「京極夏彦」2023年書籍ベストセラーランキング発表
1994年に『姑獲鳥の夏』でデビューし、今年で30周年を迎えた京極夏彦さん。代表作に「百鬼夜行」シリーズや「巷説百物語」シリーズがあり、新刊を出すたびに話題となっています。
京極さんは妖怪好きで有名でありながら、オカルト系だけでなく、時代小説や推理小説、SF小説など幅広いジャンルを執筆されています。長期間にわたって刊行されているシリーズや、作品によっては1,000ページを超える分厚いページ数があるのも特徴です。
作品は、独特の世界観と妖怪たちの不気味な魅力を描いており、一度読むとその世界に読者は引き込まれていきます。また、一見関係のないように感じる文章も、物語のどこかで伏線回収されているなど、複雑な構成も魅力です。
今回は、そんな京極さんの書籍で、2023年の販売冊数を集計したベストセラーランキングをご紹介します。ランキングをご参考に、ぜひ書店店頭でお手に取って、お好みの1冊を選んでみてください。
※ランキングは2023年の販売冊数を集計しています(集計期間:2023/1/1~2023/12/31)
※日販調べ
2023年に一番人気の作品は…?!
京極夏彦さんの書籍で、2023年に一番人気があった作品は、「百鬼夜行」シリーズ17年ぶりの書き下ろし長編となる『鵼の碑』でした。
「百鬼夜行」は、京極さんのデビュー作『姑獲鳥の夏』から始まったシリーズで、古書肆「京極堂」の店主・中禅寺秋彦が“憑物落とし”を駆使し、謎に包まれた事件を解き明かす物語です。
『鵼の碑』は、シリーズ前作の『邪魅の雫』(2006年刊)の巻末予告として17年前にタイトルが発表されており、リリース発表時には、メディアでも大きな話題となりました。
『鵼の碑』
著者:京極夏彦
発売日:2023年9月
発行所:講談社
定価:2,420円(税込)
ISBN:9784065150450
殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。
消えた三つの他殺体を追う刑事。
妖光に翻弄される学僧。
失踪者を追い求める探偵。
死者の声を聞くために訪れた女。
そして見え隠れする公安の影。発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、
縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。(講談社BOOK倶楽部『鵼の碑』より)
■「百鬼夜行」シリーズ作品
- 姑獲鳥の夏
- 著者:京極夏彦
- 発売日:1998年09月
- 発行所:講談社
- 価格:1,100円(税込)
- ISBNコード:9784062638876
- 魍魎の匣
- 著者:京極夏彦
- 発売日:1999年09月
- 発行所:講談社
- 価格:1,650円(税込)
- ISBNコード:9784062646673
- 狂骨の夢
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2000年09月
- 発行所:講談社
- 価格:1,540円(税込)
- ISBNコード:9784062649612
- 鉄鼠の檻
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2001年09月
- 発行所:講談社
- 価格:1,870円(税込)
- ISBNコード:9784062732475
- 絡新婦の理
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2002年09月
- 発行所:講談社
- 価格:1,870円(税込)
- ISBNコード:9784062735353
- 塗仏の宴 宴の支度
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2003年09月
- 発行所:講談社
- 価格:1,540円(税込)
- ISBNコード:9784062738385
- 塗仏の宴 宴の始末
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2003年10月
- 発行所:講談社
- 価格:1,540円(税込)
- ISBNコード:9784062738590
- 陰摩羅鬼の瑕
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2006年09月
- 発行所:講談社
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784062754996
- 邪魅の雫
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2009年06月
- 発行所:講談社
- 価格:1,738円(税込)
- ISBNコード:9784062763714
「京極夏彦」2023年書籍ベストセラーランキング第2位~第10位
第2位『遠巷説百物語』(「巷説百物語」シリーズ)
- 遠巷説百物語
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2023年02月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:1,056円(税込)
- ISBNコード:9784041131091
「遠野は化け物が集まんだ。咄だって、なんぼでも来る」
盛岡藩筆頭家老にして遠野南部家当主の密命を受けた宇夫方祥五郎は、巷に流れる噂話を調べていた。郷が活気づく一方で、市場に流れる銭が不足し困窮する藩の財政に、祥五郎は言い知れぬ不安を感じる。ある日、世事に通じる乙蔵から奇異な話を聞かされた。菓子司山田屋から出て行った座敷童衆、夕暮れ時に現れる目鼻のない花嫁姿の女、そして他所から流れて迷家に棲みついた仲蔵という男。祥五郎のもとに舞い込む街談巷説、その真偽は――。
ハナシは、やがて物語になる。どんどはれ。〈巷説百物語〉シリーズの集大成!
