NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」をより深く知る!
2025年1月5日(日)より放送されるNHK大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」。
“江戸のメディア王”として時代の寵児になった蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)を主人公に、その生涯が、笑いと涙と謎に満ちた物語として描かれます。
蔦屋重三郎役は横浜流星さん、物語を動かす鍵を握る重要人物として渡辺謙さん、染谷将太さん、宮沢氷魚さん、片岡愛之助さんといった豪華キャストが発表され、注目度が高まっています。
ほんのひきだしでは、よりドラマを楽しんでいただけるように、放送に先がけて関連本を短期連載形式でご紹介します。
今回は、『別冊太陽 蔦屋重三郎』(平凡社)をご紹介します。「近代の価値観で蔦重を見てしまうことで、真の姿を見落としていないだろうか」。そう問いかけるのは、この本の監修を務められている鈴木俊幸さんです。これから各書籍・雑誌・新聞・ネットメディアなどで“蔦重”に関する情報に触れる前に、一読いただきたい本作。ぜひ書店店頭で手に取って、ドラマとあわせてお楽しみください。
- 蔦屋重三郎
- 著者:鈴木俊幸
- 発売日:2024年10月
- 発行所:平凡社
- 価格:2,530円(税込)
- ISBNコード:9784582923193
どうでぇ これが蔦重だ!!
時代の風雲児をビジュアルでたどる決定版。江戸が経済都市に貌する18世紀半ば。
変わりゆく時代が求めたかのように、蔦屋重三郎は現れた。
蔦重は時代の何を捉え、何を形作ったのか──。
その生涯を追う。《目次》
◎巻頭言 蔦屋重三郎を誉めたい 鈴木俊幸◎第一章 「稀代の本屋」蔦屋重三郎の生涯
【蔦屋重三郎という生き方──時代を捉え、時代をつくる】 鈴木俊幸
一、新吉原に生い立つ──時代の色差し
二、吉原世界の一員として──吉原本と吉原細見
三、風を読み、風を起こす──当世本の出版
四、狂歌と戯作の江戸──日本橋通油町進出
五、風の変わり目──天明から寛政へ
六、書籍市場を耕す──読者層の変化、山東京伝という作名
七、書物問屋蔦屋重三郎──附、地本問屋仲間成立と浮世絵出版・コラム 吉原の町歩きガイド『吉原細見』の読み方
◎第二章 「吉原」という世界
【蔦屋重三郎が編集した吉原】 田中優子
吉原遊郭の全貌/遊女たちの城 妓楼/吉原の隠語と「ありんす言葉」
吉原のしきたり/吉原の女たち/遊女の一生と階級/吉原で働く女性たち
遊女の一日/吉原遊女の一日/吉原の年中行事◎第三章 蔦重が生み出したもの
【蔦屋重三郎のネットワーク】 田中優子
〈図解〉蔦屋重三郎の文化人ネットワーク
朋誠堂喜三二/恋川春町/大田南畝/宿屋飯盛/朱楽菅江/山東京伝
北尾重政/北尾政美/鱗形屋孫兵衛/鶴屋喜右衛門/西村屋与八
【浮世絵の新展開】 日野原健司
喜多川歌麿──新しい美人画の創造
東洲斎写楽──浮世絵界に残したインパクト〈エッセイ〉狂騒と倹約 蔦重が生きた二つの時代の空気 小林ふみ子
江戸時代の出版事情──版元と流通 松永瑠成
寛政の改革と地本問屋 湯浅淑子
蔦重と葛飾北斎 日野原健司
版元の才覚──ポスト蔦重の出版界 日野原健司
「べらぼう」の時代考証を担当する、“蔦重研究の第一人者”鈴木俊幸先生の全面協力!
“蔦重”研究の第一人者、鈴木俊幸さんが本書の監修を務めています。“蔦重”といえば、歌麿や写楽を世に送り出したすごい版元として、また、戯作や狂歌など時代の先端を行く文芸を出版した江戸のメディア王として知られますが、それだけではない新たな視点で、「蔦重」の魅力に迫ります!
時代の風雲児をビジュアルでたどる決定版!
別冊太陽はビジュアルが命です。蔦重がプロデュースしたものの1つである浮世絵。歌麿や写楽の浮世絵も見開きでしっかり楽しめます!
「吉原」の全貌を明かした本は、この別冊太陽だけ!
吉原で生まれ、その水で育った蔦重にとって、この町に生きる人間や日々の営みは、彼の尽きせぬアイデアの源泉でした。その「吉原」という世界の全貌をビジュアルで明かした本は、この別冊太陽をおいて他にありません!
著者プロフィール
監修:鈴木俊幸(すずき・としゆき)
1956年、北海道生まれ。中央大学文学部教授。専攻は近代文学、書籍文化史。中央大学文学部国文学専攻卒業。同大学大学院博士課程単位取得満期退学。著書に、『江戸の読書熱 自学する読者と書籍流通』、『絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ』(以上、平凡社選書)、『江戸の本づくし――黄表紙で読む江戸の出版事情』(平凡社新書)、『近世読者のゆくえ――読者と書籍流通の近世・近代』(平凡社)など。
編集者からのコメント
蔦重が生きた時代は、日本の経済の中心が京都・大阪から江戸へと移り、経済的な指標が年貢(米)から貨幣へと移り変わる狭間でした。お金の力によって時代の価値観が塗り替えられようとする時に、時代の風雲児として登場したのが蔦重という人だったと思います。そのあたりに、今回の大河ドラマが、なぜ蔦重なのかという意図があるのではないかと、個人的にはにらんでいるのですが……。読者の皆さんも「いまなぜ蔦重なのか?」という答えを、別冊太陽を読んで一緒に考えていただけたら嬉しいです!