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身体に染み込み、思考の骨格となる読書とは 『血肉となる読書』【総合3.8】

血肉となる読書

血肉となる読書
著者:斎藤幸平 小川公代 安田登(能楽師) 秋満吉彦
発売日:2026年05月
発行所:あさま社
価格:2,200円(税込)
ISBNコード:9784910827070

 

『血肉となる読書』の要点

1.本書は、「それぞれの立場から本を人生に役立てる読み方」を教えてくれるものである。

2.名著は「無意識下にある怪物と向き合うためのガイドブック」になるのかもしれない。

3.読書は、「自分とは異なる他者の思考パターン、深層心理、喜びや苦しみを少し分けてもらう行為」である。

4.古典を読むべき理由は2つある。「次のシンギュラリティ」を考えるため、そして温故知新のためだ。

 

『血肉となる読書』レビュー

瞬時に、どこでも、さまざまなコンテンツに触れ、情報を得られる時代に、読書をするとはどういう行ないなのか。書籍とはいわばスローなメディアといえる。1ページずつめくりながら、書いてある言葉を咀嚼してゆく。その行ないが深くなればなるほど、自分の人生の「血肉」となる。よく噛んで食べたものは、よりよく吸収されて栄養化するのだ。

本書のナビゲーターで、NHK「100分de名著」プロデューサーの秋満氏は、この血肉化のとっかかりとして、「本を、自分に向けて書かれた手紙だと思って読む」ことを心がけているという。すると、そこに書かれている何もかもが自分ごととなり、より深く考えざるを得なくなる。斎藤幸平さん、小川公代さん、安田登さんという三者の、読書にまつわる人生が描かれているが、本と真摯に向き合い、自分の身体、精神に取り込んでいるからこそ、読書という行為が何をもたらすのかについて、ここまで克明に言語化できるのだということがわかる。

本書で紹介されている「血肉となる読書」の方法は、専門家の読みではあっても、人間らしい悩みや葛藤から導き出された共通点があり、誰にとっても響くものを見つけられるだろう。読み終えたとき、あなたの人生の色は、少し彩度を増しているはずだ。あなたにとっての「血肉となる読書」を、ぜひ書きつづっていただきたい。

 

『血肉となる読書』が気になる方におすすめ

読書思考トレーニング
著者:中崎倫子
発売日:2026年02月
発行所:筑摩書房
価格:1,078円(税込)
ISBNコード:9784480077301