「ボイスフレンド」は、あなたが好きな“声”と一緒に、日常的な“場所”で、没入感のある“体験”を提供する企画シリーズです。世界初のMixed Realityプラットフォーム“Auris(オーリス)”を活用することで生まれる“声”と“場所”を掛け合わせた憧れのシチュエーションで、これまでにない特別な体験をお届けします。
文喫 六本木で現在開催中の第2弾では、読書家としてだけでなく自身も執筆活動をされている声優・斉藤壮馬さんをキャストに迎え、大学の先輩と後輩という設定で文喫でのデートを楽しむことができます。
先輩役を演じられた斉藤壮馬さんに、本や創作活動についてたくさんお伺いしました。お答えいただいた内容の一部は「ボイスフレンド」の先輩とリンクする部分も……!? ぜひ最後までご覧ください!
【斉藤壮馬 プロフィール】
声優。山梨県出身。
おもな出演作は「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―」緋村剣心役、「BEYBLADE X」黒須エクス役、「ブルーロック」千切豹馬役、「鬼滅の刃 刀鍛冶の里編」哀絶役、「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- Rhyme Anima +」夢野幻太郎役、「機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ」レーン・エイム役、など多数。
ナレーション、朗読劇などでも活躍するほか、アーティストとして音楽活動もおこなっている。
電子書籍が身近になったことで改めて感じる紙の本の魅力
――早速ですが、本の好きなところや魅力をお聞かせください。
昔は装丁などではなく内容そのものが大事で、形態にはそこまでこだわりがありませんでした。しかし、電子書籍が身近になったことで、逆に紙の質感や香り、それぞれのデザインに気持ちが向くようになりました。自分にとっては今、肌に合う本かどうかがかなり大切になってきている気がします。
また、本がたくさん置いてある場所……たとえば書店や図書館の静謐さにとても惹かれます。音が吸い込まれるような感覚がして気持ちがいいですよね。
――「肌に合う本かどうかがかなり大切になってきている」とのことですが、具体的に本を選ぶ際のポイントなどはありますか。
雑誌の企画で、本を表紙買い(中身をあらためずにフィーリングで選んでみる)してエッセイを書く、という連載を行っているのですが、もともと直感的に選ぶのが趣味でした。その場合、やはりタイトルと装丁がポイントとなってきますね。どちらかというと大仰なものよりは箱庭的な雰囲気を感じるものに惹かれるので、シンプルな佇まいだと手にとってしまいます。書店にふらっと立ち寄り、ポップを眺めるのも好きですね。
――過去のインタビューで「昔から読み書きをすることが好きだった」とお話しされていらっしゃいましたが、小さいころに読んだ思い出の本があれば教えてください。
民話や神話が好きで、そういったアンソロジーをよく読んでいました。あとは恐竜や宇宙の図鑑を見るのも好きでしたね。どこか非日常的なものに惹かれる傾向があったんです。絵本だと『おしいれのぼうけん』のような、日常から非日常にアクセスする物語が好きでした。
柳田國男の『遠野物語』などは何度も読み返しましたし、大学に入ったら民俗学の勉強をしてみたいな、とも漠然と思うようになりました(実際には日本文学専攻でしたが)。漫画だと、父が持っていた『MASTERキートン』などの影響で、考古学にも子どものころから興味がありました。
- おしいれのぼうけん
- 著者:古田足日 田畑精一
- 発売日:1986年10月
- 発行所:童心社
- 価格:1,540円(税込)
- ISBNコード:9784494006069
- 遠野物語 全訳注
- 著者:柳田國男 新谷尚紀
- 発売日:2023年08月
- 発行所:講談社
- 価格:1,386円(税込)
- ISBNコード:9784065325315
気になる斉藤さんの蔵書事情は……?
――普段読書をされることが多いタイミングやシチュエーションがあれば教えてください。
結局は自宅で空き時間のあるときがいちばん多いでしょうか。ただ、昔は移動中にちょっとだけ読む、というようなことがぜんぜんできなかったのですが、最近は少しずつできるようになってきました。自分の場合、移動中は電子書籍で、自宅や喫茶店では紙で、というように、シチュエーションによって媒体を使い分けています。
家の中では、寝室やリビングなど、場所によって置いてある本のジャンルが違います。不思議なもので、場所によって読みやすい内容が変わってくるんですよね。
――「場所によって置いてある本のジャンル」が異なるとのことですが、ご自宅にはやはり本がたくさんあるのでしょうか。また最近購入された本でおもしろかった作品があれば教えていただけるとうれしいです。
どうしても置ける冊数に限りがあるので、なるべくたくさんは買い込まないようにしているのですが、年々増え続ける一方で。漫画は基本的にほとんどすべて電子書籍にしているのですが、先にも書いたように、最近は紙の本に再び魅力を感じているので、困りものです。ものとしては小説が圧倒的に多いですね。
このごろおもしろかったのは宮内悠介さんの『ラウリ・クースクを探して』、斜線堂有紀さんの『本の背骨が最後に残る』などです。
- ラウリ・クースクを探して
- 著者:宮内悠介
- 発売日:2023年08月
- 発行所:朝日新聞出版
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784022519269
- 本の背骨が最後に残る
- 著者:斜線堂有紀
- 発売日:2023年09月
- 発行所:光文社
- 価格:1,870円(税込)
- ISBNコード:9784334100513
