NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」をより深く知る!
2025年1月5日(日)より放送されるNHK大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」。
“江戸のメディア王”として時代の寵児になった蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)を主人公に、その生涯が、笑いと涙と謎に満ちた物語として描かれます。
蔦屋重三郎役は横浜流星さん、物語を動かす鍵を握る重要人物として渡辺謙さん、染谷将太さん、宮沢氷魚さん、片岡愛之助さんといった豪華キャストが発表され、注目度が高まっています。
ほんのひきだしでは、よりドラマを楽しんでいただけるように、放送に先がけて関連本を短期連載形式でご紹介します。
今回は、『稀代の本屋 蔦屋重三郎』(草思社)をご紹介します。“蔦重”をはじめ、喜多川歌麿・山東京伝といった江戸時代中期の文化を盛り上げた個性豊かな才能たちが登場する書き下ろし時代小説です。ぜひ書店店頭で手に取って、ドラマとあわせてお楽しみください。
- 稀代の本屋蔦屋重三郎
- 著者:増田晶文
- 発売日:2019年06月
- 発行所:草思社
- 価格:1,078円(税込)
- ISBNコード:9784794223968
〈目次〉
序章 画帖
第一章 吉原
第二章 細見
第三章 耕書堂
第四章 狂歌連
第五章 満帆
第六章 春町
第七章 歌麿
第八章 しやらくせえ
第九章 魔道
終章 蜉蝣
あとがき
参考文献
「世をひっくり返し」「新しいものを生み出す」男として描かれた快作!
山東京伝、恋川春町の黄表紙で世を沸かせ、喜多川歌麿を磨き上げ、東洲斎写楽を産み落とした江戸随一の出版人「蔦重」。版元・編集者・流通業者であり、流行を仕掛け情報を発信する辣腕メディアプロデューサー。しかし金儲けではなく、より新しい才能を見出し育てて世に出し、日本の文化を変えることに生涯をかけた男として描かれるのが本書の最大の特色。為政者の弾圧を跳ね除け「世をひっくり返す」作品を問い続けた稀代の男の波乱万丈の生涯が、江戸の粋が息づく文体で描かれます!
ノンフィクション作家でもある著者の「緻密な考証」が作品を裏打ち!
筆者の増田晶文さんは本作や『楠木正成 河内熱風録』などの時代小説も執筆されていますが、すぐれたノンフィクション作家でもあり文藝春秋Numberスポーツノンフィクション新人賞、小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞されています。その優れた手法で“蔦重”とその時代にまつわる豊富な情報を読み込み、そのうえに等身大の魅力あふれる“蔦重”を造形。太田記念美術館の主席学芸員である日野原健司さんは、本書を「緻密な考証が浮き彫りにする蔦重の『真』の顔」と評価しています。
著者プロフィール
増田晶文(ますだ・まさふみ)
作家。1960年大阪府生まれ。同志社大学卒。文芸作品に『楠木正成 河内熱風録』『絵師の魂 渓斎英泉』(ともに草思社)、『ジョーの夢』(講談社)などがある。ノンフィクション作品では、文藝春秋Numberスポーツノンフィクション新人賞、小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。最新刊は『蔦屋重三郎』 (新潮選書)。
編集者からのコメント
『稀代の本屋 蔦屋重三郎』『絵師の魂 渓斎英泉』『楠木正成 河内熱風録』と傑作時代小説を書き続ける増田晶文さん。熱気とリズム感あふれる筆致は読むものをぐいぐい引き込みます。上記3点ともそれまでの人物像を大きく変えた人間味あふれる姿で描かれます。“蔦重”は江戸っ子べらんめえ調が定番ですが、本作では「ですます」の丁寧口調、笑顔でいながらびしっとツボを衝く。目の前の欲得ではなく遥かなものを果てしなく求める人間、それが増田小説の最大の魅力です。ぜひご一読ください。