6月23日(月)、第12回となる2025年度「料理レシピ本大賞 in Japan」の一次選考通過タイトルが発表されました(関連記事)。
総エントリー数141作品の中から一次選考を通過したのは、料理部門・大賞の30作品、お菓子部門・大賞の6作品、こどもの本賞5作品、コミック賞5作品の合計46作品です。7月1日(火)~7月21日(月・祝)の最終選考投票を経て、9月9日(火)に各部門の受賞作品が発表される予定です。
ほんのひきだしでは、一次選考を通過したタイトルの中から話題のレシピ本を、短期連載形式でご紹介します。ぜひ、書店店頭に足を運んで手に取り、気になる料理にトライしてみてください。
「料理レシピ本大賞」は、出版社各社がエントリーした料理レシピ本から、書店員と料理専門家が「わかりやすく作りやすい」「日本の食文化や食育に貢献できる」「おいしい、お客様に薦めたいと感じる」などの基準で投票し、得票数で受賞作を決定するものです。
【Vol.7】料理部門・大賞ノミネート作『心も体ももっと、ととのう 薬膳の食卓365日』
今回、ご紹介するのは、料理部門・大賞にノミネートされている『心も体ももっと、ととのう 薬膳の食卓365日』(自由国民社)です。
発売日:2023年11月
発行所:自由国民社
定価:1,980円(税込)
ISBN:9784426128333
「ちょい足し薬膳」で手軽にはじめよう
「薬膳」と聞くと、なんだか難しそうと感じる方も多いのでは。特別な食材や漢方原料は必要ありません。いまの自分の体調に合わせて、春夏秋冬の季節に合わせて、適した食材を取り入れるだけ。薬膳はかんたんに取り組むことができる“食養生”です。
食欲がないときはおかゆに変えてみる。これも立派な薬膳です。足がむくんでいるなら小豆をプラスした小豆がゆに、食欲がないなら大根をプラスした大根がゆに。食材のもつ薬膳効能を知れば、食べることで心と体の養生が叶います。本書が提唱するのは、いつもの料理の食材をちょっと変えたり足したりするだけの「ちょい足し薬膳」ですので、手軽にはじめることができます。
本書では「医食同源」の基本と、毎日の食事で健やかになるための薬膳の知恵やレシピをわかりやすくご紹介しています。
365日分の薬膳の知恵を収録
1日1ページ、365日分の薬膳の知恵を収録。日付、食材、季節、不調…あなたの気になるページから読み進めることができます。
やわらかな色彩で描かれる絵本のようなイラスト
やわらかな色彩で描かれる絵本のようなほっこりあたたかなイラストが人気。
「眺めるだけで癒される」「手元においておきたくなる」「読んで楽しく見て楽しい」。読者の声が続々と届いています。累計13万部、好評の薬膳本です。
『心も体ももっと、ととのう 薬膳の食卓365日』おすすめの料理3品を紹介!
ここからは、本書のおすすめの料理3品を紹介します。まず1つ目は「キャロットラぺ」です。
オリーブ油で炒めることでβ―カロテンの吸収が良くなります。そのままでもおいしくいただけますが、アンチエイジングを兼ねてクルミや黒ゴマなどを混ぜたり、貧血予防に干しぶどうを混ぜたりすれば自分流の薬膳が出来上がります。クコの実を加えれば、疲れ目に対する効果がさらにアップされるようです。
2つ目は「ザワークラウト」です。
ザワークラウトとは「酸っぱいキャベツ」というドイツの伝統的な料理、早くいえばキャベツの漬物です。薬膳的には、胃腸薬として腸内細菌を整える乳酸菌の摂取にもよいです。脂っこい食事や食べすぎた時などちょい足し薬膳として利用してみてください。
塩を1.5%くらい控えめにして、野菜の補充として、毎日のサラダの様に常食するのがおすすめです。
3つ目は「黒豆茶」です。
黒豆は漢方薬の材料としても使われています。腎や肝に働いて体に必要な潤いや血を与える、血行を良くする、水はけを良くしてむくみをとる、胃腸の働きを良くするなどの効能があります。黒豆は「黒い食べ物」の代表です。特に寒い季節には、黒い食べ物は、腎に働き、老化に伴う不調の改善が期待されます。腎を補って、免疫力アップに、貧血の予防に、ドロドロ血の予防に、むくみを防ぎ、アンチエイジングを期待して、コツコツ続けましょう。黒豆茶は、特にむくみやすい方、アンチエイジングに良いと思います。
著者から読者、書店員に向けメッセージ
著者の川手鮎子さんから、読者や書店員の皆様にメッセージを寄せていただきました。
薬膳というと難しい料理と考えていらっしゃる方が多いようです。しかしそうではありません。薬膳は、今のご自分の体調に合わせて食材を選んで調理する料理なのです。本書で私がご提案するのは、ご家庭の料理や出来合いの料理に、他の食材を少し足したり差し替えることで、薬膳としての効果をプラスしていただく“ちょい足し薬膳”です。この本が皆様の免疫力を強化し、毎日の健康な生活のお役に立てれば幸いです。
【川手鮎子さんプロフィール】
薬剤師・国際中医師。昭和17年生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、昭和48年エーケー有馬薬局を開設し、その後45年間漢方相談等に従事。国際中医師(世界中医薬学会連合会認定)の資格も取得し、和洋両面から心身の不調を解消する。著書に『心も体もととのう 漢方の暮らし365日』(自由国民社)。