(KADOKAWA公式サイト『遠巷説百物語』より)
第3位『書楼弔堂 待宵』(「書楼弔堂」シリーズ)
- 書楼弔堂 待宵
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2023年01月
- 発行所:集英社
- 価格:2,310円(税込)
- ISBNコード:9784087718201
舞台は明治30年代後半。鄙びた甘酒屋を営む弥蔵のところに馴染み客の利吉がやって来て、坂下の鰻屋に徳富蘇峰が居て本屋を探しているという。
なんでも、甘酒屋のある坂を上った先に、古今東西のあらゆる本が揃うと評判の書舗があるらしい。その名は “書楼弔堂(しょろうとむらいどう)”。
思想の変節を非難された徳富蘇峰、探偵小説を書く以前の岡本綺堂、学生時代の竹久夢二……。そこには、迷える者達が、己の一冊を求め“探書”に訪れる。
「扠(さて)、本日はどのようなご本をご所望でしょう——」(集英社公式サイト『書楼弔堂 待宵』より)
第4位『虚談』(「現代怪談」シリーズ)
- 虚談
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2021年10月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:748円(税込)
- ISBNコード:9784041115411
元デザイナーで小説家の「僕」は、知人友人からよく相談を受ける。
「ナッちゃんはそういうの駄目な口やろ」と笑いながら、デザイン学校時代の齢上の同輩、御木さんは奇妙な話を始めた。
13歳のとき山崩れで死んだ妹が、齢老い、中学の制服を着て、仕事先と自宅に現れたというのだ。
だが彼の話は、僕の記憶と食い違っていた……(「クラス」)。
家に潜む【誰か】。祀られたキンゴロー様。夢の中の殺人――。
この現実と価値観を揺るがす連作集。(KADOKAWA公式サイト『虚談』より)
第5位『今昔百鬼拾遺 月』(「百鬼夜行」短編スピンオフシリーズ)
- 今昔百鬼拾遺 月 文庫版
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2020年09月
- 発行所:講談社
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784065190265
昭和29年。3月に駒澤周辺で起きた連続通り魔事件を皮切りに、房総での連続水死、高尾山での登山客失踪と東京周辺で相次ぐ怪事件。「稀譚月報」記者の中禅寺敦子は、女学生・呉美由紀の相談を受け、事件解明に乗り出すことに。怪奇が残酷(リアル)な真相に反転する稀譚小説。
(講談社文庫 京極夏彦『文庫版 今昔百鬼拾遺 月』特設サイトより)
第6位『オジいサン』
- オジいサン
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2019年12月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:836円(税込)
- ISBNコード:9784041084441
72歳の益子徳一は定年退職後、公団アパートで一人暮らし。
誰かに優しく「オジいサン」と呼かけられたことを思い出したり大した用もないのに訪ねてくる田中電気の二代目と言い合いしたり、調子に乗って変な料理を作ったり――。
一日一日をきちんと大事に、そしてあるがままに生きる徳一は、何気ない日常の中で、ささやかだけれど大切なことに気づいてゆく。
ほっこり笑えてちょっぴり胸が温まる、連作短編集。(KADOKAWA公式サイト『オジいサン』より)
第7位『百鬼夜行 陰』『百鬼夜行 陽』(「百鬼夜行」短編スピンオフシリーズ)
- 百鬼夜行 陰
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2015年01月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:1,155円(税込)
- ISBNコード:9784167902742
- 百鬼夜行 陽
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2015年01月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:1,155円(税込)
- ISBNコード:9784167902735
『姑獲鳥の夏』に始まる百鬼夜行シリーズ初の短編集。
人にとり憑く妄執、疑心暗鬼、得体の知れぬ闇。それが妖怪となって現れる。『姑獲鳥の夏』ほか名作の陰にあった物語たちを収める。(文藝春秋BOOKS『百鬼夜行 陰』より)
第8位『死ねばいいのに』
- 死ねばいいのに
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2012年11月
- 発行所:講談社
- 価格:968円(税込)
