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【『改訂版 お金の大学』両@リベ大学長インタビュー】「お金の勉強ほど、おもろいもんはないで!」学びと行動で、今より一歩自由な人生を

お金の大学 TOP

2020年に発売され、142万部を突破した『本当の自由を手に入れる お金の大学』。そのベストセラーをさらにパワーアップさせた『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』が2024年11月に発売され、2025年上半期ベストセラー(日販調べ)の単行本ビジネス部門第1位となりました。総合部門でも第2位にランクインした本書は、原著とあわせた累計発行部数は194万部に達しており、著者である両@リベ大学長さんの「自由な生活を手に入れるためにはどうすればいいかを伝えたい」との思いを乗せて、多くの人に届いています。

今回は、そんな本作に込めた両@リベ大学長さんの“夢”から、「お金の勉強」の重要性や改訂版を制作した裏側まで、たっぷりとインタビューにお答えいただきました!

2025年 上半期ベストセラーはこちら

 

お金の大学

『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』
著者:両@リベ大学長
発売日:2024年11月
発行所:朝日新聞出版
定価:1,650円(税込)
ISBNコード:9784023323780

142万部突破の『お金の大学』が超・パワーアップ! 「新NISA」などの金融制度にも完全対応。さらに「証券口座やクレカ、銀行などの選び方」「超危険な金融商品リスト」など、新規内容も50ページ以上追加。実践しやすいお金の教養がてんこ盛りの一冊!

(朝日新聞出版公式サイト『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』より)


両@リベ大学長 プロフィール両学長_アカデミックドレス_指差し3

「日本一自由な会社」の社長。高校在学中に起業し、ITビジネスと投資で10代にして年間1億円以上を稼いだが、数々の失敗も経験し、優秀な経営者仲間やモルディブの大富豪から「本当の社会の仕組み」や「人生を豊かに生きる知恵」を学ぶ。
以降、本業で20年以上稼ぎ続けながら、「お金に困らず、自由に生きられる人を増やす」という夢を叶えるために家族や友人向けに発信を始めた通称「リベ大」は、節約・税金・投資・副業のリアルガチなお金の教養を軽妙な関西弁でわかりやすく解説する内容で、SNSを中心に熱狂的な支持を得る。
YouTube総動画本数2,600本超、累計再生回数8億回超、チャンネル登録者数285万人。X(旧Twitter)フォロワー51.1万人。公式ブログ月間330万PV。Instagramフォロワー数53.7万人。TikTokフォロワー数14万人。

YouTube:「両学長 リベラルアーツ大学」
オンラインコミュニティ:「リベシティ」


 

「世の中の現実」に立ち向かうために、「お金の勉強」は不可欠

――『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』が、2025年上半期ベストセラー「単行本ビジネス部門」の第1位となりました。いまのお気持ちをお聞かせください。

シンプルに嬉しいです。
血の汗を流しながら、魂込めて作りましたから。笑

――改訂版を書かれた背景として、「日本に『大変化』が起きていて、マネーリテラシーの重要性がますます高まってきた」とコメントされています。今後予想される変化も踏まえ、「お金について学ぶことの重要性」について教えてください。

今後予想される変化は、インフレの定着です。円の価値が下がり、モノやサービスの値段が上がり続けるということです。今、生鮮食品や電気・ガス代、ホテル代なんかの値上がりがすごいですよね。給料も多少上がってはいますが、物価の上昇には追いついていません。

そこで登場するのが、資産運用です。値上がり益や配当金、利息などを得られれば、インフレに抗うことができます。ただし、資産運用の果実は万人が得られるワケではありません。マネーリテラシーがないと、資産運用そのもので損を出してしまう。詐欺に遭う。口座ハッキングなどの金融トラブルに巻き込まれる。こういった事態になるからです。資産運用をする人が増えれば、それに比例して「悪い人」も増えるのが世の中です。残念ですが、立ち向かうべき現実です。

インフレに勝つ。資産運用でしっかりと利益を出す。詐欺やトラブルに巻き込まれず、お金を守る。いずれにせよ、対処法は「お金の勉強」しかありません。

――改訂版は、データを最新化し、原著より52ページ増えているとのこと。サブスク管理法や新NISA、副業、老後資金についてなど、まさに「変化」に即したコンテンツが増えていますが、そういったテーマはどのように選ばれたのですか?

