- わが投資術 市場は誰に微笑むか
- 著者:清原達郎
- 発売日:2024年03月
- 発行所:講談社
- 価格:1,980円(税込)
- ISBNコード:9784065350355
『わが投資術』の要点
1.個人が株式投資をするならば、一般的な「大型株」よりも「割安小型株」への投資をすすめる。大多数が選ばない投資アイデアにこそ、成功へのチャンスが隠れている。
2.まずは「会社四季報」や企業ウェブページの情報をもとに、割安な株から20銘柄をピックアップして購入する。財務状況はもとより、将来の業績に大きな影響力をもつ経営者についてきちんとリサーチしよう。
3.日本企業は今後10年で、内需においても外需においても経営統合を進めていくしかない。
『わが投資術』レビュー
国税庁が2005年に公表した「長者番付」に1位として掲載されたのが、本書の著者・清原達郎氏だ。当時は、ヘッジファンドのタワー投資顧問で運用部長を務めるサラリーマンだった。
ヘッジファンドとは、「顧客から預かった資産を代わりに運用して利益を出す投資会社」を指す。著者はそこで「K1ファンド」を立ち上げ、25年経ったところでその閉鎖と引退を決めた。ファンドにその報酬のほとんどを注ぎ込み、運用資産の半分を担っていた清原氏の個人資産総額は、ファンド閉鎖時にはおよそ800億円を超えていたという。本書はその中で培われたノウハウをすべて公開しようと企図したものだ。大きな浮き沈みの中で学んだこと、感じたことが余すことなく書かれている。
ただし、よく見る投資本のようにグラフや図表が盛りだくさんの“具体的なハウツー”ではない。やさしい口ぶりで教えてくれるわけでもない。ここにあるのは、数々の失敗体験と、そこからの大きな成功によって得られた“リアルな声”だ。いかにリターンを得られたかによって評価されるヘッジファンドの厳しい世界を示しているが、「株式投資の楽しさも伝えたい」という思いもこぼれている。
咽頭がんの手術で声を失い、結果を出し続ける情熱も失ったという著者。しかし、ITバブル、リーマンショック、パンデミックを生き抜いてきた「実践の歴史」には、熱く人間的な感情が香る。そこにあるのは、投資ノンフィクションとしての一代記だ。
『わが投資術』が気になる方におすすめ
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- 著者:藤野英人
- 発売日:2024年01月
- 発行所:日経BP
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