- ISBNコード:9784062773515
死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。突如現れた無礼な男が、彼女のことを私に尋ねる。私は彼女の何を知っていたというのだろう。交わらない会話の先に浮かび上がるのは、人とは思えぬほどの心の昏(くら)がり。極上のベストセラー。
(講談社BOOK倶楽部『死ねばいいのに』より)
第9位『百器徒然袋 雨』(「百鬼夜行」短編スピンオフシリーズ)
- 百器徒然袋ー雨
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2005年09月
- 発行所:講談社
- 価格:1,320円(税込)
- ISBNコード:9784062751803
救いようの無い八方塞がりの状況も、国際的(ワールド・ワイド)な無理難題も、判断不能な怪現象も、全てを完全粉砕する男。ご存知、探偵・榎木津礼二郎! 「下僕」の関口、益田、今川、伊佐間を引き連れて、さらには京極堂・中禅寺秋彦さえ引きずり出して、快刀乱麻の大暴れ! 不可能状況を打開する力技が炸裂する3本の中編。
(講談社BOOK倶楽部 講談社ノベルス『百器徒然袋 雨』より)
第10位『ヒトごろし(上・下)』
- ヒトごろし 上
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2020年10月
- 発行所:新潮社
- 価格:1,210円(税込)
- ISBNコード:9784101353548
- ヒトごろし 下
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2020年10月
- 発行所:新潮社
- 価格:1,210円(税込)
- ISBNコード:9784101353555
血飛沫。焔に包まれる宿場町。土方歳三は少年時代より死に魅入られていた。長じて浪士組の一員として上洛する。佐幕、攘夷、そんなことに関心はない。刀を存分に振るえる身分が欲しいだけだ。歳三は人外、人殺しなのだから。近藤勇、土方歳三、沖田総司。京都を争闘の巷に変えた新選組隊士たち。彼らはなぜ芹沢鴨を殺害したのか――。心に深き翳を宿す剣鬼の生を鮮烈に描く、傑作時代長篇。
(新潮社公式サイト『ヒトごろし(上)』より)
著者のプロフィール
京極夏彦
きょうごく・なつひこ。1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。1994年『姑獲鳥の夏』でデビュー。『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞、『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、『後巷説百物語』で第130回直木賞、『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞、『遠野物語remix』「えほん遠野物語」シリーズなどにより平成28年遠野文化賞、『遠巷説百物語』で第56回吉川英治文学賞を受賞。他著に『虚実妖怪百物語 序/破/急』『虚談』『いるの いないの』『ルー゠ガルー 忌避すべき狼』『厭な小説』『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『今昔百鬼拾遺 月』『書楼弔堂 待宵』『鵼の碑』など多数。
「巷説百物語」シリーズがついに完結!『了巷説百物語』が本日発売
「巷説百物語」シリーズ完結巻となる『了巷説百物語』が本日(6月19日)発売され、1997年の連載開始から27年の時を経て、ついに完結します。
本シリーズは、多くの妖怪が登場するミステリー小説で、その独創的な“仕掛け”で読者を魅了し、ドラマ、アニメ、コミック化されている作品です。
『了巷説百物語』
著者:京極夏彦
発売日:2024年6月19日
発行所:KADOKAWA
価格:4,400円(税込)
ISBN:9784041117200
〈憑き物落とし〉中禪寺洲齋。
〈化け物遣い〉御行の又市。
〈洞観屋〉稲荷藤兵衛。
彼らが対峙し絡み合う、過去最大の大仕掛けの結末は――?
文学賞3冠を果たした〈巷説百物語〉シリーズ堂々完結!下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。
凡ての嘘を見破り旧悪醜聞を暴き出すことから〈洞観屋〉と呼ばれていた。
ある日、藤兵衛に依頼が持ち込まれる。老中首座・水野忠邦による大改革を妨害する者ども炙り出してくれというのだ。
敵は、妖物を操り衆生を惑わし、人心を恣にする者たち――。
依頼を引き受け江戸に出た藤兵衛は、化け物遣い一味と遭遇する。
やがて武蔵晴明神社の陰陽師・中禪寺洲齋と出会い、とある商家の憑き物落としに立ち会うこととなるが――。(KADOKAWA公式サイト『了巷説百物語』より)
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