「生の声」をもとに選びました。

2022年頃から、毎朝YouTubeでライブをやっているのですが、常時1.5万人~2万人の視聴者がいます。彼らと毎日コミュニケーションをとっていると、何に悩み、どこで躓いているか、よく分かります。

また、リベシティ(私が運営しているコミュニティです)の住人さんからも、毎日お金の相談が寄せられます。そういった「生の声」を聴きながら、テーマを厳選していきました。

 

改訂版は「よりスムーズに資産形成を進めていける」本に

――『お金の大学』では、お金に困らないための「5つの力」(貯める/増やす/稼ぐ/使う/守る)が項目別にわかりやすく解説されています。なかでも「貯める」に全体の約1/2のページが割かれていますが、その重要性について教えてください。

穴の空いたバケツに、水は貯まりません。貯める力を鍛えるというのは、バケツに空いた大小さまざまな穴を塞いでいくことです。

バケツに穴さえ空いていなければ、収入(水の量)が少なくても、水は着実に貯まっていきます。もし収入が大きく増えれば、バケツの水もすごい勢いで貯まります。いずれにせよ、貯まるかどうかは「バケツの穴がキッチリ塞がれているかどうか」にかかっています。だから、貯める力は重要です。

改お金の大学S2

▲5つの力が揃ってこそ、家計が健全にまわり、豊かに暮らせる(『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』より)

 

――今回、5つの力の掲載順を変更されたそうですね。構成を変えられたのはなぜですか?

改訂版では、「稼ぐ力編」を「増やす力編」の後ろにしました。理由は2つです。

1つめは、その方が「実態に合っているから」です。支出を減らす(貯める力)。収入を増やす(稼ぐ力)。そうやって生まれた余剰資金を投資に回す(増やす力)。この順番の方が、流れはキレイなんですけどね。実態は必ずしもこうじゃない。

多くの人の資産形成の流れは、こうなっています。支出を減らす(貯める力)。余剰資金が生まれて、投資をする(増やす力)。もっと投資額を増やしたくなって、収入を増やそうと頑張る(稼ぐ力)。実態がこうなら、書籍でもこの順番に解説したほうが分かりやすいですよね。

「稼ぐ力」を後ろに回した2つめの理由は、「稼ぐ力」の難易度が高いからです。最適解がある「貯める力」や「増やす力」と違って、「稼ぐ力」には答えがないんです。何で、どうやって、いくら稼ぐか? それは、時代とその人の個性によります。「これをやればいいんだよ」という1つの最適解を示せない。だから、多くの人がここで躓きます。躓きやすい内容のコンテンツを、書籍の前半に置くのはイマイチですよね。書籍の内容を順番に実践していく時に、前半で心が折れてしまいますから。笑 実際、「稼ぐ力」が手つかずになっても、「貯める力」「増やす力」さえどうにかなれば、資産は増えていきます。そういう意味で、順番は重要です。

「資産形成の実態に合わせる」「難易度の低いものから実行してもらえるようにする」、これによって、「よりスムーズに資産形成を進めていける」、そんな本にしたいという狙いがあったワケです。

――「使う力」の有無が人生の「幸福度」を、「守る力」の有無が人生の「平穏」を左右するという文章が印象的でした。この2つは、まさに自由に、幸せに生きることに直結するパートですね。両学長さんは、「お金に困らず、自由に生きられる人を増やす」という夢を叶えるために活動されているそうですが、なぜそういった夢を抱かれるようになったのでしょうか?

