静岡県内の新刊書店員と図書館、学校図書館に携わる人の投票で決める第13回静岡書店大賞(主催:静岡書店大賞実行委員会)が12月2日(火)、静岡市のホテルグランヒルズ静岡で発表され、小説部門大賞に実石沙枝子さんの『扇谷家の不思議な家じまい』(双葉社)が輝きました。実石さんは映像化したい文庫部門でも、『踊れ、かっぽれ』(祥伝社)が大賞を受賞し、初のダブル受賞となりました。
そのほか、児童書新作部門では、江口絵理さん(文)、かわさきしゅんいちさん(絵)、藤原義弘さん(監修)の『クジラがしんだら』(童心社)、児童書名作部門では五味太郎さんの『きんぎょが にげた』(福音館書店)がそれぞれ大賞となりました。

▲各部門の受賞者(代理も)
第13回静岡書店大賞受賞作品
【小説部門】
| 大賞 | 『扇谷家の不思議な家じまい』 | 実石沙枝子 | 双葉社 |
【児童書 新作部門】
| 大賞 | 『クジラがしんだら』 | 江口絵理/文 かわさきしゅんいち/絵 藤原義弘/監修 |
童心社 |
| 第2位 | 『どろぼうジャンボリ』 | 阿部結 | ほるぷ出版 |
| 第3位 | 『ライオンのくにのネズミ』 | さかとくみ雪 | 中央公論新社 |
【児童書 名作部門】
| 大賞 | 『きんぎょがにげた』 | 五味太郎 | 福音館書店 |
【映像化したい文庫部門】
| 大賞 | 『踊れ、かっぽれ』 | 実石沙枝子 | 祥伝社 |
2部門の大賞を受賞した実石さん、喜び語る
今回、小説部門と映像化したい文庫部門の大賞を受賞した実石さんは、「今回2つの賞を与え、応援してくださったことを、近い未来も遠い未来も良かったと思ってもらえるよう、頑張りたい」と受賞の喜びを語りました。

▲小説部門大賞を受賞した実石さん
【プロフィール】
実石沙枝子(じついし・さえこ)。1996年生まれ、静岡県出身。日本SF作家クラブ会員。『別冊文藝春秋』新人発掘プロジェクト1期生。2021年、『踊れ、かっぽれ』で第11回ポプラ社小説新人賞奨励賞を受賞(実石サエコ名義)。2022年、「きみが忘れた世界のおわり」(応募時タイトル「リメンバー・マイ・エモーション」)で第16回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞しデビュー。同年、同作はApple Booksの今年のベスト(デビュー作部門)に選出された。
第13回静岡書店大賞は、2024年9月1日から2025年8月31日までの1年間に刊行された日本の小説、日本の文庫(テーマ:映像化してほしい文庫)、および日本の児童書(絵本・童話)を対象に選考。2025年9月15~30日の投票期間中に、静岡県内の新刊書店員と図書館、学校図書館に携わる約600人が投票し、各部門の大賞などを決定しました。

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