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男子禁制の女子寮に、漫画家志望の男子ひとり!カラッと明るいドスケベ感が満載のラブコメディー『胸がドキワ荘』

男子禁制の女子寮に、突如、住むことになった男子一人。
王道といえば王道の設定ですが、それでもやっぱり王道ラブコメは楽しい!!

幼い頃、姫宮夏樹(ひめみやなつき)は、幼馴染の宝生凜花(ほうしょうりんか)とリレー漫画を描いていました。その名も『愛の不始末』。
将来はユニットを組んで、プロのマンガ家になろうと約束します。

『胸がドキワ荘』

ところが凜花が青森から引っ越してしまい、離れ離れに。
10年後、17歳になった夏樹は「漫画家に俺はなるっ!!」と一大決心をして上京。レジェンド漫画家である叔母が営むドキワ荘にやって来ます。
そこには、凜花も住んでいるというのです。

『胸がドキワ荘』

このページだけでも、ツッコミどころ満載で笑える!!
しかも夏樹の記憶の中には、こんなブリブリなリッちゃんがいたのですね(笑)。

夏樹は、今でもリッちゃんが好きなのです。
だから、10年ぶりの再会にドキドキしていたら……ええっ、という意外な展開もありつつの、やっぱり!!

『胸がドキワ荘』

『胸がドキワ荘』

大事に持っていた漫画『愛の不始末』の片割れのおかげで、あの“なっちゃん”だと信じてもらえた夏樹は、叔母さんの計らい(!?)でドキワ荘の寮母に任命されます。

しかし、ここは男子禁制の女子寮!! そして全員、夏樹よりキャリアが上の漫画家を目指す可愛い女子5人プラス猫1匹!!

『胸がドキワ荘』

冒頭からここまで、ドドドドッとテンポ良く進み、安定の面白さ!!
凜花の動きと連動する黒猫や、漫画家の卵あるあるや、どこかで聞いたようなセリフ、どこかで見たようなシチュエーションが色々と出てきて、本筋以外の小ネタでも笑わせてくれます。

晴れてドキワ荘に住めることになった夏樹ですが、初日の朝から、やらかします。
「罰としてわたし達にご奉仕してもらいます!」
凜花たちに責め寄られた夏樹が、一体どんなご奉仕をさせられたのかというと……、16歳でベビーフェイスなのに、エロ漫画の連載を持つ今井碧(いまいたま)の作画用ポーズ撮影。
それがどんどんエスカレートしてしまい……、

『胸がドキワ荘』

『胸がドキワ荘』

『胸がドキワ荘』

昔のスケベなラブコメ主人公、今も健在です(笑)。
彼女たちの経歴に対し、読者コーナーでイラストが採用されたことしかない夏樹は、ちょっぴりコンプレックスを感じるのですが、漫画描き故の観察眼と想像力は半端ない!!

しかも17歳の健全な男子なので、妄想することといえばエッチなことや、エッチなことや、エッチなこと!!!
漫画のパンチラシーンを描いていても……、

『胸がドキワ荘』

そして煩悩を取り除くため、顔を洗いに洗面所へ……と思ったら、彼女たちの下着が干してあるランドリーに行ってしまいます。はい、お約束! お約束!!

『胸がドキワ荘』

わかっちゃいるけど面白い!!の連続なのですよ。
しかも、女の子たちのちょっとした仕草や表情や角度が、女の私が見ても“おおっ”という色っぽさと、あざと可愛いさとムチムチ感で、カラッと明るいドスケベ感が、なんとも楽しい!!

そして、なんだかわからないけれど、元気になれるのですよ。

非モテ漫画家志望男子と、まったくタイプが異なる5人の可愛い漫画家女子プラス猫1匹。まだ始まったばかりの共同生活で、どんなキワドいことが起こるのか、夏樹は凜花との恋を成就させることができるのか、これからも楽しみです!!

(レビュアー:黒田順子)

胸がドキワ荘 1
著者:海月れおな
発売日:2023年08月
発行所:講談社
価格:759円(税込)
ISBNコード:9784065327807

※本記事は、講談社コミックプラスに2023年9月9日に掲載されたものです。
※この記事の内容は掲載当時のものです。