村田沙耶香さんプロフィール

村田沙耶香
むらた・さやか。1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年『コンビニ人間』で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。
「村田沙耶香」小説 2025年ベストセラーランキング発表
村田沙耶香さんの『世界99』が、11月5日に第78回「野間文芸賞」に選ばれました。
村田さんは、芥川賞受賞作『コンビニ人間』をはじめ、私たちの身近な日常に隠れた「違和感」や「常識」の不思議を、独自の優しい視点から描き出すことで知られています。
さらに、11月28日(金)には、村田さん初の映像化作品となる映画「消滅世界」が公開されます。既存の価値観をそっと揺さぶるような、村田作品ならではのリアルでちょっと不穏な世界観が、スクリーンでどう表現されるのか、今から期待が高まります。
文学界の権威ある賞の受賞、そして待望の映画公開と、勢いの止まらない村田さんの魅力的な世界を、ぜひこの機会に体験してみてはいかがでしょうか。
今回は、2025年の販売冊数(※)をもとに集計した、村田さんの小説ベストセラーランキングをお届けします。各作品のあらすじもあわせてご紹介しますので、ランキングを参考に、ぜひ書店店頭で気になる1冊を手に取ってみてください。
※ランキングは2025年の販売冊数を集計しています(集計期間:2025/1/1~2025/10/31)
※日販調べ
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「村田沙耶香」小説 2025年ベストセラーランキング第1位
村田沙耶香さんの小説で、2025年にもっとも人気の作品は、第155回芥川賞を受賞した『コンビニ人間』でした。
2016年に単行本が刊行されてから累計192万部を突破し、44の国と地域で翻訳が決定しています(2025年10月現在)。世界各国で読まれている世界的ベストセラー作品です。
主人公は、36歳未婚、コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。幼い頃から「普通」がわからなかった彼女にとって、完璧なマニュアルがあるコンビニエンスストアこそが、自分が世界の「普通」になれる唯一の居場所でした。しかし、新入りの男性に「そんな生き方は恥ずかしくないのか」と突きつけられ、彼女の日常は揺らぎ始めます。
本作は、現代社会における「普通」とは何かという問いを追求し、正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説です。

著者:村田沙耶香
発売日:2018年9月
発行所:文藝春秋
定価:693円(税込)
ISBN:9784167911300
36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。
(文藝春秋公式サイト『コンビニ人間』より)
「村田沙耶香」小説 2025年ベストセラーランキング第2位~第15位
第2位『世界99(上・下)』
- 世界99 上
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2025年03月
- 発行所:集英社
- 価格:2,420円(税込)
- ISBNコード:9784087718799
- 世界99 下
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2025年03月
- 発行所:集英社
- 価格:2,420円(税込)
- ISBNコード:9784087700015
性格のない人間・如月空子。
彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。
空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。
ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。
当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。(集英社公式サイト『世界99(上)』より)
第3位『信仰』
- 信仰
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2025年05月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:715円(税込)
- ISBNコード:9784167923617
「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」
好きな言葉は「原価いくら?」
現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。表題作は2021年シャーリィ・ジャクスン賞(中編小説部門)候補作に選ばれました。
(文藝春秋公式サイト『信仰』より)
第4位『消滅世界』
- 消滅世界
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2018年07月
- 発行所:河出書房新社
- 価格:693円(税込)
- ISBNコード:9784309416212
人工授精で、子供を産むことが常識となった世界。夫婦間の性行為は「近親相姦」とタブー視され、やがて世界から「セックス」も「家族」も消えていく……日本の未来を予言する芥川賞作家の圧倒的衝撃作。
(河出書房新社公式サイト『消滅世界』より)
第5位『地球星人』
- 地球星人
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2021年04月
- 発行所:新潮社
- 価格:737円(税込)
- ISBNコード:9784101257136
恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃、自らを魔法少女と宇宙人だと信じていた二人は秘密の恋人同士だった。だが大人になった由宇は「地球星人」の常識に洗脳されかけていて……。
(新潮社公式サイト『地球星人』より)
第6位『殺人出産』
- 殺人出産
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2016年08月
- 発行所:講談社
- 価格:715円(税込)
- ISBNコード:9784062934770
今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。命を奪う者が命を造る「殺人出産システム」によって人口を保つ日本。会社員の育子には十代で「産み人」となった姉がいた。蝉の声が響く夏、姉の10人目の出産が迫る。未来に命を繋ぐのは彼女の殺意。昨日の常識は、ある日突然変化する。表題作、他三篇。
(講談社公式サイト『殺人出産』より)
第7位『丸の内魔法少女ミラクリーナ』
- 丸の内魔法少女ミラクリーナ
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2023年02月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:704円(税込)
- ISBNコード:9784041130094
36歳のOL・茅ヶ崎リナは、オフィスで降りかかってくる無理難題も、何のその。魔法のコンパクトで「魔法少女ミラクリーナ」に“変身”し、日々を乗り切っている。だがひょんなことから、親友の恋人であるモラハラ男と魔法少女ごっこをするはめになり…ポップな出だしが一転、強烈な皮肉とパンチの効いた結末を迎える表題作ほか、初恋を忘れられない大学生が、初恋の相手を期間限定で監禁する「秘密の花園」など、さまざまな“世界”との向き合い方を描く、衝撃の4篇。
(KADOKAWA公式サイト『丸の内魔法少女ミラクリーナ』より)
第8位『生命式』
- 生命式
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2022年05月
- 発行所:河出書房新社
- 価格:693円(税込)
- ISBNコード:9784309418872
夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集!
