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アメリカで子どもを育てる「母」研究者2人が語る、「働きながら」の葛藤とヒント『仕事をしながら母になる』【総合3.8】

仕事をしながら母になる

仕事をしながら母になる 「ひとりじゃないよ」心がラクになる思考のヒント
著者:内田舞 塩田佳代子 ReHacQ
発売日:2025年02月
発行所:KADOKAWA
価格:1,760円(税込)
ISBNコード:9784046071170

 

『仕事をしながら母になる』の要点

1.「子持ち様」という言葉が使われる状況を変えていくには、さまざまな偏見や無理解と向き合い、システムを変えていく必要がある。

2.「女性だからこの義務と責任は与えられない。だから女性は雇えない」と決めつけるのではなく、「その義務と責任をみんなが果たせるようにするためにはどうしたらいいか」を考えるべきだ。そうでなければ、女性の権利だけでなく、男性の権利も侵害され、社会にとっても大きな損失となる。

 

『仕事をしながら母になる』レビュー

子を産み、育てるというのはこの上なく尊い行為である。それなのに、日本社会は働きながら子どもを育てる人にとって理想的な構造には程遠い。そんな現代日本の現状をつまびらかにするとともに、いくつかのヒントを提示してくれるのが本書だ。

著者の一人、内田舞氏は、小児精神科医であり、ハーバード大学医学部の准教授だ。現在は3児の母である。

もう一人の著者、塩田佳代子氏は感染症疫学者・獣医師で、ボストン大学公衆衛生大学院グローバルヘルス学科アシスタントプロフェッサーである2児の母だ。

本書は、内田氏と塩田氏の対談パート、内田氏の語りのパート、そして塩田氏の語りのパートという3つのパートから成る。子を持つ人の日本とアメリカにおける働き方の違いや、過去に経験したキャリアの転機と子育てにおける葛藤などについて、赤裸々に語られている。

これから「仕事をしながら母になる」人や、まさに今子育て中の人が本書を読めば、強く励まされるだろう。だが要約者は、男性を含め、妊娠・出産経験のない人にこそ読んでほしいと感じた。もちろん、知ることと経験することの間には大きな隔たりがあるに違いないし、本書を通して知れることもごく一部に過ぎないのかもしれない。ただ「仕事をしながら母になる」ことの裏にどのような苦労や葛藤があるのかを少し知っている人が増えるだけでも、社会にとっては大きな前進なのだ。

 

『仕事をしながら母になる』が気になる方におすすめ

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著者:大塚あみ
発売日:2025年01月
発行所:日経BP
価格:1,980円(税込)
ISBNコード:9784296071067