- 酒ビジネス
- 著者:髙橋理人
- 発売日:2024年10月
- 発行所:クロスメディア・パブリッシング
- 価格:1,738円(税込)
- ISBNコード:9784295410270
『酒ビジネス』の要点
1.平成元年頃、「八海山」(新潟県)の製造が追いつかずプレミア化が起こった。八海山を醸造する八海醸造は、それを“利益を高く取るチャンス”とは捉えず、製造体制に投資して「質」と「量」を両立させた。
2.2022年の日本酒全体の輸出額は約475億円で、その15%を「獺祭」(山口県)が占めている。そんな獺祭のすごさは、「酒米の王様」と呼ばれる山田錦を原材料とし、最大限の手間とコストをかけて製造している点にある。
3.日本酒を造るためには清酒の酒類製造免許が必要だが、日本国内では70年間で一度も新規免許が発行されておらず、休廃業した酒蔵を買収・継承するしかなかった。そのような業界に新風を吹き込んだのが、クラフトサケを製造・販売する「WAKAZE」だ。
『酒ビジネス』レビュー
近年、国内外で一大ブームとなっている「日本酒」。あなたはそんな日本酒について、どのくらい知っているだろう。
本書の著者、髙橋理人氏は、年間2000種類の日本酒を飲む酒蔵コーディネーターだ。新卒入社した大手化学メーカーにて新潟県糸魚川市に赴任したことで、日本酒に開眼。大手コンサルティングファームに転じたのち、2020年10月には株式会社蔵楽(くらく)を創業して、東南アジア向けの輸出や日本酒サブスク「TAMESHU(タメシュ)」を手がけている。
本書はそんな髙橋氏が、多様な視点から「日本酒ビジネス」について解説してくれる一冊だ。なぜ八海山はいつでもどこでも美味しく飲めるのか、獺祭の何がすごいのか、新ジャンル「クラフトサケ」とは何か……日本酒ファンはもちろん、そうでない人も気になるテーマが目白押しである。
本書を読めば、お酒がもっとおいしくなるに違いない。また海外のお客さまを迎える前に読んでおき、接待の場で知識を披露すれば、きっと喜ばれるはずだ。
さて、要約ではまず「なぜ八海山はどこでも美味しく飲めるのか」を取り上げる。読み始めたらすぐ、お酒が飲みたくてたまらなくなるだろう。可能であれば、手元においしいお酒を用意してから読み進めることをおすすめしたい。
『酒ビジネス』が気になる方におすすめ
- 営業してない相手から“契約したい”と言わせる マーケティングの全施策60
- 著者:田中龍之介
- 発売日:2024年11月
- 発行所:ブックダム
- 価格:1,980円(税込)
- ISBNコード:9784911160022