2024年本屋大賞で第3位となり、第9回渡辺淳一文学賞を受賞した、塩田武士さんの長編小説『存在のすべてを』(朝日新聞出版)が、2027年に映画化(配給:東映)されることが決定しました。
主演は「ドライブ・マイ・カー」で第45回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した西島秀俊さん、監督は、「64―ロクヨン―」「護られなかった者たちへ」をはじめ、重厚なミステリー作品を手がけてきた瀬々敬久さんが務めます。
『存在のすべてを』
著者:塩田武士
発売日:2023年9月
発行所:朝日新聞出版
定価:2,090円(税込)
ISBN:9784022519320
『存在のすべてを』は、「本の雑誌」が選ぶ2023年度ベスト10で第1位、2024年本屋大賞第3位、さらに第9回渡辺淳一文学賞を受賞した、塩田武士さんの代表作です。これまでグリコ森永事件を題材にした長編小説『罪の声』、直木賞候補となった『踊りつかれて』をはじめ、質感なき時代に「実」を見つめる重厚な社会派作品を送り出してきた著者の傑作長編です。
映画化決定を受けて、新たな帯を巻き替えた単行本がこれから書店で展開されます。まだ未読の方はぜひ、書店店頭で手に取ってみてください。
【作品のあらすじ】
平成3年、神奈川県で発生した二児同時誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「現在」を知る。未解決のまま異様な展開をたどった事件の真実を追ってきた刑事たちの求めから、門田は再び30年前の事件と向き合うのだった。そして取材を重ねていくなか、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。
【著者プロフィール】
塩田武士(しおた・たけし)。1979年兵庫県生まれ。2010年、神戸新聞社在籍中に執筆した『盤上のアルファ』で第5回小説現代新人賞を受賞しデビュー。2011年、同作で第23回将棋ペンクラブ大賞を受賞。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門で第1位となる。2019年『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞を受賞、2024年『存在のすべてを』で第9回渡辺淳一文学賞を受賞。同作は「本の雑誌」が選ぶ2023年度ベスト10で第1位、2024年本屋大賞では第3位となる。著書に『騙し絵の牙』『デルタの羊』『踊りつかれて』など多数。