NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」をより深く知る!
2025年1月5日(日)より放送されるNHK大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」。
“江戸のメディア王”として時代の寵児になった蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)を主人公に、その生涯が、笑いと涙と謎に満ちた物語として描かれます。
蔦屋重三郎役は横浜流星さん、物語を動かす鍵を握る重要人物として渡辺謙さん、染谷将太さん、宮沢氷魚さん、片岡愛之助さんといった豪華キャストが発表され、注目度が高まっています。
ほんのひきだしでは、よりドラマを楽しんでいただけるように、放送に先がけて関連本を短期連載形式でご紹介します。
今回は、ポップカルチャーの礎を築いた蔦屋重三郎の原点を知ることができる『蔦屋重三郎と吉原』(朝日新聞出版)をご紹介します。ぜひ書店店頭で手に取って、ドラマとあわせてお楽しみください。
- 蔦屋重三郎と吉原
- 著者:河合敦
- 発売日:2024年12月
- 発行所:朝日新聞出版
- 価格:990円(税込)
- ISBNコード:9784022952905
蔦屋重三郎の功績をわかりやすく解説!
“蔦重”が吉原という特殊な場所に生まれたことで、どんな版元よりも遊郭の裏事情に精通していたと考えられています。
当初は吉原遊郭の案内書「吉原細見」や高級遊女の容姿や性格、才芸などを紹介する「遊女評判記」などを主に手掛けていました。やがて、狂歌を中心としたいわゆる文化サロン(連)などに出入りするようになり、ついには自らがその主宰者となって狂歌師や戯作者、絵師との関係を深めていったのでした。
本書では、こうした“蔦重”が新しい文化を生み出す原動力となったその原点を、序章におき重点的に解説しています。
“蔦重”は江戸時代の出版文化に大きな活気をもたらしました。彼が重用した戯作者や絵師たちが後の日本文学や美術に与えた影響は計り知れず、日本だけではなく、世界にも影響を与えるほどでした。
“蔦重”と関係の深かった歌麿や北斎の絵は、幕末から明治にかけて世界的に高い評価を受け、ヨーロッパで日本ブーム(ジャポニズム)が巻き起こり、その斬新な構図はモネやゴッホなど印象派画家に大きな刺激を与えたといわれています。
本書ではそんな蔦屋重三郎の生きざまと功績、彼と親交を結んだ人びとの活躍を詳しく紹介しています。
著者プロフィール
河合敦(かわい・あつし)1965年東京都生まれ。歴史作家。多摩大学客員教授。早稲田大学非常勤講師。青山学院大学文学部史学科卒業。早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学(日本史専攻)。テレビ番組「歴史探偵」(NHK総合)他に出演。著書に『江戸500藩全解剖』『日本史の裏側』『日本三大幕府を解剖する』『歴史の真相が見えてくる 旅する日本史』『武将、城を建てる』など多数。
編集者からのコメント
幕府の弾圧にも屈せずに人々の求める作品を世に送り続けた蔦屋重三郎。権力をあざ笑い、処罰されても態度を変えなかった矜持、生き方に誰もが憧れを抱くのだと思います。もし、蔦屋重三郎が現代にいたらどんなことをするんだろう。そんな想像をしながら読んでいただきたいです! 書店さまはぜひ、新書コーナーだけでなく、大河ドラマコーナーにも並べてみてください。