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『汝、星のごとく』凪良ゆうインタビュー:ネイルポリッシュ発売記念|直筆サイン入りボックスが当たる!

★凪良ゆうネイルポリッシュ_アイキャッチ

第20回本屋大賞を受賞した小説『汝、星のごとく』の文庫版が7月15日に発売されました。物語は本からさらに形を変え、8月に、本作をモチーフにしたネイルポリッシュが商品化されました。さらに、2026年には映画が公開されることも決定しています。

物語がさまざまな形で広がっていくことについて、著者の凪良ゆうさんにお話を伺いました。

凪良ゆう_近影

汝、星のごとく
著者:凪良ゆう
発売日:2025年07月
発行所:講談社
価格:990円(税込)
ISBNコード:9784065401880

あなたと生きる、その痛みごと。

風光明媚な瀬戸内の島で育った暁海(あきみ)と母の恋愛に振り回され転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人が恋に落ちるのに時間はかからなかった。ときにすれ違い、ぶつかり、成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けた著者がおくる、あまりに切ない愛の物語。

(講談社公式サイト『汝、星のごとく』より)

 

––––「文学を纏う」のネイルもそうですが、1冊の本から商品化や映画化などさまざまな形へと広がっています。先日、凪良さんご自身も『汝、星のごとく』の舞台となった市である、今治エール大使に就任されましたね! おめでとうございます!

ありがとうございます。今治エール大使になりました! 「IMABALINA Ambassador」に! かわいい名前ですよね。

『汝、星のごとく』の執筆のため、最初に今治を取材したときには、観光地を回るのではなく、住民の方たちが普段何気なく歩いているような、ごくありふれた風景――島の自然や空気を感じることを意識していました。

––––凪良さんの小説は、どの作品も読んでいる最中に風景が見えたり波の音が聞こえたり、五感を使って読んでいるような体験があります。

『汝、星のごとく』では登場人物が生きている島の中に彼らの生活があるので、日常の中の風景や音、光、海の色などを知りたかったんです。だから波の音が聞こえると言っていただけるのは、とても嬉しいですね。

––––登場人物が生きている風景という言葉にはっとしました。どんな場所でどんなふうに登場人物たちが見て聞いて、生きているかという、同じ環境に身を置いてみて執筆されたんですね。

特に見たかったのが夜の海なんです。何も音がしない。こんな海があるんだと驚くほどに静かでした。衝撃的な体験でした。

瀬戸内海は凪いでることが多いんですが、本当に波音もなくて、空より海の方が黒い……暗いというか黒いんです。何もない「黒い何か」がただずっと広がっている。それがすごく怖くて、昼間の明るい海とのギャップが大きい。こういうところで、暁海や櫂は生きてきたんだなと。

––––音がしない黒い海の描写は、まさに暁海が未来に不安を抱えているタイミングで描かれていましたよね。

そうなんですよ。あの風景や自然を実際に見たからこそ、書けた描写は多かったように思います。

 

2026年公開の映画「汝、星のごとく」は横浜流星と広瀬すずのダブル主演

凪良ゆう_汝星のごとく映画化_文庫書影©2026「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

––––『汝、星のごとく』の映画化においては横浜流星さんからの熱い思いがあったというコメントも拝見しました。

本当に嬉しいことですね。横浜さんからとても素敵なメッセージをいただき、わたしも横浜さんに演じていただきたい、と思いました。

––––実際に映画化など表現される媒体が変わったとき、イメージと違う部分があると思います。原作者としてどのように大切にしていますか?

いろんなタイプの作家がいると思いますが、私は監督やクリエイターの方たちを信頼できたら、作品を預けるようにしています。ただそこに至るまでが少し長くて、何度も話し合いを重ねます。「この人だったらお任せしても大丈夫」と思えたら、その方々だからこその作品を作ってくださる方が嬉しいです。

––––既に映画の撮影が始まっているそうで、公開がいまから楽しみですね。

今治までロケを見学に行って、雰囲気を見せていただきました。それがもう本当に素敵だったんです。「楽しみにしていてください」と自信を持って言えます。

 

ネイルポリッシュは繊細ですりガラスのような質感。「しっかりと物語を表してくれている」

凪良ゆうネイルシリーズ第1弾

 

––––続いて、「文学を纏う」ネイルについてお聞かせください。もしかして今日は、ネイルを塗ってきてくださっていますか……?

はい、もちろん! 今日は「汝、星のごとく」を単色使いしています。

––––ありがとうございます! 感無量です……! 「文学を纏う」のネイル自体は、ご存じでしたか?

元々江國香織さんが好きで、江國さんのネイルシリーズを初めて見た時に、「こんな素敵なものがあるんだ」と思っていました。あと、江國さんシリーズを使って作られたつけ爪(つめをぬるひとさん作成)のデザインがとてもかわいらしかった。「これは江國さんワールドだ」と感じて、あれ以来注目しています。

 

凪良ゆうネイルZ50_1984編集

––––改めて凪良さんシリーズの第1弾3色(「汝、星のごとく」「流浪の月」「滅びの前のシャングリラ」)をご覧いただいて、カラーやテクスチャーなどはいかがでしょうか?

