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「2025年本屋大賞」ノミネート作品をご紹介!第2弾は一穂ミチ新境地の恋愛小説『恋とか愛とかやさしさなら』

「恋とか愛とかやさしさなら」のPR画像

2月3日(月)、本屋大賞実行委員会より、22回目となる「2025年本屋大賞」のノミネート10作品が発表されました(関連記事)。

ほんのひきだしでは、これらの中から注目の作品を短期連載形式でご紹介します。多くの書店店頭では、ノミネート作品を集めたフェアを実施していますので、ぜひ、書店店頭に足を運んでこれらの作品を手に取ってみてください。

 

【Vol.2】一穂ミチ『恋とか愛とかやさしさなら

第2弾は、累計発行部数10万部の、一穂ミチさんのベストセラー作品『恋とか愛とかやさしさなら』をご紹介します。

本書は、2024年10月30日の刊行後に即重版され、これまでに5刷10万部の発行となっています。『ツミデミック』で2024年上半期「第171回直木賞」受賞後の第一作で挑んだ新境地の恋愛小説です。

信じるとは、許すとは、愛するとは。この問いの答えを求めて、多くの人がこの本を手に取られたようです。

多くの作家やクリエーター、読者から本書への感想が寄せられていますが、小説クリエーターのけんごさんは、昨年、「2024年、僕のベスト小説はこの作品です。僕はこの物語を、生涯忘れることはありません」とTikTokで投稿をされていました。

 

「恋とか愛とかやさしさなら」書影
著者:一穂ミチ
発売日:2024年10月30日
発行所:小学館
判型:四六判上製・ 240ページ
定価:1,760円(税込)
ISBN:9784093867399

 

【あらすじ】
カメラマンの新夏(にいか)は啓久(ひらく)と交際5年。プロポーズの翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久と、やり直せるか葛藤する新夏。啓久が〝出来心〟で犯した罪は、周囲の人々を巻き込み、予想外の波紋を巻き起こしていく。
「このまま目を瞑って結婚するって選択、全然ありだと思う」
「啓久のやったことは性犯罪だよ。犯罪なの」
「死刑か去勢」

(小学館『恋とか愛とかやさしさなら』プレスリリースより)

 

一穂ミチさんのコメント

この度の本屋大賞ノミネートありがとうございます。
これまでと違うもの、違う感情を書きたくてもがき、本が出た後もなおもがき続けていますが、書店の皆さまが溺れそうな手を掴み、読者のいる岸辺に運んでくださいました。

著者画像

▲一穂ミチさんイメージ画像

一穂ミチ(いちほ・みち)

2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。『イエスかノーか半分か』などの人気シリーズを手がける。21年刊行の『スモールワールズ』が本屋大賞第3位。同作で吉川英治文学新人賞を受賞し、直木賞候補になる。22年刊行の『光のとこにいてね』は本屋大賞第3位、キノベス第2位。同作で直木賞候補になり、島清恋愛文学賞を受賞。24年『ツミデミック』で第171回直木賞を受賞。他の著書に『パラソルでパラシュート』『うたかたモザイク』など。

 

全国書店員から過去最大級の感想!「信じる、とは?」

【本書のおすすめポイント】~担当編集者より~

本作には、全国の書店員さんから過去最大級の感想を寄せていただきました。悲鳴にも似た熱い言葉のひとつひとつに励まされ、涙し、この時代に本作を出すことができて本当によかったと思いました。

また、作家・書評家の方からもたくさんのコメントをいただいております。

この物語は訴えている。傷つけること傷つくこと、信じたさと信じられなさ、複雑で多層的で、常に揺らぎ、時に一瞬で変容すらしてしまう脆弱な人間そのものと対峙し続けろと。――金原ひとみさん(作家)

わたしの心と体を通ってきた、無数の、犯罪の名前が付かないたくさんの傷のことを考えた。苦しかった。読めてよかった。――高瀬隼子さん(作家)

女性が置かれている地獄のある側面が突きつけられる。――スケザネ(書評家)

性加害というヘビーなテーマにがっつり向き合った社会派小説であり、加害した恋人をそれでも愛せるのか、許せるのか、という恋愛小説でもある。凄みさえ感じさせる直木賞受賞第一作。――吉田伸子(書評家)

2024年、僕のベスト小説はこの作品です。僕はこの物語を、生涯忘れることはありません。――けんごさん(小説紹介クリエイター)

直木賞受賞第一作となる小説で、人を「信じる」という難しいテーマに挑んだ一穂ミチという作家を心から尊敬しています。老若男女問わず、今を生きるすべての人に読んでいただけたらと願っています。

【本屋大賞関連記事】

「2025年本屋大賞」ノミネート作品をご紹介!第1弾は10万部突破の朝井リョウ『生殖記』

 

本屋大賞とは

「本屋大賞」は、新刊書の書店(オンライン書店も含みます)で働く書店員の投票で決定するものです。過去1年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。

今回で22回目となる本屋大賞ですが、2024年12月1日(日)~2025年1月5日(日)に一次投票が行われ、全国488書店の652人の書店員が投票しました。その集計の結果、上位10作品を「2025年本屋大賞」ノミネート作品として決定。2月3日(月)~3月2日(日)まで二次投票を受け付け、その投票の結果、大賞作が決定されます。大賞は4月9日(水)に発表されます。

2025年本屋大賞のノミネート作品は以下の通りです。

本屋大賞2025のパネル

【ノミネート10作品(書名五十音順)】

書    名 著  者 出版社
アルプス席の母 早見和真 小学館
カフネ 阿部暁子 講談社
禁忌の子 山口未桜 東京創元社
恋とか愛とかやさしさなら 一穂ミチ 小学館
小説 野﨑まど 講談社
死んだ山田と教室 金子玲介 講談社
spring 恩田陸 筑摩書房
生殖記 朝井リョウ 小学館
成瀬は信じた道をいく 宮島未奈 新潮社
人魚が逃げた 青山美智子 PHP研究所