人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

  1. HOME
  2. 本と人
  3. ほん
  4. 連載Vol.14:ポプラ社の編集者が激推し!2026年の注目作家は【荻堂顕】『いちばんうつくしい王冠』

連載Vol.14:ポプラ社の編集者が激推し!2026年の注目作家は【荻堂顕】『いちばんうつくしい王冠』

ほんのひきだしでは、2026年1月1日(木)から、各出版社の文芸編集者の皆さんが「今、この作家を読んでほしい」とおすすめする、短期連載企画「編集者が激推し!2026年の注目作家はこの人」をお届けします。

ぜひ、気になる作家や作品を見つけて、書店に足を運んでみてください。

 

ポプラ社 一般書文芸編集部・三枝美保さんの注目作家は「荻堂顕」さん

荻堂顕

荻堂顕(おぎどう・あきら)

1994年東京都生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業後、様々な職種を経験する傍ら執筆
活動を続ける。2020年、『私たちの擬傷』で第7回新潮ミステリー大賞を受賞。2021年1月、新潮社から同作を改題した『擬傷の鳥はつかまらない』を刊行し、デビュー。2022年、第2作の『ループ・オブ・ザ・コード』が第36回山本周五郎賞候補に。2024年、第3作の『不夜島』で第77回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞。第4作の『飽くなき地景』で第172回直木賞候補、第16回山田風太郎賞候補および第46回吉川英治文学新人賞受賞。

 

小説が持つ可能性を信じること

荻堂顕さんはデビュー作から、物語の構成力や筆力に定評のある作家さんでした。作品を発表するごとに進化を遂げ、日本推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞を受賞、直木賞候補、山田風太郎賞候補にもなった、最注目の作家さんです。

私が荻堂さんにお会いしたのは、『ループ・オブ・ザ・コード』を拝読した後でした。2段組408ページという壮大な物語の、手に汗握るストーリーの魅力はもちろんのこと、一番心惹かれたのは、6ぺージ程の文量で描かれていた、主人公が中学時代の友人との思い出を振り返るシーンでした。

主人公の逡巡と誠実さ、そして友人の真摯さと気高さが胸に残り、荻堂さんの描く「現代が舞台の少年少女たちの物語」を読んでみたいと思い、『いちばんうつくしい王冠』をご執筆頂きました。

今作は、8人の中学生が集められ、「劇が完成するまで家に帰れない」という状況から始まります。彼女達はなぜ集められたのか。なぜ劇をしなければならないのか。

すべてがわかった瞬間、読者も他人事ではいられず、目を背けてきた自分自身を鋭く突きつけられる青春エンタメ大作です。

今作には読者が求める正解があるわけではありません。
でも、正解がないかもしれない問題に立ち向かう勇気と、考え続けることの大切さを教えてくれる物語です。

荻堂さんとお話しすると、自分自身も、人間として「よりよく」生きることを諦めず、自分の美学や矜持を手放すことなく、挑戦・成長し続ける人でありたい、と強く思います。

「すべてのジャンルの作品を描きたい」とおっしゃっていた荻堂さんが、今後どのような作品を刊行されるのか、一ファンとして楽しみにしています。

(ポプラ社 一般書文芸編集部 三枝美保)

いちばんうつくしい王冠
著者:荻堂顕
発売日:2025年10月
発行所:ポプラ社
価格:2,420円(税込)
ISBNコード:9784591187555

ループ・オブ・ザ・コード
著者:荻堂顕
発売日:2025年12月
発行所:新潮社
価格:1,155円(税込)
ISBNコード:9784101057422

飽くなき地景
著者:荻堂顕
発売日:2024年10月
発行所:KADOKAWA
価格:2,145円(税込)
ISBNコード:9784041150672