映画「国宝」の熱狂を経て、吉田修一が描く“純粋なもの”
歴代の興行収入ランキングで実写邦画第1位となった映画「国宝」。その原作者・吉田修一さんの作家デビュー30周年記念作品『タイム・アフター・タイム』が5月27日(水)に発売されます。
映画「国宝」公開後、初となる最新長編であり、約2年半ぶりの新作です。1997年5月の作家デビューから作家生活30周年イヤーの幕開けを飾る一冊となっています。
本作は、2025年4月1日から2026年4月9日まで、約1年間にわたり日本経済新聞朝刊に連載された作品を加筆修正したものです。映画「国宝」が2025年6月6日に公開され、社会現象化していく時間と並走するように紡がれていた長編小説です。
高校3年生の夏に始まった二人の一途な初恋と、それから二十数年後の再会。長崎と東京、過去と現在を行き来しながら、失われた時間、胸に残り続ける記憶、そしてもう一度人生を肯定していく力を描きます。
過去を抱きしめ、現在を必死に生き、その先にある未来へと歩いていく。
『タイム・アフター・タイム』は、作家・吉田修一さんが、いま改めて「純粋なもの」と向き合った、人生礼讃の物語です。
また本作の書籍帯には、シンガーソングライターの松任谷由実さん、作家の金原ひとみさんが推薦のコメントを寄せています。
この輝かしい節目の一冊を、ぜひ書店店頭で手に取ってみてください。
吉田修一さんのコメント

純粋なものに向き合ってみたいと思った。
眩しいくらい純粋なものに向き合った時、自分の心がまだちゃんと動くのか確かめてみたかった。
『タイム・アフター・タイム』は私なりの純粋なものをたくさん詰め込んだ小説です。
松任谷由実さん、金原ひとみさんの推薦コメント
解像度の高い人物たちと情景描写に惹き込まれ、どんなに遠くてもなお鮮やかな恋の記憶が立ち上る。
松任谷由実さん(シンガーソングライター)
こんなに泣いたら、きっと人生が変わってしまう。
そんな恐怖とともに読み終えました。
金原ひとみさん(作家)
書誌情報

著者:吉田修一
発売日:2026年5月27日
発行所:幻冬舎
定価:2,420円(税込)
ISBN:9784344045842
【あらすじ】
建設会社に勤める尾崎颯(おざきそう)は、土砂降りの雨のなか、高校の同級生だった久遠愛(くおんあい)と再会する。
二人は同じプロジェクトの担当者として再び言葉を交わすようになるが、建築家のデザイン盗用疑惑によって計画は暗転。さらに尾崎の家庭にはスキャンダルが迫り、久遠もまた癒えない心の傷を抱えていた。
揺れ始める心はやがて、二十年数前の夏へと引き戻されていく。「取り返しのつかない間違いをした。でも、大切な人のそばからは離れなかった」
青く輝く海と空に歓喜したあの頃と、眩しさを見つめ返せない今――東京と長崎、現在と過去を往還しながら、痛みも後悔も優しさも、すべてを抱きしめてあたためる長編大作。
著者プロフィール
吉田修一
よしだ・しゅういち。1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒。1997年「最後の息子」で文學界新人賞を受賞してデビュー。同作が芥川賞候補となる。2002年『パレード』で山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で芥川賞、2007年『悪人』で大佛次郎賞と毎日出版文化賞、2010年『横道世之介』で柴田錬三郎賞、2019年『国宝』で芸術選奨文部科学大臣賞と中央公論文芸賞、2022年『ミス・サンシャイン』で島清恋愛文学賞、2025年映画「国宝」に関連して野間出版文化賞を受賞。他に『怒り』『太陽は動かない』など著書多数。
