お笑い芸人であり芥川賞作家の又吉直樹さんと、人気絵本作家のヨシタケシンスケさんによる待望のコラボ作品『本でした』が8月上旬に発売されます。二人のコラボレーションは、2022年刊行の『その本は』以来、3年ぶりとなります。
前作の『その本は』は、2人の男が本好きの王様のために世界中から“めずらしい本”の話を集めて届ける物語です。本そのものの魅力や、物語を楽しむ喜びをあらためて実感させてくれるストーリーとなっています。テレビや新聞、WEBなど数多くのメディアで紹介され、シリーズ累計30万部を突破しました。10代から90代まで幅広い年代から熱い感想が寄せられるなど、長く愛されている作品です。
最新作となる『本でした』では、村はずれに住み着いたあの2人の男が、村人たちから寄せられたたった1行のヒントから本を「復元」していくというストーリーです。「その本は、○○○が○○○でした。これってどんな本でした?」をテーマに、又吉さんとヨシタケさんが互いにお題を出し合い、物語を紡ぎます。
「その本は『タイトル』が、『5文字の世界』でした」「その本は『書き出し』が、『呪いの言葉だけで綴られたそれは、ラブレターだった』でした」「その本は『最後の一文』が、『以上の理由から僕は恐竜です』でした」といった、思わず想像力を掻き立てられるような1行のヒントから、どんな物語が生まれるのでしょうか?
時に笑えて、時に心に沁みる2人の短編を21編収録予定です。ラストには、すべての本への愛、そして想像力を信じる気持ちが押し寄せる、圧巻の展開が待ち受けています。
ぜひ、書店で手に取って、又吉さんとヨシタケさんが織りなす『本でした』の世界をお楽しみください。
最新作『本でした』
発売日:2025年8月上旬予定
発行所:ポプラ社
予価:1,760円(税込)
ISBN:9784591185865
※カバーはイメージです
むかしむかし、村はずれにたっている空き家に、いつからか、2人の男が住みつきました。
2人の男はある日、小さな看板を出しました。
バラバラになってしまった本や、やぶれてしまった本でも、特殊な技術で元に戻すというのです。
それどころか、ほんの1ページでも、1行だけでもタイトルだけでも、ちょっとした手がかりさえあれば元の本の形に復元できる、というのです。
村人たちが「本の復元依頼シート」をポストに投函すると本はどんどん復元されて――(ポプラ社公式サイト『本でした』より)
前作『その本は』
発売日:2022年7月
発行所:ポプラ社
定価:1,650円(税込)
ISBN:9784591174326
本の好きな王様がいました。王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。王様は二人の男を城に呼び、言いました。
「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。たいていの本は読んだつもりだ。しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を聞きたいのだ。
お前たち、世界中をまわって『めずらしい本』について知っている者を探し出し、その者から、その本についての話を聞いてきてくれ。
そしてその本の話をわしに教えてほしいのだ」旅に出たふたりの男は、たくさんの本の話を持ち帰り、王様のために夜ごと語り出した―。
(ポプラ社公式サイト『その本は』より)
著者プロフィール
またよし・なおき。1980年大阪府寝屋川市生まれ。吉本興業所属。2003年にお笑いコンビ「ピース」を結成。2015年に本格的な小説デビュー作『火花』で第153回芥川賞を受賞。同作は累計発行部数300万部以上のベストセラー。2017年には初の恋愛小説となる『劇場』を発表。2022年4月には初めての新聞連載作『人間』に1万字を超える加筆を加え、文庫化。2023年3月、10年ぶりのエッセイ集となる『月と散文』を発表。他の著書に『東京百景』『第2図書係補佐』など。YouTubeチャンネル【渦】、オフィシャルコミュニティ【月と散文】も話題。
1973年神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。2013年『りんごかもしれない』で絵本作家デビュー。絵本作品『りゆうがあります』『もう ぬげない』、イラスト集『デリカシー体操』、エッセイ『思わず考えちゃう』など多数。MOE絵本屋さん大賞、産経児童出版文化賞美術賞、ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞、ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞などを受賞し、海外でも様々な国で翻訳出版されている。近著は『そういうゲーム』『まてないの』。2児の父。
関連記事
・【売上ランキング】ヨシタケシンスケおすすめ絵本10選|最新版
・ヨシタケシンスケさんの最新イラスト&インタビュー集『だったらこれならどうですか』が発売!現在開催中の展覧会の様子も
・ヨシタケシンスケさんがどろぼうの絵本に挑戦! 『まだ大どろぼうになっていないあなたへ』が7月10日に発売