すごく繊細で、しっかり物語世界を表現してくれているなと思いました。すりガラスのような質感が大好きで、『流浪の月』のダブル主人公・文の声を「すりガラス」とか「氷砂糖」という表現をしたくらいです。

––––凪良さんシリーズは、仰るとおり、すりガラスやシーグラスをイメージしています。荒波に揉まれていきながら、本来の輝きとはまた違う美しさを獲得していくという部分を、コンセプトとして取り入れられればなと思って。文の声もまさしくそうですね。

ちょっと掠れたような、でも透明感のあるイメージですよね。

流浪の月
著者:凪良ゆう
発売日:2022年02月
発行所:東京創元社
価格:814円(税込)
ISBNコード:9784488803018

最初にお父さんがいなくなって、次にお母さんもいなくなって、わたしの幸福な日々は終わりを告げた。すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所をくれたのが文だった。それがどのような結末を迎えるかも知らないままに――。だから十五年の時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。この願いを、きっと誰もが認めないだろう。周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切なひとさえも傷付けることになるかもしれない。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。本屋大賞受賞作。

(東京創元社公式サイト『流浪の月』より)

滅びの前のシャングリラ
著者:凪良ゆう
発売日:2024年01月
発行所:中央公論新社
価格:902円(税込)
ISBNコード:9784122074712

滅亡を前にした世界で「人生をうまく生きられなかった」人々が見つけた光。二度の本屋大賞受賞を果たした著者の傑作。

(中央公論新社公式サイト『滅びの前のシャングリラ』より)

 

––––第1弾の3色は8月8日に発売され、ちょうど今皆さんのお手元に届き始めています。

SNSで実際に塗ってくださっている写真を拝見しました。みなさん、本当にお綺麗でした。

––––同じものを2つや、ボックスと単色を一緒に購入されている方も多い印象です。ひとつは飾る用なのかも?

飾る用と使う用が必要という気持ちはとてもわかります。ボックスもとてもこだわりの詰まった作りになっていて、驚きました。

担当編集:凪良さんは「これは私の物語だ」と感情移入してくださる読者がすごく多い作家さんだと思うんです。「自分のことを書いているのかと思った」というような、没入させる書き手だなと思っていて。でも本ってどんなに没入しても同化することはできない。けれど、ネイルは、ある意味でその物語を身につけることができる。とても素敵な発明だと思います。

本当にその通りですね。登場人物たちと心を重ねられる瞬間が1冊を通してどこかにあると思うので、そういうところを書いていくのが自分は好きなのかなと思います。

––––本そのものの存在やそこに書かれた言葉、読んだ時の感情が想起されるようなネイルポリッシュを制作しているので、とても嬉しいお言葉です。

 

凪良ゆうネイルZ50_1987編集2

––––凪良さんは書籍の装丁でも、美しいものを一つひとつ選び取り、こだわって作っていらっしゃるという印象があります。

装丁にはとてもこだわりがあります。私という作家を知らなくても、書店で装丁だけを見て、「綺麗だったから手に取った」という感想もたくさんいただきました。だからこそやっぱり物語の世界を反映した装丁であってほしいとは思いますね。

文庫版『汝、星のごとく』の表紙は、単行本と同じく刺繍作家のauroreさんの写真をお借りしていますが、単行本とは違う刺繍作品を使っているんですよ。色味も少し青みが強くて。あとこの帯のコピー。「あなたと生きる、その痛みごと。」文庫の担当編集さんが書いてくれたコピーなのですが、「本文の中でなんで私この文章を出せなかったんだろう」と、ちょっと悔しくなるぐらい、いい文章じゃないですか。

––––ネイルのパッケージラベルにも、本文とオリジナルコピーを入れていますが、とても悩みながら作成したので、このコピーはすごいです……。

ネイルのコピーも、一文一文どれもとても素敵でした。第2弾の「美しい彼」「憎らしい彼」の発売も今から楽しみです!

––––ネイルシリーズ第2弾「美しい彼」「憎らしい彼」は2026年2月ごろの発売予定です。本日はありがとうございました!

 

抽選で凪良ゆうさん直筆サイン&スタンプ入りボックスが当たる!「塗ってみた」投稿キャンペーン

文学を纏うネイルポリッシュ「凪良ゆう」シリーズを塗って、SNSで投稿してくださった方の中から、抽選で7名様に凪良さんのサインとスタンプが入ったネイル専用ボックスをプレゼントします。

★凪良ゆうネイル塗ってみたCP_期間延長

★凪良ゆうネイル塗ってみたCP-02_X(修正3)

〈参加方法〉

①「文学を纏う」公式SNSをフォロー
 公式X:https://x.com/bungakuwomatou
 公式Instagram:https://www.instagram.com/bungakuwomatou/
②文学を纏うネイル「凪良ゆう」シリーズを塗って写真を撮る
③ X:「#指先に凪良ゆうを纏う」をつけて投稿
 Instagram:「@bungakuwomatou」をタグ付けして投稿

3ステップで応募完了です。皆さんの参加をぜひお待ちしております!

