読んで、備えて、行動する。防災に関するおすすめ本をご紹介
近年、地震、豪雨、台風など、日本各地で自然災害が頻発・激甚化しています。政府や自治体による注意喚起は行われているものの、個々人の防災意識や具体的な備えには、依然として大きな差があるのが現状です。今回は、「知識を備える」ことの重要性に焦点を当てて、『大切な家族を守る「おうち防災」』(辰巳出版)をご紹介します。ぜひ書店店頭で手に取ってみてください。
著者:奥村奈津美
発売日:2025年6月
発行所:辰巳出版
定価:1,650円(税込)
ISBN:9784777832453
自宅を最強の避難所にする方法を伝授!
自宅にとどまれる状況の場合、「在宅避難」がベストです。避難所での生活はストレスが多く、子どもやお年寄りやペットがいる家庭では特にです。普段の生活から災害への備えをしていくことが大事ですが、重要なのは優先順位です。本書では、現地での取材で得た知識を基に優先順に紹介していきます。最重要はトイレ、命に直結する大きな問題なのでしっかりと備える。食料よりも水、食料を重要視しがちですが水の確保が大事。プラ1備蓄で、日用品も食料も普段使っているものを余分に1個買っておく。こうした実践的な方法が紹介されています。
各専門家の分析や現地取材を基にした、より役立つ防災法を掲載!
家族を守るための日々の備え、避難生活での注意点などを現場・専門家への取材を基に紹介しています。水害、地震、避難生活、住宅などで、実際に起きた問題や困った事例を紹介し、その対策が掲載されています。例えば、非常時の持ち出し袋の優先度が高いものは、体の一部となるものです。他から支援が受けられない眼鏡や薬、医療機器、また排泄物への備えです。気温対策や水・食料も大事ですが、実際はこうしたことが大事となります。妊娠中の方、乳幼児、障害のある方、防災住宅、原子力災害などの識者のインタビューも掲載されています。
水害から家族を守るための知識を身につけよう
近年、線状降水帯、スーパー台風、豪雨と甚大な水害が発生しており、今後も増えていくと予想されています。水害に対する知識を高め、備えることが家族を守るために必要です。本書では、ハザードマップの活用、避難情報の取得方法、避難のタイミング、避難する時の注意点、避難をやめるタイミング、子ども・お年寄りの避難のタイミング、水害後に行うべきことなどが細かく解説されています。早めの避難で、浸水する前に、明るいうちに安全な場所に移動することが大事です。もし何も被害がなくても「空振り避難は避難訓練」です。決して無駄になりません。
著者からのメッセージ
防災アナウンサー®かつ環境省アンバサダーである、著者の奥村奈津美さんからメッセージをいただきました。
「防災に正解はない」これをやったら絶対に大丈夫というものは残念ながらありません。しかし、知っていることで守れる命があります。大切なお子さんを失ったお母さんの「知らないことが一番怖いこと」という言葉が忘れられません。被災された方々から頂いた多くの教訓、様々な分野で研究を続ける専門家の方々の知見を一人でも多くの人に届けるのが防災アナウンサーの役割と考えております。この本を読んで備えを進めることであなたの防災力は確実に高まります!
奥村奈津美さんプロフィール
2011年3⽉11⽇に仙台市の⾃宅マンションで被災。その後、74時間CMなしの緊急報道番組で仙台のスタジオから全国に向けて宮城県の被災状況など を伝え続けて 以来、14年以上、全国各地で起きる災害の被災地取材、また復旧ボランティアとして被災地を⽀援。特に⺟になった今では、⼦育て世帯は備えることで救える命があるという想 いを強くもち、⽇頃から備えることの⼤切さ、被災された⽅々からの教訓を 伝えたいと、防災啓発活動に⼒を⼊れている。