(河出書房新社公式サイト『生命式』より)
第9位『しろいろの街の、その骨の体温の』
- しろいろの街の、その骨の体温の
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2015年07月
- 発行所:朝日新聞出版
- 価格:770円(税込)
- ISBNコード:9784022647849
クラスでは目立たない存在である小4の結佳。女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、習字教室が一緒の伊吹雄太と仲良くなるが、次第に伊吹を「おもちゃ」にしたいという気持ちが強まり、ある日、結佳は伊吹にキスをする。恋愛とも支配ともつかない関係を続けながら彼らは中学生へと進級するが――
野間文芸新人賞受賞、少女の「性」や「欲望」を描くことで評価の高い作家が描く、女の子が少女に変化する時間を切り取り丹念に描いた、静かな衝撃作。(朝日新聞出版公式サイト『しろいろの街の、その骨の体温の』より)
第10位『授乳』
- 授乳
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2010年04月
- 発行所:講談社
- 価格:704円(税込)
- ISBNコード:9784062766418
受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。火曜に数学、金曜に英語。私を苛立たせる母と思春期の女の子を逆上させる要素を少しだけ持つ父。その家の中で私と先生は何かを共有し、この部屋だけの特別な空気を閉じ込めたはずだった。「――ねえ、ゲームしようよ」。表題作他2編。
(講談社公式サイト『授乳』より)
第11位『変半身(かわりみ)』
- 変半身
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2021年11月
- 発行所:筑摩書房
- 価格:726円(税込)
- ISBNコード:9784480437785
孤島の奇祭「モドリ」の生贄となった同級生を救った陸と花蓮は祭の驚愕の真相を知る。悪夢が極限まで疾走する村田ワールドの真骨頂!
(筑摩書房公式サイト『変半身』より)
第12位『タダイマトビラ』
- タダイマトビラ
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2016年11月
- 発行所:新潮社
- 価格:572円(税込)
- ISBNコード:9784101257129
母性に倦んだ母親のもとで育った少女・恵奈は、「カゾクヨナニー」という密やかな行為で、抑えきれない「家族欲」を解消していた。高校に入り、家を逃れて恋人と同棲を始めたが、お互いを家族欲の対象に貶め合う生活は恵奈にはおぞましい。人が帰る所は本当に家族なのだろうか? 「おかえり」の懐かしい声のするドアを求め、人間の想像力の向こう側まで疾走する自分探しの物語。
(新潮社公式サイト『タダイマトビラ』より)
第13位『星が吸う水』
- 星が吸う水
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2013年02月
- 発行所:講談社
- 価格:704円(税込)
- ISBNコード:9784062774796
恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。「本当のセックス」ができない結真と彼氏と別れられない美紀子。二人は「性行為じゃない肉体関係」を求めていた。誰でもいいから体温を咥(くわ)えたいって気持ちは、恋じゃない。言葉の意味を、一度だけ崩壊させてみたい。
表題作他一篇。(講談社公式サイト『星が吸う水』より)
第14位『マウス』
- マウス
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2011年03月
- 発行所:講談社
- 価格:704円(税込)
- ISBNコード:9784062769129
私は内気な女子です――無言でそう訴えながら新しい教室へ入っていく。早く同じような風貌の「大人しい」友だちを見つけなくては。小学五年の律(りつ)は目立たないことで居場所を守ってきた。しかしクラス替えで一緒になったのは友人もいず協調性もない「浮いた」存在の塚本瀬里奈。彼女が臆病な律を変えていく。
(講談社公式サイト『マウス』より)
第15位『ギンイロノウタ』
- ギンイロノウタ
- 著者:村田沙耶香
- 発売日:2014年01月
- 発行所:新潮社
- 価格:693円(税込)
- ISBNコード:9784101257112
極端に臆病な幼い有里の初恋の相手は、文房具屋で買った銀のステッキだった。アニメの魔法使いみたいに杖をひと振り、押入れの暗闇に銀の星がきらめき、無数の目玉が少女を秘密の快楽へ誘う。クラスメイトにステッキが汚され、有里が憎しみの化け物と化すまでは……。少女の孤独に巣くう怪物を描く表題作と、殺意と恋愛でつむぐ女子大生の物語「ひかりのあしおと」。衝撃の2編。
(新潮社公式サイト『ギンイロノウタ』より)















