人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

  1. HOME
  2. 本と人
  3. ほん
  4. 「お股ニキ」って誰?メジャーリーガーも参考にする話題の本や、野球の面白さを広げる漫画を紹介!

「お股ニキ」って誰?メジャーリーガーも参考にする話題の本や、野球の面白さを広げる漫画を紹介!

お股ニキさん『セイバーメトリクスの落とし穴』書影

8月6日(火)から開催されている、第101回全国高校野球選手権大会。手に汗握る一戦が続き、残るは数試合になりました。全国の高校野球ファンが球児たちの熱い青春の行方を見守ります。

甲子園が終われば、プロ野球の熾烈な順位争いや、メジャーリーグのワールドシリーズに向けた白熱した試合など野球ファンにとってはたまらない季節の到来です。

野球界ではこれまでの風習や文化と最新鋭の理論がせめぎ合っている最中。その最前線に立っている選手に、シカゴ・カブスに所属しているメジャーリーガーのダルビッシュ有選手がいます。ダルビッシュ選手はSNSを駆使しながら積極的にファンと意見を交換し、自らの批判にも耳を傾ける好奇心と探求心のある選手です。

今回は、ダルビッシュ選手も参考にしている“ある野球素人の本”や、最新の野球理論を踏まえた漫画など、新たな野球の楽しみ方を提示する本を紹介します。

 

『セイバーメトリクスの落とし穴』

MLBシカゴ・カブスに所属し、現在メジャー通算50勝を超え活躍中のダルビッシュ有選手や、最速161kmのストレートと落差のある“お化けフォーク”を武器に日本球界屈指の投手となった福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大選手など、数多くのプロ野球選手を虜にしている本があります。

お股ニキさんという野球の素人が書いた『セイバーメトリクスの落とし穴』という本です。

プロ野球選手にも好評の #お股本 ~セイバーメトリクスの落とし穴~|お股ニキ @omatacom|note(ノート) https://t.co/FBb9dK70zk

— お股本ニキ (@omatacom) 2019年8月4日

お股ニキさんは、日々MLB・NPBの試合を観戦しながら、ありとあらゆるデータを蓄積し磨き上げたキレのある感性を持った野球フリーク。

本書は、ピッチング論からバッティング論、監督・采配論や野球文化論まで、MLBの最新野球理論を交えた情報が掲載され読み応えのある内容になっています。その内容と情報量はプロの野球選手が参考にするほどで、ダルビッシュ選手は、お股ニキさんのアドバイスのもとに発明した変化球「お股ツーシーム」で快投したこともあります。

タイトルにある「セイバーメトリクス」は、プレーの一つ一つを数値化し、選手の評価や戦略を分析する野球の指標。映画「マネーボール」で話題になり、今や多くのMLBチームで使用されています。

本書はそうした指標により統計的要素が強まった野球を、エンタテインメントとして楽しむために、様々な視点や概念を提示してくれます。

セイバーメトリクスの落とし穴
著者:お股ニキ
発売日:2019年03月
発行所:光文社
価格:1,012円(税込)
ISBNコード:9784334044015

 

『新時代の野球データ論』

「データ」は完全に悪いものではなく、野球を楽しむ方法の1つにもなります。『新時代の野球データ論』は「データやスポーツ科学を使って、野球をもっと面白くしたい。野球の真実を伝えたい」という思いが込められたWebサイト「Baseball Geeks」の内容をまとめたものです。

本書は「フライよりゴロを打て」「投手は走り込みが重要」などのこれまでの野球界の常識に「データ」でメスを入れ、新しい野球の楽しみ方を示してくれる野球の理論書。二刀流のメジャーリーガー・大谷翔平選手のすごい点や、「フライボール革命」と言われるホームランが量産される時代を迎えたのはなぜなのか、といった内容が詳細に分析されています。

さらに、オリックス・バファローズの中軸打者・吉田正尚選手や、メジャーリーガーの菊池雄星選手の貴重なインタビューも掲載。1流の選手が最新の野球理論やデータと向き合っているのかが分かる貴重な内容が収録されています。

新時代の野球データ論
著者:神事努 Baseball Geeks編集部
発売日:2019年07月
発行所:カンゼン
価格:1,760円(税込)
ISBNコード:9784862555151

 

『BUNGO-ブンゴ-』

二宮裕次さんの描く『BUNGO-ブンゴ-』は“リトルシニア”から始まる猛禽系野球狂ストーリーです。

リトルシニアとは、中学生の年代の子供たちが硬式野球をするクラブチームのこと。多くのプロ野球選手がリトルシニアを経て野球強豪校に進み、甲子園やプロ野球へと繋がっていきます。

主人公の石浜文吾は1つのことに熱中し続ける気質の男子。親に買い与えられたボールを「壁当て」し続けることで手に入れた極上のストレートを武器に、リトルシニアから甲子園までの長い道のりを切り拓いていきます。

『BUNGO-ブンゴ-』の魅力は、その圧倒的なリアルさ。二宮さんによって描かれたキャラクターは、ボールを投げるフォームを切り取っても投げる球の速さを感じさせるほど。また、最新の野球理論が随所に散りばめられ、野球選手になるための身体の作り方から流行りの変化球まで紹介されています。二宮さんも、お股ニキさんの著書を参考に漫画を書かれています。

まさしくです。
お股ニキさんの理論を参考にさせて頂きました。
MLB、NPBの中継を観てると
この種のボールを投げる投手が本当に増えていると感じます。 https://t.co/kOOIAYArpb

— 二宮裕次 (@ninomiyaman) 2019年4月25日

甲子園を観て楽しんだ人はもちろん、今まさに白球を追いかけている選手たちにも野球の新たな視点を与えてくれる最先端の野球漫画です。

BUNGOーブンゴー 1
著者:二宮裕次
発売日:2015年07月
発行所:集英社
価格:594円(税込)
ISBNコード:9784088901893

 

ご紹介した本や漫画をきっかけに、野球の新たな楽しみ方を探してみてください。