じる「生きづらさ」の正体【総合3.8】

 

発達障害の人が見ている世界
著者:岩瀬利郎
発売日:2022年9月
発行所:アスコム
価格:1,595円(税込)
ISBN:9784776212188

 

『発達障害の人が見ている世界』の要点

1.“付き合うのが大変”な人たちの言動の背景には、発達障害が隠れていることがある。そうした人たちの“見ている世界”を理解すると、ともに生きるのが楽になる。

2.本書では、“困りごと”に注目して、それが起こる原因を解説し、具体的な対応策を提示する。

3.発達障害の人は、能力が低いわけでも人間性に問題があるわけでもない。その特性をうまく引き出す環境が用意できれば、高い能力を発揮する可能性を秘めた人たちだ。

 

『発達障害の人が見ている世界』レビュー

失礼なことを平気で言ったり、繰り返し約束を破ったり、ミスを連発したり……。そんなちょっとだけ“付き合うのが大変”な人を見ると、つい「やる気がない」「能力が低い」という判断をしてしまいがちだ。だが、そうした人たちの中には、かなりの割合で脳にある“特性”を抱えている人たちがいるのだと本書は指摘する。その特性のひとつが発達障害だ。

これまで1万人以上の発達障害の人たちと向き合ってきた精神科医の著者は、発達障害の特性を持つ人たちは、いわゆる“定型発達”の人とは異なる世界を見ているのだと指摘する。発達障害の人たちは、けっして性格に問題があるわけでも、能力が低いわけでもない。むしろ、自分の“特性”を活かす環境さえ整えば、高い能力を発揮できる場合も少なくない。だが、多くの人と“見ている世界”が違うがために、トラブルが起きがちだ。

本書は、発達障害の特性を持つ人が“見ている世界”を紹介する。発達障害か、グレーゾーンか、定型発達かといった区分にはこだわらずに、発達障害の特性によって起こりうる“困りごと”にフォーカスして、その理由と対応策を提示していく。自分の特性との付き合い方に悩んでいる人、身近な人の特性への対応に困っている人、特性を持つ子どもを育てている人にとっても、有益な内容だ。職場においても、メンバーが自分の特性を活かし、これまでにない成果をあげる環境を整えるために、大いに役立てることができるだろう。

 

『発達障害の人が見ている世界』が気になる方におすすめ

「発達障害」と間違われる子どもたち
著者:成田奈緒子
発売日:2023年3月
発行所:青春出版社
価格:1,155円(税込)
ISBN:9784413046657