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日曜日も昼から飲んじゃったお酒好きなあなたに役立つ本『減酒セラピー』【総合3.8】

あなたの時間と元気を取り戻す 減酒セラピー
著者:吉本尚
発売日:2024年02月
発行所:すばる舎
価格:1,650円(税込)
ISBNコード:9784799111864

 

『減酒セラピー』の要点

1.以前はアルコール依存症になると、「断酒」一択だと考えられていたが、アルコール摂取量を減らす「減酒」という選択肢が存在する。治療法は、カウンセリングや減酒薬によるものなど、より取り組みやすい治療法が存在している。

2.2024年に、「国民の飲酒に役立つ目安」として初のガイドライン(「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」)が作成された。ガイドライン内では飲酒量の把握が重要項目の1つとして挙げられており、その際の目安は「純アルコール量」というものだ。減酒にはこの「純アルコール量」への意識が重要である。

 

『減酒セラピー』レビュー

お酒が好きな人にとって、気心の知れた人とのお酒の席や、家でくつろぎながらお酒を楽しむ時間は、人生の幸せなひとときだといえるだろう。適量のお酒はプラスの作用をもたらすと、要約者自身も感じたことがある。しかし、過度の飲酒は、自身の健康や生活を脅かし、人間関係の破綻、さらには身を滅ぼすことにもなりかねない。アルコール依存症への対処法としては、「断酒」が選ばれることが多いようだ。

一方、本書は「減酒セラピー」を選択肢に挙げる。日々摂取するアルコール量を減らし、体調、生活や人生をより良いものにすることを目指す。お酒を飲み続けながらより良い生活を目指すというのが、お酒好きには嬉しいところだ。

本書では、減酒のコツや方法、そして著者が開設した「アルコール低減外来」に足を運ぶ患者さんたちのカウセリング例も紹介されている。実際の患者さんの例に触れることで、「減酒」というものをより具体的に想像することができる。

「減酒」にはたくさんの選択肢がある。一定期間で減らしたアルコール量をキープする場合、「さらにもう少し減らしてみよう」と試みる場合、そして、減酒を進め最終的には「断酒」を目指す場合など、自分なりのゴールを設定できるのも、「減酒」の良いところだといえる。

「ずっと楽しく飲み続けるために」、お酒好きにこそ読んでもらいたい一冊である。

 

『減酒セラピー』が気になる方におすすめ

もしも海賊に襲われたら
著者:ジョシュア・ペイビン デビッド・ボーゲニクト ベン・H.ウィンターズ 梅澤乃奈
発売日:2024年05月
発行所:文響社
価格:1,848円(税込)
ISBNコード:9784866517742