総合週刊誌『週刊文春』の9月4日号が「表紙絵なし」で8月28日（木）に発売されました。
同誌は1977年5月12日号から、日本を代表するイラストレーター・和田さんの絵を表紙にして48年間刊行されてきました。次号から新しい表紙となり、9月4日号の表紙には「和田誠さん、48年間ありがとうございました。来週から表紙が変わります。」という文章が掲載されました。
史上2度目の「白紙の表紙」
『週刊文春』は、1959年4月の創刊時からしばらく、女性のポートレートを表紙にあしらっていましたが、1977年5月から表紙が和田さんのイラストに切り替わりました。切り替え直前に刊行された同年5月5日号の表紙も白紙で、今回は『週刊文春』史上2度目の「白紙の表紙」となります。
『週刊文春』のアイコンとして愛された和田さんの表紙絵
和田さんの手掛けたポップで鮮やかな色彩の表紙絵は、これまでの週刊誌のカバーの概念を覆し、『週刊文春』創刊50周年を記念して2008年に刊行された表紙絵画集『表紙はうたう』とともに『週刊文春』のアイコンとして長年愛されてきました。
和田さんは2019年10月に逝去されましたが、以降も「アンコール」という形で、以前表紙に使用した絵をあしらい続けてきました。先週発売された8月28日号の表紙絵は、和田さん最初に担当した1977年5月12日号の表紙を飾ったもので、48年ぶりの「最後のアンコール掲載」となりました。
和田さんの妻で料理愛好家の平野レミさんのコメント
これ（8月28日号の表紙絵）は41歳の時の和田さんが、『週刊文春』のために最初に描いた表紙。手紙をくわえて、夜空の中を、誰のところに飛んでいこうとしているのかしら。和田さんは仕事のことを家で話さなかったから、雑誌が家に届いてはじめて「今週はこんな絵なんだ」ってわかるんです。毎週、どんなことを考えながら描いていたのかな。きっとこの時は、40年も表紙を描き続けるなんて思ってなかったでしょうね。
週刊文春編集長・竹田聖さんのコメント
和田さんのイラストは、半世紀近くの間、まさに「週刊文春の顔」でした。
長年お仕事をご一緒いただいた和田さんに、編集部一同、心より感謝しています。
が、逝去されて６年、いつまでもその「神通力」に甘え続けるわけにはいきません。
「新しい酒は新しい皮袋に」––––。
来週9月4日発売の号から、新進気鋭のイラストレーターの表紙絵で新たなスタートを切ることにしました。それに伴い、誌面レイアウトも刷新し、新連載が6本！ という大型リニューアルも行います。超人気作家の連載小説も3本同時にスタートします。「この人が文春で！？」という意外な人物のエッセイやコラムも始まります。
文藝（小説やエッセイ、コラム）と春秋（スクープ、ニュースの深掘り）を高レベルで融合させ、「面白くてタメになる」唯一無二のコンテンツをスピーディにお届けする––––「週刊文春」がこれを機に益々パワーアップします。ぜひご期待下さい。
和田誠さんプロフィール