発端は、10代の頃に抱いた「自由の少ない世の中」に対する違和感です。なぜ、毎朝同じ時間に学校や職場に行かなければいけないのか? なぜ、週に5日も働く必要があって、休みは2日しかないのか? なぜ、学校を卒業したら60歳、65歳まで同じ会社で働かなければいけないのか? これらは、私にとって「世の中そういうもんだ」と受け入れられるものではなかったんですね。笑

実際、起業して、お金を稼いで、自由を手にして、こう思いました。「自由って最高やな!」。ただ、同時に、自分だけが自由な生活に「問題がある」ことも分かりました。家族や友人も自由でないと、好きな時に好きなことで一緒に遊べないんです。笑 スケジュールと予算が合わない。だから、自由になる方法を、家族や友人にも伝えていくことにしました。そして、彼らが困難を乗り越えて自由を手にしていく過程は、私にとっても人生で最も充実した時間のひとつだったんです。夢の原点は、きっとここにあるんでしょうね。今は、その「自由になる方法を伝えたい範囲」がどんどん広がっている、という感じです。どこまで広がるかは、私にも分かりません。笑

結局、自分を社会に合わせなければいけないのは、お金がないからです。お金は自由の土台です。お金があれば、受け入れたくないものは大抵拒否することができます。その分、自分のやりたいことに時間を使えます。人生が、より自分らしいものになっていくワケです。

誤解しないでほしいのですが、お金を貯めて自由になって、社会から離れて生きようなんて言ってませんよ。笑 むしろその逆で、ある程度の資産を築いて自分の自由を担保したら、それ以上のお金は社会をより良い場所にするために「使う」ほうが良いと思っています。皆、それぞれが自由で、社会全体も日々より良い場所になっていっている。ここが、目指すカタチです。

 

両学長のコントロール力は、メジャーリーグのピッチャー並み!?

――本作も、お金に関するノウハウは「これ1冊でOK!」の内容に仕上がっていると語られていますが、原著が初めて書かれた書籍かと思います。ここまで完成度を高めるために、もっとも工夫された点、力を入れられた点はどのようなところですか?

もっとも力を入れたのは、「分かりやすさ」と「厳密さ」の間を狙った、針の穴を通すコントロールです。

お金の話は、分かりやすく書こうとすれば、どこまでも分かりやすく書けます。「S&P500かオルカンだけ買ってれば良いんだよ」みたいなのが、その最たる例です。でも、これはイマイチです。結論はそうかもしれないけど、その背景には、たくさんの根拠がある。根拠が分からないと、暴落があった時に不安になってしまって、「もう二度と投資なんてするもんか!」と泣いて退場するハメになるかもしれません。これは、読者にとって間違いなく不利益です。

一方で、お金の話は、難しく書こうとすればどこまでも難しく書けます。現代ポートフォリオ理論、効率的フロンティア、シャープレシオ、ベータetc……こういった専門用語を連発されたら、ほとんどの人は心が折れます。こういった用語で出鼻をくじかれて、資産運用の世界に入れなくなってしまったら、それも読者にとっては不利益でしょう。

「とにかく分かりやすく!」「でも、嘘にならないように……」「可能な限り文章を短く!」「でも、浅くなりすぎないように……」「専門用語はできるだけ避ける!」「でも、必須なものまで削らないように……」。こんな感じで、常に「分かりやすさ」と「厳密さ」の間の、一番バランスの良いところを探っていました。このあたりのコントロール力は、メジャーリーグのピッチャーにも負けてないと思います。笑

――各項目の導入が会話形式になっていたり、身近な具体例やたとえで解説されていたり、まさに誰でもすっと内容に入れる構成になっていると感じました。実際に本書を手にした読者からは、どのような点がもっとも支持されていると感じていらっしゃいますか? また寄せられた反響で、うれしかったものや意外だったものがあれば教えてください。

支持されている点、1つに絞るのは難しいですね。笑

個人的には、大きく分けて3つあると思っています。

まず、「体系的」なところ。節約だけの本、稼ぎ方だけの本、投資だけの本は世の中にたくさんありますが、ここまで各分野のエッセンスがバランスよく体系的にまとまっている本はあまりないように思います。

次に、「圧倒的な分かりやすさ」。保険や投資など、小難しい話もすらすら読めるように、限界まで難易度をコントロールしましたからね。ほかの書籍にはない、独特のイラストの存在も大きいでしょう。うちのチームには、天才イラストレーターがいるんです。笑