本と音楽――斉藤さんの創作活動について
――斉藤さんは声優、アーティスト、作家と幅広く活動をされていらっしゃいますが、ご自身の創作活動に影響を与えていると思うものはありますか。また創作活動の際に大切にしていることや気をつけていることがあれば教えてください。
ぼくはどちらかというと0から1を生み出すタイプというより、本や音楽、漫画や映画など、今まで触れてきたさまざまなものが自分の中に蓄積されていて、それらの断片を使って再構築しているような感覚があるんです。なので、月並みな表現ですが、今まで出会ってきた人たちや、耽溺してきたものたちすべてに影響されていると思います。
以前は自分の中にこだわりや方法論がたくさんあって、そのとおりに作らなければならないと思っていましたが、最近はより感覚的になってきています。だから、そこまで明確なルールのようなものはないかもしれません。ただ、ぼくは文章も音楽も、あくまでもフィクションという世界で表現することが好きでして、その中で嘘を書かない、ということは大切にしています。矛盾しているようですが、それはエピソードを捏造しない、みたいな話とも少し違っています。まだ納得のいく形には持っていけていませんが、ごまかさない、逃げないということを大事にしていきたいですね。
――本と音楽の共通点について、どう感じていらっしゃいますか。
ここではないどこかに連れていってくれること。たとえばある小説を読んでいて、ふとまったく関係ない音楽が思い浮かんだとしたら、もうそこにぼくだけの物語が生まれているような気がしますよね。自分が行っている創作・表現活動というのは、そういう感覚の翻訳に近い感覚があります。
斉藤さんの生み出す言葉と文章に迫る――
――ご自身の作品で、思い入れのある言葉はありますか。
まだそこまではないかもしれません。今の好みとしては、単語それ自体はありふれたものたちを組み合わせてどこまで遠くに行けるかということ。これは特に歌詞だとやりやすいんですよね。メロディがあるので。歌詞、小説、エッセイはそれぞれ言葉の射程が違うので、各々のよさと不自由さを楽しみながら書いていければと思っています。
――単純な興味なのですが、ご自身で思う文章の癖はあるのでしょうか。
物事を断定的に書くのがかなり苦手なようで、かもしれない、とか、気がします、といった言葉を文末に用いる癖があると思います。あとは、Aかと思っていたが最近はBだ、みたいな、比較の構文もよく使いますね。
書く内容によって文体も変わってくるので一概には言えませんが、筒井康隆さんの影響で「おれ」、井上ひさしさんの影響で「ぼく」など、一人称も変えることが多いです。
あとは「〜していて、〜で」のような、あえて語尾の音韻を揃えてスピード感を出す書き方も、最近はあまり使っていませんが好みです。
――今後執筆をチャレンジしてみたいジャンルや設定はありますか。
ずっと書いてみたいなと思っているのは紀行文です。これまた矛盾するようですが、ぼくは書き物としてはフィクションが好きで、それをやっていきたいと思っていながら、おそらく自分の実体験をベースにした文章の方が向いているのではないかという予感があって。それと同時に、旅というモチーフに昔からすごく惹かれるものがあるので、どこかへ赴き、実際に自分で感じたことを文章にする機会を増やしていきたいですね。
「ボイスフレンド」を通して、大好きな本との出合いを!
――「ボイスフレンド」開催期間中、「文喫 六本木」では斉藤さんの選書コーナーを展開しています。どんな本をどんな方にオススメされるのでしょうか。
色々なきっかけで本を手に取ることがありますが、ぼく個人としては、自分が本当に必要としている本には、何かしらの作用が働いて、自然とめぐりあえるものなのではないかなと思っています。だから、たとえば「ボイスフレンド」をきっかけに文喫に訪れてくださった方が、斉藤壮馬の選書コーナーを見てくださって、そこでこれだ!という本に出合えたら、とてもありがたいことですよね。
ということで、こんな方に……というよりは、素直に自分が大好きな本たちを置いてみたいかな。同じ本でも、読み手の方によってまったく違う表情を見せてくれるでしょうから。
――最後に「ボイスフレンド」体験参加者やインタビュー記事読者へのメッセージをお願いいたします。
「ボイスフレンド」というユニークな企画で、大好きな本と関わることができて、本当にうれしく思います。皆さまにとって心地よい時間となるよう、心を込めて収録に臨みますので、何卒よろしくお願いいたします。
「文喫 六本木」で展開中の斉藤壮馬さん選書コーナーでは、斉藤さんからの選書コメント付きPOPやサイン色紙などもあわせて展示しています! ぜひ店頭へお越しいただき、斉藤さんの大好きな本たちとの出合いをお楽しみください!
「ボイスフレンド」の最新情報は公式Xをチェック!
〉公式Xはこちら
【「ボイスフレンド」企画概要】
開催期間 :2024年1月30日(火)~2月29日(木)
開催場所 :文喫 六本木(https://bunkitsu.jp/)
チケット料金 :1,650円(税込)
※事前予約・日時指定制
※文喫 六本木の入場料は含まれません
チケット販売期間 :2024年1月17日(水)~各指定日時まで
※定員に達し次第、販売は終了となります
声の出演 :斉藤壮馬
制作協力 :J-WAVE(81.3FM)
デバイス協賛 :アンカー・ジャパン(Soundcore AeroFit)
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【前半】1月30日(火)~2月13日(火)体験分
【後半】2月14日(水)~2月29日(木)体験分
※前半と後半の体験内容は同一です
■本件に関するお問い合わせ
日販 プラットフォーム創造事業本部
IPソリューションチーム
E-mail: voice-friend@nippan.co.jp