- 不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。
- 著者:宮下友彰
- 発売日:2025年07月
- 発行所:大和出版(文京区)
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784804764634
『不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。』の要点
1.古典教養は、人生の決断に大きな影響を与える。
2.世界は自分用にはできていないが、そこから逃げるのではなく、自分を保ちながら生きる道を探すことができる。
3.世界は不条理で、善人にも理由なく困難が降りかかる。あらゆる物事に意味を見出すのではなく、「不条理な出来事」としてそのまま受けとめることも必要だ。
4.自由は自分を律することで享受できる。欲望に振り回されず、自分が決めたルールを守ることが大切だ。
『不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。』レビュー
「古典を読んだほうがいいと頭ではわかっているけど、つい後回しになってしまう」。「古典は難しそうだし、だいたい何に役立つのかわからない」。そんな人に読んでもらいたいのが、本書である。
本書では、西洋の文学・哲学・宗教書を紹介しながら、それらが著者の人生にどのような影響を与えてきたかが記されている。著者の宮下友彰氏は、大学までは順風満帆で「世界は自分のためにできている」くらいに思っていた。しかし卒業して会社に勤めはじめてから社会の不条理さを目の当たりにし、ついには心が折れてしまう。人間性を押し殺して会社に残るべきか、いや、辞めるべきか――。
そんな人生の岐路に立ったとき脳裏に浮かんだのは、フランスの文豪・バルザックの名作『ゴリオ爺さん』である。詳しい内容は本文に委ねるが、著者は主人公の青年と自分を重ね合わせて、彼の勇気ある決断に倣うことにした。それからも迷いが生じるたびに、古典文学の一節や哲学者たちの言葉が「行くべき道」を指し示してくれたという。
本書は古典の解説と著者の半生をワンセットとし、それぞれがリンクしながら話が進んでいく。全部で10の古典文学や哲学、宗教書が紹介されるが、要約ではそこから4つをピックアップした。どれも著者の言葉でわかりやすく書かれているため、古典に慣れていない人でも楽しめるだろう。
古典教養は、あとからじわじわ効いてくる。長い人生を豊かに過ごすためにも、読んでみる価値はあるはずだ。
『不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。』が気になる方におすすめ
- 1つの習慣
- 著者:横山直宏
- 発売日:2025年07月
- 発行所:すばる舎
- 価格:1,650円(税込)
- ISBNコード:9784799113400