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【Vol.1:多崎礼】編集者が注目!2024年はこの作家を読んでほしい!

レーエンデ国物語(講談社)多崎礼

ほんのひきだしでは、この年末年始も13日間にわたり、各出版社の文芸編集者の皆さんが【いま注目の作家】を紹介する「編集者が注目!2024年はこの作家を読んでほしい!」をお届けします。

ぜひ、気になる作家や作品を見つけて、書店に足を運んでみてください。

 

講談社編集者 泉友之さんの注目作家は「多崎礼」

多崎礼(たさき れい)
2006年、『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビュー。著書に「〈本の姫〉は謳う」、「血と霧」シリーズなど。

 

圧倒的に光り輝く、大人も子どもも魅了されるファンタジー

「いま、ファンタジーは売れないから」と言われたことがあります。

いつ誰に言われたかは覚えていません。ですが、いかにも訳知りげな口調だけは、心に残っています。『指輪物語』『ナルニア国物語』『十二国記』『ハリー・ポッター』『ダレン・シャン』……。子どものころ毛布にくるまって読みふけったファンタジーの数々のような作品を、今、また読みたい。そう思っているのはきっと自分だけではないはず、と思ってきました。

多崎礼さんの『レーエンデ国物語』は皆さんのそんな思いに応える作品です。

本作は、異なる世界のレーエンデという地を巡る革命と冒険の物語です。家に縛られてきた貴族の娘・ユリアが逃げ出すように旅に出た先は、不思議の国と呼ばれるレーエンデの地でした。そこで、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタンと出会います。2人は互いに好意を育みながら一冬を過ごすのですが、大国の思惑が2人の運命を大きく揺り動かすことになります。

著者の多崎礼さんは本シリーズを執筆するのに7年の日々をかけました。

執筆に没頭しすぎると周りが見えなくなるんです、とはご本人談。その言葉通り、締切前に30時間ぶっつづけで執筆していたり、網膜剥離になっていることにも危うく気づかないところだった、という怖い話もあったりします。ですがその甲斐(?)もあり、現在シリーズ第3作で累計15万部に達しています。

多崎礼さんのペンネームは、私淑するレイ・ブラッドベリから取ったそうです。

SFとファンタジー。土俵は違っても一から作り上げた世界で読者を魅了するために、今日も執筆を続けています。

(講談社 文庫出版部 泉友之)

レーエンデ国物語
著者:多崎礼
発売日:2023年06月
発行所:講談社
価格:2,145円(税込)
ISBNコード:9784065319468

レーエンデ国物語 月と太陽
著者:多崎礼
発売日:2023年08月
発行所:講談社
価格:2,530円(税込)
ISBNコード:9784065326800

レーエンデ国物語 喝采か沈黙か
著者:多崎礼
発売日:2023年10月
発行所:講談社
価格:2,090円(税込)
ISBNコード:9784065335833