京極夏彦と歌舞伎がコラボ!歌舞伎舞台のために書き下ろされた長編小説
小説家デビュー30周年を迎えた京極夏彦さんが歌舞伎舞台化のために書き下ろした新作ミステリ小説『狐花 葉不見冥府路行』(きつねばな はもみずにあのよのみちゆき)が、7月26日(金)に発売されました。
本作は、京極さんのデビュー作『姑獲鳥の夏』の主人公・中禅寺秋彦の曾祖父であり、武蔵晴明神社の宮守である中禪寺洲齋が主人公となっています。作事奉行・上月監物の屋敷の周囲で巻き起こる幽霊騒動に、中禪寺洲齋は“憑き物落とし”で解決を試みますが、この騒動の裏にある思いもよらぬ真相が明らかになっていく物語です。舞台化を念頭に構想された物語は、美しいビジュアルや登場人物たちの掛け合いが目前に立ち現れてくるような、魅力に溢れた作品となっています。
歌舞伎公演は歌舞伎座(東京都中央区)で、「八月納涼歌舞伎」の第三部として、8月4日(日)より上演予定です。出演は松本幸四郎さん、中村勘九郎さん、中村七之助さんと豪華なキャストが演じます。京極さんの小説家デビュー30周年の節目の年に実現される一大プロジェクトですので、ぜひ小説と舞台、双方をお楽しみください。
『狐花 葉不見冥府路行』
著者:京極夏彦
発売日:2024年7月26日
発行所:KADOKAWA
定価:2,310円(税込)
ISBN:9784041152096
時は江戸。作事奉行・上月監物の屋敷の奥女中・お葉は、度々現れる男に畏れ慄き、死病に憑かれたように伏せっていた。彼岸花を深紅に染め付けた着物を纏い、身も凍るほど美しい顔のその男・萩之介は、“この世に居るはずのない男”だった――。
この騒動を知った監物は、過去の悪事と何か関りがあるのではと警戒する。いくつもの謎をはらむ幽霊事件を解き明かすべく、"憑き物落とし"を行う武蔵晴明神社の宮守・中禪寺洲齋が監物の屋敷に招かれる。
謎に秘された哀しき真実とは?
歌舞伎の舞台化のために書き下ろされた、長編ミステリ。(KADOKAWA公式サイト『狐花 葉不見冥府路行』より)
連載開始から27年…「巷説百物語」シリーズが堂々の完結!
今年で小説家デビュー30周年を迎える京極夏彦さんの人気シリーズ「巷説百物語」が、1997年の連載開始から27年の時を経て、ついに完結します。
本シリーズは、多くの妖怪が登場するミステリー小説で、その独創的な“仕掛け”で読者を魅了し、ドラマ、アニメ、コミック化されている作品です。シリーズ完結巻となる『了巷説百物語』が、本日(6月19日)発売されました。
『了巷説百物語』
著者:京極夏彦
発売日:2024年6月19日
発行所:KADOKAWA
価格:4,400円(税込)
ISBN:9784041117200
〈憑き物落とし〉中禪寺洲齋。
〈化け物遣い〉御行の又市。
〈洞観屋〉稲荷藤兵衛。
彼らが対峙し絡み合う、過去最大の大仕掛けの結末は――?
文学賞3冠を果たした〈巷説百物語〉シリーズ堂々完結!下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。
凡ての嘘を見破り旧悪醜聞を暴き出すことから〈洞観屋〉と呼ばれていた。
ある日、藤兵衛に依頼が持ち込まれる。老中首座・水野忠邦による大改革を妨害する者ども炙り出してくれというのだ。
敵は、妖物を操り衆生を惑わし、人心を恣にする者たち――。
依頼を引き受け江戸に出た藤兵衛は、化け物遣い一味と遭遇する。
やがて武蔵晴明神社の陰陽師・中禪寺洲齋と出会い、とある商家の憑き物落としに立ち会うこととなるが――。(KADOKAWA公式サイト『了巷説百物語』より)
「巷説百物語」シリーズとは
法では裁けぬ悪を倒す痛快な時代小説で、数々の妖怪を題材にとった「仕掛け」が読者を驚かせる珠玉のミステリー小説です。『後巷説百物語』で第130回直木賞、『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞、『遠巷説百物語』で第56回吉川英治文学賞を受賞し、シリーズ作品としては前代未聞の文学賞三冠の快挙を成し遂げた作品です。さらに、ドラマ化やアニメ化、コミカライズといったメディアミックスでも大きな話題を呼びました。
シリーズ完結巻『了巷説百物語』の読みどころ
『了巷説百物語』では、シリーズに登場した化け物遣いたちが、最大にして最後の大仕事に挑みます。人の噓を見破る稲荷藤兵衛が、老中首座・水野忠邦に関連したある依頼を引き受けたことで思いもよらぬ事態に遭遇。やがて京極堂(中禅寺秋彦)の曾祖父・中禪寺洲齋と出会い、中禪寺はとある商家の憑き物を落とすことになります。
昨年、17年ぶりに刊行され大きな話題を呼んだ「百鬼夜行」シリーズの長篇『鵼の碑』と対となる物語となっています。やるせなさが胸を打つ妖怪時代小説の金字塔、ぜひご注目ください!
『了巷説百物語』の書影について
桃山人による奇談集『繪本百物語』(江戸時代後期刊行)に掲載された竹原春泉筆による妖怪画の中から、本作に登場する妖怪「於菊蟲(おきくむし)」「手洗鬼(てあらいおに)」「葛乃葉(くずのは)」「野宿火(のじゅくび)」をあしらったカバーとなっています。
著者のプロフィール
京極夏彦
きょうごく・なつひこ。1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。1994年『姑獲鳥の夏』でデビュー。『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞、『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、『後巷説百物語』で第130回直木賞、『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞、『遠野物語remix』「えほん遠野物語」シリーズなどにより平成28年遠野文化賞、『遠巷説百物語』で第56回吉川英治文学賞を受賞。他著に『虚実妖怪百物語 序/破/急』『虚談』『いるの いないの』『ルー゠ガルー 忌避すべき狼』『厭な小説』『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『今昔百鬼拾遺 月』『書楼弔堂 待宵』『鵼の碑』など多数。
「巷説百物語」シリーズの既刊
- 巷説百物語
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2003年06月
- 発行所:角川書店
- 価格:792円(税込)
- ISBNコード:9784043620029
- 巷説百物語 続
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2005年02月
- 発行所:角川書店
- 価格:1,100円(税込)
- ISBNコード:9784043620036
- 後巷説百物語
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2007年04月
- 発行所:角川書店
- 価格:1,100円(税込)
- ISBNコード:9784043620043
- 前巷説百物語
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2009年12月
- 発行所:角川書店
- 価格:1,100円(税込)
- ISBNコード:9784043620074
- 西巷説百物語
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2013年03月
- 発行所:角川書店
- 価格:1,100円(税込)
- ISBNコード:9784041007495
- 遠巷説百物語
- 著者:京極夏彦
- 発売日:2023年02月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:1,056円(税込)
- ISBNコード:9784041131091
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