人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

  1. HOME
  2. ニュース
  3. その他
  4. 『国宝』が2025年のエンターテインメント業界代表作に!映画興行収入第1位、書籍は200万部超と各種年間ベストセラーで第1位を続々と獲得

『国宝』が2025年のエンターテインメント業界代表作に!映画興行収入第1位、書籍は200万部超と各種年間ベストセラーで第1位を続々と獲得

吉田修一『国宝』

俳優の吉沢亮さんが主演を務める映画「国宝」が、公開172日間で興行収入173億7,739万4,500円、動員1,231万1,553人を記録し、実写日本映画の興収記録を22年ぶりに塗り替えました。

また、映画「国宝」製作チームは、第73回菊池寛賞を受賞。同賞を主催する日本文学振興会は「歌舞伎という伝統芸能の華麗な世界と、その裏にある複雑な人間ドラマをスタッフの努力と俳優陣の演技によって見事に描き出し、実写の日本映画として22年ぶりに興行収入100億円を突破した」と授賞の理由を発表しています。

その原作となる小説は、2017年から2018年にかけて朝日新聞紙上で連載され、大きな反響を呼んだ吉田修一さんの長編小説『国宝』です。単行本、文庫版、愛蔵版の累計発行部数が200万部を突破する記録的なベスト&ロングセラーとなっています。

本作は、緻密な描写と深い人間ドラマが高く評価され、芸術選奨文部科学大臣賞(2018年度)、中央公論文芸賞(2019年)をダブル受賞。さらにその後も、第7回「野間出版文化賞」を受賞するなど、日本文学の伝統に脈々と流れる芸道小説の金字塔であり、『悪人』などと並ぶ著者の最高傑作との声もあがっています。

さらに、日販が12月1日(金)に発表した2025年年間ベストセラーの文庫部門で第1位、同日発表のトーハンの「2025年 年間ベストセラー」の総合(文庫含む)で第1位、オリコンの第18回オリコン年間“本”ランキング2025 (11月28日発表)でも「年間文庫ランキング」で第1位を獲得しました。

『国宝』は名実ともに2025年を代表する書籍となったばかりでなく、映画界も含めて考えると、2025年のエンターテインメント業界を代表する作品となりました。

 

吉田修一さんショートインタビュー

こうした2025年の「国宝」ブームについて、本作の著者・吉田修一さんが、WEBメディア「ほんのひきだし」のショートインタビューにお答えいただきました。

吉田修一

撮影:江森康之

 

【著者プロフィール】

吉田修一

よしだ・しゅういち。1968年9月14日、長崎県生まれ。57歳。1997年に「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、『パーク・ライフ』で第127回芥川賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞、第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞、2019年『国宝』で第69回芸術選奨文部科学大臣賞、第14回中央公論文芸賞、2023年『ミス・サンシャイン』で第29回島清恋愛文学賞を受賞。作品は英語、フランス語、中国語、韓国語などに翻訳され、『東京湾景』『女たちは二度遊ぶ』『7月24日通り』『悪人』『横道世之介』『さよなら渓谷』『怒り』『犯罪小説集』『路』『太陽は動かない』など映像化された作品も多い。2016年より芥川賞選考委員。

 

––映画「国宝」の大ヒットについてのご感想は?

吉田 ただただ感謝しております。聞こえてくる数字が大きくなればなるほど、映画を観てくださった方々や、小説を読んでくださった方々お一人お一人の顔が浮かぶようになり、改めて感謝の気持ちがわいております。

––本作のどのような点が読者に支持されたと考えていらっしゃいますか?

吉田 それぞれがそれぞれの場所で発している熱のようなものを感じていただけたのではないかと思っています。

––吉田さんが「国宝」を通じて最も伝えたかったことは何でしょうか?

吉田 一言では難しいですが、敢えて答えるとすれば、人間の美しさ、人生の美しさかもしれません。

––最後に、読者へのメッセージがあればお聞かせください。

吉田 今回ほど読者の皆様の力を感じたことはありません。本当にありがとうございました。

 

ぜひ、2025年の年の瀬は、『国宝』の世界観に浸りながら今年を振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

『国宝』これまでのあゆみ

2017~2018年 「朝日新聞」で小説「国宝」連載
2018年9月 単行本『国宝 上 青春篇』『国宝 下 花道篇』が発売
2019年3月 小説『国宝』芸術選奨 文部科学大臣賞受賞
2019年8月 小説『国宝』中央公論文芸賞受賞
2021年9月 文庫版『国宝(上)』『国宝(下)』発売
2025年6月 映画「国宝」公開開始
2025年8月 映画「国宝」興行収入100億円突破
2025年9月 映画「国宝」興行収入150億円突破
2025年10月 小説『国宝』累計販売部数200万部突破
2025年10月 映画「国宝」制作チーム 菊池寛賞受賞が決定
2025年11月 吉田修一さん、李相日さん 野間出版文化賞受賞
2025年11月 映画「国宝」 興行収入173億7,739万4,500円超で、
邦画実写歴代第1位
2025年12月 日本出版販売「2025年年間ベストセラー」文庫部門で第1位
トーハン「2025年 年間ベストセラー」総合(文庫含む)第1位
オリコン第18回オリコン年間“本”ランキング2025「年間文庫ランキング」第1位

 

原作小説『国宝』(上・下)

国宝 上
著者:吉田修一
発売日:2021年09月
発行所:朝日新聞出版
価格:880円(税込)
ISBNコード:9784022650085

国宝 下
著者:吉田修一
発売日:2021年09月
発行所:朝日新聞出版
価格:880円(税込)
ISBNコード:9784022650092

1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」――侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか?

(朝日新聞出版公式サイト『国宝(上)』より)

 

〉原作特設サイト(朝日新聞出版公式)は、こちら