最後に、「コスパ」ですかね。フルカラー324ページで1,650円は、破格だと思います。

寄せられた反響でうれしかったものは、「この通りにやったら人生が良くなった!」という趣旨のもの。これに尽きます。その言葉を聞くためだけに、作りましたから。

改お金の大学S4

▲フルカラーで、イラストもたっぷりのわかりやすい構成(『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』より)

 

「お金の勉強ほど、おもろいもんはないで!」

――YouTubeやSNSなどさまざまな媒体で発信されていますが、発信される側、受け取る側の、本ならではの強みやおすすめポイントをどのようにお考えですか? また、公式サイトではおすすめ書籍を一覧で紹介されていますが、ご自身も書籍で学ばれることが多いのでしょうか?

本ならではの強みは、「情報が体系的に整理されている」ということです。

現在、YouTube(「両学長 リベラルアーツ大学」)には2,700本弱の動画があります。X(旧Twitter)やInstagramでも、たくさんの情報発信をしています。これらは、1つ1つは意味のある情報ですが、体系的ではありません。「全体感」を押さえながら学ぶツールとしては、まったく向いてないんです。例えて言うなら、YouTubeやSNSは「近所の地図」、本は「世界地図」ぐらい、「全体を押さえてる感」に差があります。書籍以外のコンテンツは、近くの行きたいところに行くには便利だけど、遠くの行きたいところに行くには使いづらい、というワケです。

私自身、書籍で学ぶことは多いですね。知りたい分野の世界観を体系的に学ぼうと思ったら、本に勝る学習ツールはありませんから。そして、良い本との出会いには人生を変えるほどのインパクトがあります。だから、これからも読み続けます。

――「お金に困らず、自由に生きられる人を増やす」の理念に基づき、書籍『お金の大学』寄贈プロジェクトも実施されています。これは、全国の中学校・高等学校を中心とした教育機関のうち、希望される学校へ『改訂版 お金の大学』をプレゼントされるものだそうですが、今後も書籍を通した教育活動について計画されていることはありますか?

「書籍を通した教育活動」としては、現状はこの寄贈プロジェクト以外の計画はありません。『改訂版 お金の大学』を教科書にして、朝のYouTubeライブで講義をしているので、それも書籍を通した教育活動と言えば教育活動ですが。笑 1周目が大好評だったので、今は2周目です。「時間が合わなくてライブを見られない!」という人のために、編集された講義動画も見られるようにしています。

なんせ、書籍のクオリティが高いですからね。活用しようと思えば、どんなふうにでも活用できるんじゃないかと思っています。何か良いアイデアが出てきたら、積極的にやるつもりです。

――本書の「おわりに」に書かれた「今日が一番若い日です」の一文に勇気をもらいました! これから「お金の勉強」を始める読者にメッセージをお願いします。

「お金の勉強ほど、おもろいもんはないで!」 これを伝えたいですね。

「勉強」と聞くと「つまらなそう」と感じる人が多いと思います。でも、「お金の勉強」は、始めたその日から実生活に役立つ、とても身近で、実践的なものです。学校で授業を受けながら、「この知識、いつ、何の役に立つんだ?」と感じていた人は少なくないでしょう。お金の勉強は、この感覚の正反対にあるものです。「今日この瞬間から」「生活を良くするために」役に立ちます。

お金という「知識」を身に付けて行動することで、お金が増える、暮らしが豊かになる。イヤなことに縛られることが減り、好きなことに没頭できる時間が増え、「人生を取り戻している」という感覚が掴めてくる。これに匹敵する「おもろい体験」はなかなかないですよ。

お金について学んだことのある人は、多くありません。これはつまり、「みんな伸びしろたっぷり」ということでもあります。今日1つ学んだことが、明日の自分を豊かにする武器にも、身を守る防具にもなる。「お金の勉強」は、学んだ人の生活を確実に豊かにしてくれるんです。

今日が、人生で一番若い日です。学んで行動して、今より一歩自由な人生を手に入れましょう!

――より良い人生のために、まずは動き出すこと!ですね。本日はありがとうございました。