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【お金の基本特集 連載vol.2】お金を支払う=未来への「投票」? お金の正体がわかる『きみのお金は誰のため』

アイキャッチ

進学・就職・異動など環境の変化を前に「お金の基本」を学び直そう!

3月は新生活準備の季節。進学・就職・異動などの環境の変化を前に、「お金の基本」を学び直したいというニーズが高まります。
「ほんのひきだし」では、「お金の考え方・基礎知識」をテーマに関連書を紹介する特集によって、読者にとって“はじめの一冊”となる書籍との出会いを創出します。

今回は『きみのお金は誰のため』(東洋経済新報社)をご紹介します。読者が選ぶビジネス書グランプリ2024総合グランプリ「第1位」受賞作です。
「え、そうなの?」が「そうだったのか!」に変わります。ぜひ書店店頭で手に取ってみてください。

きみのお金は誰のため

きみのお金は誰のため
著者:田内学
発売日:2023年10月
発行所:東洋経済新報社
定価:1,650円(税込)
ISBN:9784492047354

プロローグ 社会も愛も知らない子どもたち
第1章 お金の謎1:お金自体には価値がない
第2章 お金の謎2:お金で解決できる問題はない
第3章 お金の謎3:みんなでお金を貯めても意味がない
第4章 格差の謎:退治する悪党は存在しない
第5章 社会の謎:未来には贈与しかできない
最終章 最後の謎:ぼくたちはひとりじゃない
エピローグ 6年後に届いた愛

 

「お金の本質」がわかる

お金そのものには価値はなく、実は「誰かに働いてもらうためのチケット」にすぎません。
例えば、無人島に1億円あっても、パンを焼く人がいなければお腹は満たされません。私たちがネットで注文して荷物が届くとき、その裏側ではドライバーや工場の人が動いています。お金が問題を解決しているのではなく、お金を受け取った「誰か」が働いて問題を解決しているのです。

この本は、経済を単なる数字のやり取りではなく、人間同士の助け合いのネットワークとして捉え直す大切さを、物語を通じてわかりやすく教えてくれます。

おすすめ①

 

経済にとって「お金より大切なもの」がわかる

この本は「みんなでお金を貯めても、将来の不安は消えない」という衝撃的な事実を教えてくれます。
個人で貯金するのは賢い選択に見えますが、社会全体で考えると、お金をいくら増やしても、働く人が減ってパンが焼けなくなれば、結局はパンの奪い合いが起きるだけです。

本当に大切なのは、お金の数字を増やすことではなく、みんなで助け合って「社会全体の生産力」を維持することです。お金を払うという行為は、そのサービスを未来に残してほしいという「投票」でもあります。
本書を読めば、「自分さえ良ければいい」という考えから卒業するための、広い視点が身につきます。

おすすめ②

 

経済の本なのに「泣ける」

経済の本なのに、この本は泣けます。中学生の主人公が、おじさんとの対話を通じて「働くことは誰かの役に立つことだ」と気づいていく姿には、大人も子どもも心を打たれます。
「愛が伝わるには時差がある」という言葉通り、今の努力がいつか誰かの助けになるという「贈与」の考え方は、将来の進路に悩む中学生に大きな勇気を与えてくれます。

読み終わる頃には、レジの人や配達員さんなど、自分の日常を支えてくれる「見えない誰か」への感謝が自然と溢れ出し、世界が今までより少し優しく見えるようになるはずです。

おすすめ③

著者のコメント
金融の世界で16年間働き、お金の力と同時にその限界もよく見てきました。投資への焦りが広がる社会ですが、僕が学生時代に戻っても投資の勉強を急ぐことはありませんし、焦って子どもに投資を教えようとも思いません。
大事なのは、お金を通じて社会にどう関わるか。その視点が自分を支える“生存戦略”になります。
本書を通じてより多くの人にこのメッセージを届けられること、そして、共に社会を考える仲間が増えることを願っています。

 

著者プロフィール

田内学

たうち・まなぶ。お金の向こう研究所代表。
1978年生まれ。2003年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。以後16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。日本銀行による金利指標改革にも携わる。著書に『お金のむこうに人がいる』(ダイヤモンド社)、『お金の不安という幻想』(朝日新聞出版)などがある。

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