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『変な家』コミカライズを手掛けた綾野暁さんインタビュー「漫画だけの読者の方にも雨穴先生の作品の魅力を伝えられるように」

“コミックのプロ”である全国の書店員が、「たくさんの人にすすめたい漫画」「皆に読んでほしい漫画」として選んだ「全国書店員が選んだおすすめコミック2024」が2月1日(木)に発表されました!

「全国書店員が選んだおすすめコミック2024」結果一覧はこちら

19回目となる今回、80万部超のヒットを記録した"不動産ミステリー”『変な家』のコミカライズが第9位にランクインしました。書店員からは、「間取りを見るだけでその異常さがひしひしと伝わってくる」「今までになかったミステリー」といった声や、「絵での視覚情報が増えて、さらに不気味な雰囲気が増してページをめくる手が止まりません!」「小説とはちがった怖さがある」など、コミカライズならではの魅力にも注目したコメントも寄せられています。

ほんのひきだしでは、『変な家』のコミカライズを担当した漫画家の綾野暁さんにお話を伺いました。

変な家 1
著者:雨穴 綾野暁
発売日:2023年07月
発行所:一迅社
価格:770円(税込)
ISBNコード:9784758025508

あらすじ

オカルト専門ライターの「私」は知人から、とある家の間取り図を見せられた。そこには正体不明の「謎の空間」が存在するという。建築設計士・栗原に意見を求めると、彼はこの家のおかしなところを次々に指摘し始めた……! 新世代ホラー作家・雨穴のデビュー作にして代表作、話題の“不動産ミステリー”、ここに完全コミカライズ!!

(一迅社 公式サイト『変な家(1)』より)

 

漫画をほとんど描いたことがなかった!?本作でデビューの理由とは?

――「全国書店員が選んだおすすめコミック2024」受賞、おめでとうございます! 書店員様からのアンケート回答には、「コミックになると絵での視覚情報が増えてさらに不気味な雰囲気が増す」などの声が寄せられていました。まずはご感想をお聞かせください。

このような素晴らしい賞をいただきありがとうございます。光栄に思うとともに身の引き締まる思いです。

――「変な家」は、Webメディア記事からはじまり、YouTube動画、原作小説、映画化、そして今作のコミカライズとさまざまな媒体で展開されています。先生が初めて「変な家」のことを知ったのは、どの媒体・どのタイミングからだったでしょうか。また、初めて原作小説を読んだ際のご感想を教えてください。

「変な家」を知ったのはYouTubeでしたが、初めて原作小説を読んだのはコミカライズ担当に決まってからでした。すごく面白い一方、漫画にするのは大変そうだな……と他人事のように思った記憶があります。

――本作が先生のデビュー作と存じますが、デビュー作として『変な家』のコミカライズをご担当されることがわかったときのお気持ちを教えてください。

『変な家』のコミカライズは公募でした。「まさか自分が受かるわけない」と記念受験的に応募したら連絡が来たので、びっくりしました。また、お恥ずかしい話ですが今までほとんど漫画を描いたことがなかったので、不安もありました。

――漫画をほとんど描いたことがなかったとは、驚きです! 漫画版では、キャラクターの動きや表情、コマ割りや視点の変化で、会話劇が魅力的に展開していくことが印象的だったのですが、こういった点は意識して描かれているのでしょうか?

ありがとうございます。そうですね、会話劇となると視覚的には変化が出にくいので、読んでいて緩急が出るように、かつ内容もわかりやすいように演出することは心がけています。
 

 
――なるほど! たとえば、第5話で栗原さんが蕎麦を打つシーンなどが、コミカライズでのオリジナルのシーンとして印象深いのですが、それもそういった演出だったのでしょうか。

原作では蕎麦の出前を注文するくだりがあるのですが、「少し変化を持たせたい」という打ち合わせの流れで、担当編集者の中地さんが「蕎麦を打つのはどうでしょう」と発言したのがそのまま採用されました。
 

 

漫画の読者にも雨穴先生の作品の魅力を伝えたい

――コミカライズにあたり、意識された点、難しかった点や楽しかった点を教えてください。

原作ファンの方のノイズにならないように、漫画で初めて『変な家』を知った方が原作にも興味を持ってもらえるように、漫画だけの読者の方にも雨穴先生の作品の魅力を伝えられるように……あたりは意識しています。

――たしかに、「原作だとどんな表現なんだろう?」と、興味がそそられる漫画だと感じました。コミカライズならではの要素として、キャラクターデザインについても教えてください。原作小説では雨穴先生ご本人をモデルとしているように読める主人公ですが、今作では中性的で表情豊かなキャラクターとして描かれていることに驚きました。このようなキャラクターデザインになった経緯を教えていただけますか。

雨穴先生ご自身とは離したい、でも印象が乖離しすぎるのもよくない、とのことで10案ほどデザインしました。
 

 
――事件の再現や回想の場面での、ホラー・ミステリー描写の迫力にも引き込まれましたが、ホラーやミステリー作品はもともとお好きだったのでしょうか。

もともと好きなジャンルです。雨穴先生作品ですと「謎のビデオテープ」が一番好きです。儀式の人形が欲しいとずっと思っています。終わり方が一番好きなのは「差出人不明の仕送り」です。
 

 
――では最後に、作品を手に取っていただく読者の皆様へメッセージをお願いいたします。

これからも楽しんでいただけるよう邁進してまいります。応援よろしくお願いいたします。
 

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フェアやキャンペーンについては、「全国書店員が選んだおすすめコミック」公式サイトのNEWS、またはまんがあ@コミック情報X(旧Twitter)でお知らせしていきます。

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