家庭菜園を始めたい方におすすめ!初心者向けの関連本3作品をご紹介
「自分で育てた野菜を食卓に並べたい!」そんな憧れを抱いている方は多いのではないでしょうか。近年、健康志向の高まりや、食の安全への関心から、家庭菜園が注目を集めています。
「ほんのひきだし」では、家庭菜園を始めたい初心者の方に向けておすすめの関連本3作品を短期連載でご紹介します。「何から始めたらいいかわからない」「失敗したらどうしよう」と不安に感じている方や、何か新しい趣味を始めてみたい方におすすめです。家庭菜園を楽しく始めるためのヒントが満載の関連本をご紹介します。今回は、『無肥料栽培を実現する本』をご紹介します。ぜひ書店店頭で手に取ってみてください。
『無肥料栽培を実現する本』
発行:笑がお書房 発売:メディアパル
発売日:2021年5月
判型:四六判
定価:1,500円
ISBN:9784802132510
【章立て】
第1章:基礎編
第2章:畑設計・畝づくり編
第3章:草を観察する編
第4章:病害虫編
第5章:栽培編
第6章:プランター編
第7章:種編
なぜ無肥料栽培できるのかがわかる!
人間は食べたものでできていますが、多くの行き過ぎた化学農薬、科学肥料、そして有機肥料によって、安心できる食べものが減ってきています。安全な食べたいものを手にしたいのなら、信頼できる生産者を探して、直接買うしかありません。もしくは自分で作るという選択肢になるでしょう。
この本の「無肥料栽培」は、厳格なルールがある「自然栽培」や「自然農法」とは違い、化学肥料や有機肥料は使用しませんが、循環型農業で使用する自家製の植物性の肥料を利用します。土壌微生物を増やすための行為は否定していません。栽培者が安心できるもの、買う人食べる人が安心できるものを利用するのが前提の「よりたか農法」です。
マニュアルでは学べない、自然の摂理を学べる一冊!
本書では、植物はなぜ成長するのか、なぜ虫がくるのか、なぜ病になるのかについて詳しく書かれています。無肥料栽培は自然の力を最大限に利用する農法です。問題と解答だけを提示し、手順だけを教えるマニュアルでは一切の応用が利かなくなりますが、この本では著者がこれまでの経験から学んだ自然界の摂理である循環をテーマに説明されています。そのひとつが窒素の循環。窒素がなければ植物の細胞は生成できません。そして窒素のもとになるものは有機物です。樹木の葉や死んだ虫や動物たちが食し菌によって分解され窒素に変えられます。これが循環を正しく行わせるポイントなのです。
土づくりがわかる!
植物を育てるのは太陽と空気、風、水、そして土。土のなかの微生物を減少させない、あるいは増やすということはとても大事なことです。「自然農法などで土は耕すな」という話を聞きます。耕すことで自然環境を壊し、作物が成長しにくい環境になってしまうということですが、現実問題としてはほとんどの場合はすでに壊れているという前提で考える必要があります。つまり「耕すな」でなく「耕さなくてよくなる土をつくれ」ということで、そのための考え方がわかります。
著者プロフィール
岡本よりたか
無肥料栽培家、空水ビオファーム代表、㈱岡本商店代表取締役、種の学校主宰。TVディレクター時代に取材を通して、農薬、除草剤、肥料が環境にもたらす破壊的なダメージを知り、またITエンジニア時代に体調を怖し、40歳半ばで無肥料栽培家に転身。現在は全国で無肥料栽培セミナーを開催しつつ、岐阜県郡上市にて農業スクールおよびシードバンク「たねのがっこう」を運営。他の著書に『野菜は小さい方を選びなさい』『種は誰のものか』『おひとり農業』など。
【編集者のコメント】
「無肥料」について著者は次のように定義しています。「無肥料とは、お金を払わなくても持続的に用意できる物だけで栽培する方法」その意味では、化学肥料はじめ鶏糞、牛糞、豚糞も販売しているのは肥料です。反対に草や枯葉、お米を作っていれば米ぬかやもみ殻は肥料ではなく、鶏や豚を飼っているならその糞を肥料とは言いません。つまり無肥料栽培とは毎年循環して手にはいる物を使った循環栽培なのです。