頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法
著者:川田将雅
発売日:2023年3月
発行所:KADOKAWA
価格:1,650円(税込)
ISBN:9784046060433
『頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法』の要点
1.著者の人生は「負け」からのスタートであった。子供の頃は体が小さく、ケンカでも負けてばかりだったが、両親は決して「負けっ放し」を許してはくれなかった。
2.困難を打破するためには、自分が何を求められているかを察して、考えることが重要だ。
3.ジョッキーは依頼されなければレースに出ることができない。「必要とされる」ことは何より大切なことで、そのためには、求められる技術と結果を提供し続けなければならない。
『頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法』レビュー
競馬は壮大なビジネスだ。「ラン・ザ・ビジネス」といえば事業を営むという意味だが、文字通り「馬を走らせている騎手」は、この世界でどんな立ち位置にあるかご存じだろうか。
まず、投資家にあたるのが馬主である。自分の馬をどの厩舎に預けるかを決め、預託料を支払う。社長にあたるのが厩舎の責任者である調教師だ。預かった馬の育成計画を立て、調教助手や厩務員といったスタッフをリードする。馬の運命もスタッフの生活も、調教師にかかっている。
そしてジョッキーは事業責任者だ。馬の可能性を最大限に発揮し、レースで勝たせる責任を負う。彼らはなによりも結果が求められ、馬券を買う競馬ファンからの期待も一身に背負う。勝てば馬のおかげと言われる一方で、負ければジョッキーのせいにされ、心無い言葉を浴びせられることも珍しくない。
こんな厳しい世界で2022年に最多勝、最高勝率、最多獲得賞金の三冠を達成し、史上4人目の「騎手大賞」を受賞して競馬史に名を刻んだのが、本書の著者・川田将雅氏だ。「勝者」までの道のりは平坦ではなく、むしろいつも“負けからのスタート”だった。そんな著者から紡ぎ出される言葉には、プロとしての覚悟を感じるものばかりだ。
本書は、川田氏がトップに至るまでの選択と思考の変遷を綴った一冊である。著者の仕事への向き合い方は、ビジネスの現場で闘う人たちにも大いに参考になるはずだ。たとえ競馬に興味がなくとも、ぜひ本書を手に取ってほしい。ページを開けばきっと、心に刺さるひと言が目に飛び込んでくるだろう。
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発行所:KADOKAWA
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