北海道を中心に展開している書店「コーチャンフォー（Coach & Four）」。店名は「四頭立ての馬車」を意味し、書籍、文房具、音楽・映像、飲食の4部門をワンフロアで展開している大型複合店舗です。
その「コーチャンフォー」の社員・桜井さよるさんの漫画『馬刺しが食べたい』の連載が4月30日より「少年ジャンプ＋」にてスタートしました。
桜井さよるさんは漫画賞の受賞歴が4回にのぼり、昨年9月にはXでの連載をまとめた公式コミックエッセイ『コーチャンフォーの社員が漫画を描いてみた！！』を上梓しています。
- コーチャンフォーの社員が漫画を描いてみた！！
- 著者：さくらい
- 発売日：2023年09月
- 発行所：竹書房
- 価格：1,430円（税込）
- ISBNコード：9784801937581
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今回は、「少年ジャンプ＋」での連載スタートを記念し、桜井さんに『馬刺しが食べたい』の魅力などをメールインタビューにて伺いました。
『馬刺しが食べたい』のページはこちらから
桜井さよる
中学生の頃から漫画を描いているコーチャンフォー社員です。漫画賞では4度ほど受賞し、高校生の頃に描いた読切が『週刊少年チャンピオン』に掲載。油絵、日本画、デッサンを始めとした基本的な美術を学び、北海道札幌市で育ちました。
――今回の連載開始に至った経緯について教えてください。
コーチャンフォーにサイン会で漫画家さんと一緒に来られた編集者さんに、現在描いている漫画を見てもらいました。修正を重ねた上で「少年ジャンプ＋」の編集会議に企画を出していただいたところ、連載が決定しました。
――連載作『馬刺しが食べたい』についてのご紹介をお願いします。
やけくそで描いた馬刺しの絵で、思わぬ大賞を受賞してしまった女子高生・梅野かえでと、極度の偏食に悩む強面男子高生・竹内聡巳。馬刺しの出会いから始まる2人の青春コメディです。4月30日から短期の週刊連載となります。
――本作品の読みどころを教えてください。
キャラクターの表情です。女の子の方はわかりやすいうえ、変顔が豊かなのでその心情を共有して楽しんでほしいです。
男の子の方は怖い顔をしていることがほとんどですが、読んでいくことで表情の変化や何を考えているのか見えてくるので、その辺が楽しめると思います。
――『馬刺しが食べたい』を描くきっかけや、発想のヒントについて教えてください。
元々は大学の卒業制作で描いた話をブラッシュアップしたものです。
当時キャラクターの紹介を書く時に友人に「女子高生が好きだったら面白いものは何か」と聞き、案の中からインパクトがあって面白かった“馬刺し”を採用しました。
タイトルも大きな変更なくすぐに決まりました。1話目は描きたいことが決まっていましたが、2話目以降の2人の展開には悩みました。
――中学生のころから漫画を描かれているそうですね。受賞歴もあると伺っていますが、今回の作品で連載がスタートしたことについて、ご感想などを伺えますか。
初めて自分の漫画が雑誌に掲載されたのが高校生の時だったため、今回の連載決定で自身の成長と好きなことを仕事にできた喜びを感じております。
――今は書店員さんとして勤務されている中での、漫画連載です。率直にうれしいところもあると思いますが、連載となると不安なこともあるかと思います。
勤務時間と睡眠時間を考慮した作画時間を確保することが難しいです。家に帰ると疲れて寝てしまうので、決められた締切に対し余裕を持てるように取り組むのが課題です（笑）。
――ご自身が尊敬する漫画家と作品、その理由について、教えてください。
1作目は、荒木飛呂彦先生の『ジョジョの奇妙な冒険』です。これは初めて読んだ漫画なんです。魅力的な設定と圧倒的な世界観に惹かれ、私もこういう作品を描きたいと人生で初めて感じました。
2作目は冨樫義博先生の『レベルE』です。主人公の宇宙人のキャラクターが魅力的で、人を巻き込んでとんでもない方向に話を持っていくどんでん返しが好きです。まさにキャラクターが生きていると感じます。
最後は、野田サトル先生の『ゴールデンカムイ』です。難しい題材を取り扱っているのに魅力的で個性的なキャラクター、そしてコミカルな描写で楽しめるポイントが多く、さらに歴史も知ることができるのがすごいです。
- ジョジョの奇妙な冒険 １
- 著者：荒木飛呂彦
- 発売日：2002年02月
- 発行所：集英社
- 価格：792円（税込）
- ISBNコード：9784086177849
- レベルＥ 上
- 著者：冨樫義博
- 発売日：2010年09月
- 発行所：集英社
- 価格：726円（税込）
- ISBNコード：9784086191524
- ゴールデンカムイ １
- 著者：野田サトル
- 発売日：2020年10月
- 発行所：集英社
- 価格：681円（税込）
- ISBNコード：9784081138968
――単行本の刊行、「ジャンプ＋」での連載と、着実に漫画家としてステップアップされています。漫画家として目指すところや、描いてみたい漫画など今後の抱負を教えてください。
試しにとんでもない性格のキャラクターや、自分が好きな美術や、バトル要素を詰めた読み切りを描いてみたいです。漫画の勉強もしつつ、あまり期間を空けずに長期連載ができるように積極的に活動していきたいです。
――どうもありがとうございました。
