また一人、ヒーローが誕生した!
病気や怪我から私たちの命を守るヒーロー、それが医者(ドクター)です! 個性豊かな医者たちが活躍する医療漫画は、常に私たちに強い感動と衝撃を与えてきました。
『コウノドリ』『ゴッドハンド輝』『アンメット ―ある脳外科医の日記-』などの名作を数多く生み出してきた講談社が医療・福祉漫画の累計1億部突破! そんな講談社から、医療漫画の最新作『ドクターチルドレン~小児外科医~』が2024年8月22日に発売されました。
今回の舞台は小児外科。卓越した手術技術で子どもたちの命を守る、ヤンキー風の女性ヒーローが登場します。
子どもに嘘はつかない覚悟のカッコよさ
小児外科医・星乃櫻子は、金髪にピアスというヤンキー風の外見。そして、子どもより子どもっぽいと言われるほど、子どもと真剣に向き合う性格です。
彼女の手術はまるで魔法のよう。抜群の空間認識能力と巧みな身体の使い方で、難易度の高い小児手術を次々と成功させ、命を守っていきます。
注射や手術は痛くて怖いもの。嫌がって泣き叫ぶ子どもに対し、親や大人の多くは、「大丈夫、痛くないから。怖くないから。」と言ってしまいがちです。星乃先生は違います。「うん、痛いよ」とはっきり伝えます。不安を煽(あお)るなんて非常識な医者だと親から言われても、彼女はやめません。「先生だって痛いのは怖いしイヤだけど、なるべく痛くないよう先生もがんばる」と続けます。
病状を隠さず伝え、一緒に治そうと寄り添う。信じてくれた子どもたちのために、彼女はどんなに難しい手術でも負担の軽い方法で挑みます。そう、少しでも痛くないように、一緒に治そうと言った言葉を嘘にしないために。
隠れて見せるデレにギャップ萌え
一匹狼の風貌を漂わせる星乃先生ですが、実は涙もろい一面もあります。子どもたちの「ありがとう」という言葉に号泣する彼女。「命が助かるのっていいよなぁ」という彼女の言葉には、読者も思わず胸を打たれます。
「なぜ小児科医になったのか?」という質問をはぐらかす彼女には、過去のトラウマが隠されているようで……。その影が今後どのように明らかになるのか、ますます気になります。
また、10月に発売予定の第2巻では、新たな小児科医が登場するとのこと。次なるヒーローの活躍に注目です!
医療漫画の醍醐味──背筋が伸びる瞬間
幸い、私はこれまで病院にあまりお世話になることがない人生を送ってきましたが、子どもが生まれてからは一変。まだ生まれて1年半ほどなのに、私のここ20年分ぐらい病院に足を運んでいます。熱が出た、肌が荒れた、と子どもの小さな変化に親は敏感になるものです。
本作で取り上げられる誤飲などの事故は、明日は我が身と感じられる場面もあり、心臓がバクバク……。子育て中の忙しさで気が緩んでいた部分にハッとさせられ、背筋が伸びる思いです。
医療漫画は、私たちに「知る」ことの重要性を教えてくれます。より多くの子育て世代に本作が届くことを願いつつ、次巻の発売を楽しみにしています!
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(レビュアー:Micha)
- ドクター+チルドレン~小児外科医~ 1
- 著者:秋野桜花
- 発売日:2024年08月
- 発行所:講談社
- 価格:759円(税込)
- ISBNコード:9784065366387
※本記事は、講談社コミックプラスに2024年9月20日に掲載されたものです。
※この記事の内容は掲載当時のものです。