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蔦屋書店の店長・北田博充さんが手がけた『本屋のミライとカタチ ―新たな読者を創るために―』が刊行!

本屋のミライとカタチ ―新たな読者を創るために―(PHP研究所)

「本を売るだけが本屋の仕事なのかな?」「もっと多様な本屋のあり方があってもいいのでは?」との思いで執筆した、『本屋のミライとカタチ ―新たな読者を創るために―』(PHP研究所)が2月16日(金)に刊行されました。

本屋のミライとカタチ
著者:北田博充
発売日:2024年02月
発行所:PHP研究所
価格:1,870円(税込)
ISBNコード:9784569856353

著者は、現在大阪・梅田 蔦屋書店の店長・文学コンシェルジュであり、執筆活動も行っている北田博充さんです。

北田博充(きただ・ひろみつ)
大学卒業後、出版取次会社に入社し、2013年に本・雑貨・カフェの複合店「マルノウチリーディングスタイル」を立ち上げ、その後リーディングスタイル各店で店長を務める。2016年にひとり出版社「書肆汽水域」を立ち上げ、長く読み継がれるべき文学作品を刊行している。2016年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)入社。現在、梅田 蔦屋書店で店長を務める傍ら、出版社としての活動を続けている。著書に『これからの本屋』(書肆汽水域)、共編著書に『まだまだ知らない 夢の本屋ガイド』(朝日出版社)、共著書に『本屋という仕事』(世界思想社)がある。

今回は、著者の北田さんに、本書の紹介をしていただきました。

 

新たな本屋の可能性

本書は、端的に言うとこんな本です。

・書店は「場所」を指す言葉、本屋は「人」を指す言葉
・本屋を「狭義の本屋」と「広義の本屋」に分けて定義
・狭義の本屋は、本を売る役割を担う(出版社・取次・書店)≒ 刈り取り
・広義の本屋は、本の魅力を広く伝え、新たな読者を創る役割を担う ≒ 種蒔き
・今、約半数の人が1か月に1冊も紙の本を読んでいない ≒ マーケットポテンシャル
・新たな読者を増やしていくことが、書店業界にとって重要
・広義の本屋も含め、本に関わるすべての人が、自らの持ち場で楽しく役割を果たそう

書店の数が年々減っていること、業界の売上高が下がっていること、読書離れが進んでいることなどがよくメディアで取り上げられますが、そんなネガティブなニュースを発信したところで何の意味があるのだろう?と常々疑問に思っています。約半数の人が1か月に1冊も本を読まない未顧客ならば、この約半数を取り込んでいく余地がまだ残されているとポジティブに考えるべきです。

私は、書店業界を盛り上げていくために必要なことが2つあると考えています。一つは未顧客(ノンユーザー・ライトユーザー)を顧客化することです。本を読まない人、書店に足を運ぶ習慣がない人に対して、本や書店の魅力を広く伝え、新たな読者を増やしていかなければなりません。これは業界三者である出版社・取次・書店(=狭義の本屋)だけが頑張るのではなく、本書で取材した学校で国語を教える教員や、TikTokで本を紹介するインフルエンサー、シェア型本屋の棚主、本屋を応援したいと思ってくださる読者の方など、「広義の本屋」が自らの持ち場で楽しみながら役割を果たしていくことが重要なのではないかと考えています。「種まき担当」の広義の本屋と、「刈り取り担当」の狭義の本屋、両者が役割を果たしていくことが求められており、私が今後チャレンジしていきたいことは「種まきから刈り取りへの導線づくり」です。本書はその第一歩として制作しました。

もう一つは、書店業界に若くて優秀な人財を増やしていき、将来的に本屋を憧れの職業にすることです。業界の発展には、斬新な発想、大胆な実行力、周囲を巻き込む交歓力を持つ若い人財が必要で、そのためには本に関わる仕事が固定観念にとらわれた型にはまったものであってはいけない、と私は思います。これまでの本屋は、書店員・書店主として「本を売る」という選択肢が主流でしたが、今後はもっと柔軟に考え、先述した「広義の本屋」の役割の担い手になるなど、多様な本屋のあり方を模索していくべきではないでしょうか。

「風の時代」の到来だと言われている昨今、これからは本屋も風の時代に突入していくような予感がします。「所有からシェアへ」「固定から移動へ」「安定から革新へ」「蓄積から循環へ」「組織から個人へ」「縦社会から横のつながりへ」「成功から喜びのシェアへ」「お金から情報・体験・人脈へ」といったキーワードが、今後の「多様な本屋のあり方」のヒントになりそうです。

 

刊行を記念して【トークイベントを開催!

『本屋のミライとカタチ ―新たな読者を創るために―』の刊行を記念し、出版・書店業界内外で活躍するキーパーソンを招いて、全国6か所の書店を会場に“本屋のミライとカタチ”について語り合うトークイベントが開催されます。

■奈良 蔦屋書店

日時:2月17日(土) 15:00~17:00
会場:奈良 蔦屋書店
トークテーマ:本屋を始めたいあなたへ!

