ほんのひきだしでは、2026年1月1日(木)から、各出版社の文芸編集者の皆さんが「今、この作家を読んでほしい」とおすすめする、短期連載企画「編集者が激推し!2026年の注目作家はこの人」をお届けします。
ぜひ、気になる作家や作品を見つけて、書店に足を運んでみてください。
新潮社 出版部・福島歩さんの注目作家は「くどうれいん」さん

くどうれいん
1994年生まれ。岩手県盛岡市出身・在住。エッセイ集に『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『虎のたましい人魚の涙』『桃を煮るひと』『コーヒーにミルクを入れるような愛』『湯気を食べる』、歌集に『水中で口笛』、小説に『氷柱の声』『スノードームの捨てかた』、日記本に『日記の練習』、創作童話に『プンスカジャム』、絵本に『あんまりすてきだったから』『まきさんのソフトクリーム』『スウスウとチャッポン』など著書多数。
この世はわたしを動かすもので満ちている! 言葉と向き合ってきた書き手が贈る最新刊は、一歩ふみ出すエッセイ集
エッセイ、短歌、小説、そして絵本まで、ジャンルを超えて幅広く活躍中の作家、くどうれいんさん。『湯気を食べる』(オレンジページ)では「第12回料理レシピ本大賞」入賞も果たしました。
くどうさんが2025年に刊行した8冊(!)の本の締めくくりとなる『もうしばらくは早歩き』は、「移動」をテーマにしたエッセイ集です。
新幹線、車、飛行機、ローラースケート、台車、たらい舟、象、そして自分の足––くどうさんが多彩なツールを用いて赴いた先には、豊かでいとおしいさまざまな風景が立ち現れます。
教習所の教官とのやり取りにこぼれる笑い、雨の日のタクシー運転手がくれたちょっとした喜び、出張先で大量のお土産を買ってしまうときの昂ぶり、自転車と紡いだ学生時代の思い出にあふれる切なさ……、くどうさんの移動の景色を追体験するなかで、これまで自分がしてきた移動も思い起こされ、とりどりの感情があふれる一冊となっています。
エッセイ集のテーマを決めた理由について、「食エッセイなら、私は無限に書けるんです。一日三食だから、一日三本書ける。(中略)でも考えてみると、移動も同じくらいしている。だから意外と書けるのではと思いました」(「波」2025年12月号)と、くどうさんは話します。また、「みんな(移動の)経験があるから、絶対に一本は書けるはず」(同)とも。
2026年も多数の刊行を予定しているくどうさんと本書に背を押され、新しい年を迎えて書くことに挑戦してみるのもまた、一興かもしれません。
(新潮社 出版部 福島歩)
- もうしばらくは早歩き
- 著者:くどうれいん
- 発売日:2025年11月
- 発行所:新潮社
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784103565314
- 湯気を食べる
- 著者:くどうれいん
- 発売日:2025年03月
- 発行所:オレンジページ
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784865937039