凪良ゆうネイルZ50_1990編集

▲ボックスにサインを入れる凪良さん

 

凪良ゆうネイル_Z50_2009

▲ゴールドのサインと、シルバーのスタンプでとても美しい仕上がりです

 

文学を纏うネイルポリッシュ「凪良ゆう」シリーズ ご購入はこちら

〈オンラインストア〉
・文学を纏う オンラインストア(https://bungakuwomatou.myshopify.com/
・東京創元社 オンラインストア(https://tokyosogensha.shop/
・コミコミスタジオ (https://comicomi-studio.com/
・et seq. オンラインストア(https://etseq.jp/

〈常設店〉
文喫 六本木
文喫 栄
文喫 福岡天神
STORY STORY YOKOHAMA
TSUTAYA BOOK STORE APIT京都四条

〈POPUP実施書店〉
7月10日(木)~9月30日(火)紀伊國屋書店新潟店
7月24日(木)~9月15日(月)旭屋書店アトレヴィ大塚店
7月26日(土)~9月30日(火)橿原書店
8月8日(金)~9月30日(火)オリオン書房 ルミネ立川店
8月8日(金)~9月7日(日)紀伊國屋書店グランフロント大阪店
8月8日(金)~9月30日(火)TSUTAYA BOOKSTORE 亀戸
8月8日(金)~10月8日(水)文教堂市ヶ谷店
8月8日(金)~9月30日(火)有隣堂横浜駅西口ジョイナス店
8月12日(火)~10月12日(日)TSUTAYA 南古谷店
8月15日(金)~10月15日(水)TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷サクラステージ
8月18日(月)~9月30日(火)リブロ 汐留シオサイト店
9月9日(火)~10月8日(水)紀伊國屋書店笹塚店
9月10日(水)~10月10日(金)紀伊國屋書店前橋店

※一部店舗では「凪良ゆう」シリーズのほか、既存シリーズの販売も行います(取扱商品は店舗によって異なります)
※実施期間は予告なく変更になる場合があります。最新情報は各店舗公式サイト・SNS、文学を纏うSNSをご確認ください

 

企画展「指先に文学を纏う––凪良ゆう––」

8月8日(金)から9月21日(日)の期間、文喫 六本木(東京都港区)および文喫 栄(愛知県名古屋市)にて、入場無料の企画展「指先に文学を纏う––凪良ゆう––」が開催されています。

〈企画展開催店舗情報〉

◆文喫 六本木
所在地:東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビルディング 1F
営業時間:9:00~21:00
公式サイト:https://roppongi.bunkitsu.jp/

◆文喫 栄
所在地:愛知県名古屋市中区栄4-1-1 中日ビル 2F
営業時間:7:30~21:00
公式サイト:https://sakae.bunkitsu.jp/

 

凪良ゆうさんプロフィール

なぎら・ゆう。京都市在住。2007年に初著書が刊行され本格的にデビュー。BLジャンルでの代表作に連続Tテレビドラマ化や映画化された「美しい彼」シリーズなど多数。2017年に『神さまのビオトープ』(講談社タイガ)を刊行し高い支持を得る。2019年に『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。2020年『流浪の月』で本屋大賞を受賞。同作は2022年5月に実写映画が公開された。2020年刊行の『滅びの前のシャングリラ』で2年連続本屋大賞ノミネート。第168回直木賞候補、第44回吉川英治文学新人賞候補、2022王様のブランチBOOK大賞、キノベス!2023第1位、第10回高校生直木賞に選ばれた『汝、星のごとく』で、2023年に自身2度目となる本屋大賞を受賞。同書は2026年に実写映画化されることが発表された。最新刊『星を編む』はその続編となる。

 

「文学を纏う」について

「文学を纏う」は、文学作品の持つ世界観や美学を身に纏うものとして表現し、文学作品との新しいつきあい方を提案する文喫発のオリジナルプロダクトブランドです。「文学のたのしみは、読むだけに非ず。」というコンセプトのもと、自分の身に「纏う」ことを通じて、作品をより身近に感じたり、いつもの日常の風景が少しだけ違って見えたりする、そうした文学との新しい楽しみ方を目指して商品を開発・制作しています。
2021年から現在までに、宮沢賢治・太宰治・京極夏彦・江國香織・森見登美彦・江戸川乱歩の各氏の作品のネイルポリッシュシリーズをリリースし、2025年2月時点で累計販売数3万本を突破しました。

 

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