小泉八雲・セツを知って「ばけばけ」を楽しもう!
9月29日(月)に放送開始予定の2025年度後期NHK連続テレビ小説「ばけばけ」は、「怪談」等の代表作を生み出した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻である小泉セツをモデルにした物語です。士族の娘として生まれ、激動の時代を生き抜きながら、外国人の夫とともに「怪談」を愛した夫婦の何気ない日常が描かれます。小泉セツをモデルにした主人公の松野トキ役を髙石あかりさん、小泉八雲をモデルにしたレフカダ・ヘブン役をトミー・バストウさんが演じます。
ほんのひきだしでは、よりドラマを楽しんでいただけるように、放送に先がけて小泉八雲・セツの関連本を短期連載形式でご紹介します。
今回は、『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』(毎日新聞出版)です。ぜひ書店店頭で手に取って、ドラマとあわせてお楽しみください。
著者:工藤美代子
発売日:2025年7月
発行所:毎日新聞出版
定価:880円(税込)
ISBN:9784620210889
〈章立て〉
第1章 旅人ハーン
第2章 孤独な生い立ち
第3章 シンシナティの名物記者
第4章 最初の結婚
第5章 ニューオリンズ―南への憧れ
第6章 新聞記者から作家へ
第7章 マルチニーク―記録と幻想
第8章 日本への道
第9章 松江―セツとの出会い
第10章 ハーンから小泉八雲へ
第11章 エリザベス・ビスランドへの思い
第12章 小さな神々の国―「日本」再考
第13章 ハーンの中の東洋と西洋
小泉八雲の人生をこの一冊で振り返る決定版
小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーンの人生を一冊で振り返ることができるコンパクトな評伝。アメリカに移住してからの新聞記者として花開くまでの過程や、その後、紀行作家として著名になるまでの遍歴を振り返ることができます。日本にやってくるまでのラフカディオ・ハーンの知られざる人生がわかります。ドラマで触れられるであろう前日譚が、この一冊ですべてわかります。生涯を漂泊して過ごしたラフカディオ・ハーンのその日々が網羅されています。
小泉八雲の妻・セツとの出会いと恋愛の日々がわかる
ラフカディオ・ハーンの知られざる恋愛遍歴にも大きくスポットを当てています。失敗してしまった最初の結婚の経緯からわかる彼の女性観。そしてなぜ彼が来日してからセツに惹かれることになったのかをわかりやすく解説。美しき国日本と、そこに住むセツをこよなく愛した小泉八雲の恋愛観が網羅されています。ドラマの骨子となる二人の出会いや生活に関しても多くを知ることができます。ドラマで触れられるであろうところを余す所なく、この一冊で知ることができます。
漂泊の作家・小泉八雲の文学性に迫る
19世紀には数多くの紀行作家が出てきましたが、小泉八雲の価値はそれから百年以上経ってもその輝きを失うことはありません。それは小泉八雲の紀行作家としての視点が、当時からも抜きん出ていたからです。数多くの彼の著作からの引用によって、その文学性をたどることができます。新聞記者時代の記事や、漂泊の時代ともいえる紀行作家の初期の頃など、小泉八雲の多くの文例を見ることで、彼の日本への優しい視点を感じることができます。
著者プロフィール
工藤美代子
くどう・みよこ。1950年生まれ。18歳でチェコのカレル大学に留学。帰国後に70年大阪万博の通訳、72年の札幌五輪のコンパニオンをつとめる。73年にカナダに渡りコロンビア・カレッジを卒業。93年に日本に帰国。昭和史、皇室関係のノンフィクションを執筆。
【編集者のコメント】
朝の連続ドラマを視聴するうえで欠かせないのが、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの人物像を把握することです。漂泊の作家と言われるほど、放浪が長く続いたラフカディオ・ハーンは、なぜ日本に住むことになったのか、妻・セツとの生活はどのようなものだったのかという疑問に答えをくれる傑作評伝です。