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性教育のはじめの一歩として親子で楽しんでほしい『アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん』

アイラブみー書影

NHK Eテレで放送中の人気番組「アイラブみー」は、5歳の主人公「みー」が、こころやからだのふとした疑問をきっかけに、「じぶんを大切にするってどういうことなのか?」を探っていく冒険アニメーション。放送開始の2022年にはアジア・テレビ賞を受賞するなど、世界からも注目を集めている同番組を書籍化したのが、6月21日(水)に発売された『アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん』です。

本書を編集したのは、新潮社の川端優子さん。子どもと性の問題が後を絶たない昨今、自身も母として子育てに向き合う中、多くの親子に届いてほしいとの熱い思いから本書の刊行が実現したそうです。

そんな刊行にいたるまでの思いと本書の読みどころについて、川端さんに文章を寄せていただきました。

 

子どもが「自分を大切にする」ために、絵本だからこそ伝えられること

子どもへの性教育と言われて、一番困っているのは、今の親世代なのではないでしょうか。自分たちは子どもの頃にちゃんと教えられてきていない。でも幼児のうちから教えたほうがいいと言われる……。私自身も、9歳と5歳の子どもを持つ親として、試行錯誤しながら色々な本を参考にしてきました。ただ、自分の知識は増えても、実行するきっかけが本当に難しい。子どもにいきなり性教育の話をして、ポカンとされたり、わからないものとしてスルーされたりすることもしばしばで、正直諦め気味でした。

そんな折、Eテレの番組「アイラブみー」を見て、性や性器について学ぶ前に、もっと子どもに伝えられることがある、と気づかされたのです。

「アイラブみー」では、自分のからだもこころも大事なもので、自分が大切にするもの、というメッセージが通底しています。まずはそうした自分のことを知り、それがひいては性教育にもつながっていく、ということを「アイラブみー」に教えてもらいました。大人にも子どもにも、自分を大切にすることの大事さを知ってほしい、この話を絵本にしたい、という非常に個人的な思いが、今回の企画の発端でした。

『アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん』は、主人公の5歳の「みー」の、自分はなぜパンツをはいているのか、という素朴な疑問から、からだやこころの大切さに気づいていくお話です。性教育のはじめの一歩として、未就学児のみならず、小学生や大人の方にも読んでほしい一冊です。

アイラブみー1

アイラブみー3

実は新潮社では、長らく子ども向けの絵本を作っていませんでした。調べたところ、過去に絵本を刊行していたのは戦後まもない時期で、実におよそ70年ぶりの絵本。当然、制作や販売のノウハウもなく、絵本出版社さんへの取材から始まりました。

それでも今回あえて絵本という形にしたのは、大人にも子どもにも伝えたい内容であり、一緒に楽しんだり、考えたり、話し合ったりするのに、絵本というかたちがぴったりだと思ったからです。巻末には、専門家の先生方が「どうしたら『自分を大切にする』ことができるの?」「なんでパンツをはいているの?」などの質問に答えてくれています。本書が子どもと話し合うきっかけとなると嬉しいですし、大人も慰められたり、励まされたりするメッセージに溢れています。ぜひ夏休みにご覧ください。

(新潮社 出版企画部 企画編集部 川端優子)

アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん
著者:オバック たけむらたけし
発売日:2023年06月
発行所:新潮社
価格:1,760円(税込)
ISBNコード:9784103551812

【「アイラブみー」放送情報】
NHK Eテレにて全国放送中。毎週水曜午後3:45~3:55放送のほか、毎月第4・第5週火曜午前8:25~8:35、毎月第4・第5週木曜午前7:20~7:30にも再放送。
番組公式サイトはこちら