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ウクライナの作家による美しく壮大なスケールの絵本『旅するわたしたち On the Move』発売

5月18日(木)、ウクライナの作家、ロマナ・ロマニーシンさん、アンドリー・レシヴさんによる絵本『旅するわたしたち On the Move』の日本語版が発売されました。

本書は、原書が刊行された翌年の2021年に、国際的な絵本賞であるナミコンクールをはじめ、ヨーロッパ・デザイン賞など計5つの賞を受賞し、注目を集めた作品です。

旅するわたしたち On the Move
著者:ロマナ・ロマニーシン、アンドリー・レシヴ、訳:広松由希子
発売日:2023年5月
発行所:ブロンズ新社
価格:2,420円(税込)
ISBN:9784893097194

一歩、また一歩、わたしたちは何万年も旅してきた。
進化の過程による移動の歴史や、のりものの発明による手段の変化、探検、戦争、避難、巡礼、刊行...様々な目的によって、海底から山のてっぺん、空から宇宙まで、時に迷い、方向転換をし、歩んできた。風や水は自由に境界を超え、動物たちは地図もコンパスもなしに移動する。動くことにより、あたらしい世界をひらいてきたわたしたちの物語。
ウクライナの作家による、万物の移動を描いた絵本。

(ブロンズ新社公式サイト『旅するわたしたち On the Move』より)

 

「動く」ことをテーマにした、色鮮やかな印刷が特徴の絵本

本書は、新型コロナウイルス感染症が世界中にまん延し、人々の行動が制限された2020年にウクライナで刊行されました。2023年5月現在、日本語版のほかに、世界14言語での翻訳出版が決まっています。

「移動する」「旅する」「冒険する」など、万物の行動原理である「動く」ことをテーマに、歴史や文化、人類の進化を、美しいビジュアルでたどったスケールの大きな絵本です。蛍光インクによる鮮やかな印刷が特徴で、グラフィカルな絵は見応えがあり、シンボライズされたイラストを読みとる楽しさがあります。

 

それぞれのイラストには解説が付いており、図鑑のように「知ること」のおもしろさも感じることができます。子どもだけでなく大人の知的好奇心も刺激する一冊です。

 

著者紹介

(左から)アンドリー・レシヴ、ロマナ・ロマニーシン(作)
絵本作家、アーティスト。ともに1984年⽣まれ。ウクライナのリヴィウを拠点に活動する。リヴィウ国⽴美術⼤学を卒業。アートスタジオAgrafka主宰。2011年、ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)で出版社賞を受賞。邦訳に『戦争が町にやってくる』(⾦原瑞⼈ 訳/ブロンズ新社)、『うるさく、しずかに、ひそひそと ⾳がきこえてくる絵本』、『⽬で⾒てかんじて 世界がみえてくる絵本』(ともに、広松由希⼦ 訳/河出書房新社)がある。本書で、韓国の2021年ナミコンクール・グリーンアイランド賞と2021年ヨーロッパ・デザイン賞銀賞を受賞した。世界が注⽬する新進気鋭のユニット。

 

広松由希子(訳)
編集者、⽂庫主宰、ちひろ美術館学芸部部⻑を経てフリーランス。絵本の評論、⽂、翻訳、展⽰企画などを⼿がける。著書に『⽇本の絵本 100年100人100冊』(⽟川⼤学出版部)、『かえりみちとっとこ』(⼩⼭友⼦ 絵/岩崎書店)、訳書に『ナンティー・ソロ ⼦どもたちを⿃にかえたひと』(デイヴィッド・アーモンド 作、ローラ・カーリン 絵/BL出版)、『パライパンマンマ』(イ・ジウン 作、申明浩 共訳/ポプラ社)など多数。世界の絵本に精通しており、ボローニャ国際絵本原画展など国際審査員を歴任。2017年ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)では審査員⻑を務めた。

 

著者の既刊


戦争が町にやってくる
著者:ロマナ・ロマニーシン、アンドリー・レシヴ、訳:金原瑞人
発売日:2022年6月
発行所:ブロンズ新社
価格:1,760円(税込)
ISBN:9784893097095

美しい町・ロンドで、人びとは花を育て、変わった家を建て、鳥や草木に話しかけながら楽しく暮らしていました。ところがある日とつぜん「戦争」がやってきたのです。「戦争」を知らない町の人びとはおろおろするばかり。町を愛するダーンカ、ジールカ、ファビヤンの3人は、知恵と能力のすべてを使い、ロンドを暗闇から救い出そうとします。
2015年ボローニャ・ラガッツィ賞受賞、世界22言語に翻訳出版。

(ブロンズ新社公式サイト『戦争が町にやってくる』より)