薬局と本を掛け算して「ページ薬局」を立ち上げた瀬迫貴士さん、最低1冊からでも本を卸売りする「Foyer(ホワイエ)」を事業化した吉田正隆さん(楽天ブックスネットワーク)に、本屋を開くためのノウハウをお聞きします。

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■代官山 蔦屋書店

日時:2月21日(水)
会場:代官山 蔦屋書店

【第1部】(18:00~18:30)

トークテーマ:新たな読者を創るために

本書のテーマ「新たな読者を創るために、私たちができることは何か?」について、著者の北田博充さんと、代官山 蔦屋書店 人文コンシェルジュの岡田基生さんがお話しします。

【第2部】(18:40~19:40)

トークテーマ:本を読まない人に、本の面白さを伝えてきた3人の話

本書の第2章に掲載されている、小説紹介クリエイター・けんごさんの動画紹介の手法を「これはまさにヴィレッジヴァンガードのPOPメソッドだ!」「けんごさんが考えてることは当時のヴィレッジヴァンガードとすごく似ている」と、元ヴィレッジヴァンガードの花田菜々子さんと粕川ゆきさんは言います。3人に共通する「本を読まない人に、本の面白さを伝える方法を模索し続けてきたこと」について話し、今後、新たな読者を増やすためにどんなことができるのかを考えます。

【質疑応答】(19:40~20:00)

第1部、第2部の登壇者が全員登壇します。

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■六本木 蔦屋書店

日時:2月22日(木)19:00〜20:30(開場18:30)
会場:六本木 蔦屋書店

【第1部】(19:00~19:40)

トークテーマ: 未顧客を顧客化していくために
登壇者: 芹澤連さん(コレクシア)、北田博充さん

『“未”顧客理解 なぜ、「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?』『戦略ごっこ』の著者でありマーケティングサイエンティストの芹澤連さんをお招きし、書店業界において、新規顧客を創出するためにはどのような取り組みが必要かをお聞きします。

【第2部】(19:50~20:30)

トークテーマ: 「これからの本屋」を面白くするために
登壇者: 有地和毅さん(日本出版販売)、内沼晋太郎さん(NUMABOOKS)、田口幹人さん(未来読書研究所)、北田博充さん

本屋が「本を売るだけの場所」だった時代は過ぎ去り、今ではさまざまな形態の本屋が存在するようになりました。ネットニュースで書店の閉店がネガティブに報じられる一方で、前例のないユニークな本屋が次々にオープンし、それが広く支持されており、やりようによっては「これからの本屋」をまだまだ面白いものにできそうです。

本書に関わられた4名の方をお招きし、どうすれば「これからの本屋」を面白いものにできるのか、各々の知識や経験をもとにお話をお聞きします。

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■TOUTEN BOOKSTORE(名古屋)

日時:2月23日(金・祝) 19:00~20:30(開場18:30)
会場:TOUTEN BOOKSTORE

本書のなかで座談会に参加している青山ブックセンター店長・山下優さんと、著者の北田博充さんの2人が、本屋という場所や仕事の可能性、そしてちょっと先の本屋について、さらにはもっと未来の本屋のあり方について自由に語り合います。聞き手は、出版取次にて書店営業として勤めたのち独立し、名古屋・金山にコーヒーやビールも飲める新刊書店をオープンしたTOUTEN BOOKSTOREの店主・古賀詩穂子さんです。

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■梅田 蔦屋書店

日時:2月24日(土)16:00〜18:30(開場時間:15:40)
会場:梅田 蔦屋書店 シェアラウンジ〈スカイエリア〉
トークテーマ:「本屋のミライとカタチ」を考える

「未来の本屋」はどのような形になるのか? この問いに対する答えを想像する時、突拍子もない近未来的な空想が頭をよぎりそうになりますが、未来は「現在」の延長線上にあり、「現在」と地続きなのだと考えると、今の立ち位置から思い巡らすより方法はありません。今、書店の最前線で仕事をされている4人の書店人をお招きし、「これからの本屋」のあり方や可能性についてお話をお聞きします。

【第1部登壇者】(16:00~17:00)
長谷川紀雄さん(紀伊國屋書店 梅田本店 店長)
堀内理さん(ジュンク堂書店 三宮店 店長)
北田博充さん(著者、梅田 蔦屋書店 店長)
※聞き手: 兼田将成さん(PHP研究所)

【第2部登壇者】(17:15~18:15)
大垣守可さん(大垣書店 コンテンツ事業部 事業部長)
山下優さん(青山ブックセンター本店 店長)
※聞き手: 北田博充さん(著者、梅田 蔦屋書店 店長)

【質疑応答】(18:15~18:30)
第1部、第2部の登壇者が全員登壇します。

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■本屋B&B(東京・下北沢)

日時:3月2日(土)19:00~21:00
会場:本屋B&B(東京・下北沢)
トークテーマ:「今、私たちが本屋について考えていること」

『本屋のミライとカタチ』の刊行を記念し、本屋B&Bに携わってきたオーナーの内沼晋太郎さん、NUMABOOKSの松村孝宏さん、そしてエイチアンドエスカンパニー(H.A.B)の松井祐輔さんをゲストに迎え、著者の北田博充さんと一緒に「今、私たちが本屋について考えていること」についてお話しします。

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