あの村野ミロが60歳になって帰って来た!
桐野夏生さんの女性私立探偵・村野ミロを主人公にしたシリーズの最新刊『ダークネス』が7月30日(水)に発売されます。
桐野夏生さんのデビュー作『顔に降りかかる雨』であざやかに登場した主人公・村野ミロ。続く「ミロ」シリーズは、衝撃作『ダーク』で終わりを迎えたと思われていましたが、2025年、今作『ダークネス』が誕生しました。
『ダークネス』は、コロナ下の那覇で幕を開けます。ミロと息子のハルオは20年間、そこでひっそりと暮らしてきました。しかし、ハルオのバイト先でのある出会いから、運命はミロの宿敵である久恵や山岸たちを二人の元へ引き寄せます。自らの出生の秘密を知ったハルオはミロの元を去り、「悪」を知る旅に出ることに。息子を取り戻すため、ミロの最後の闘いが始まります。
なぜ再びミロを描いたのか、なぜ20年後だったのか――。『小説新潮』8月号(7月22日発売)では、「ミロも久恵も私だった」と題し、桐野さんの刊行記念インタビューが掲載されています。
『ダークネス』と『小説新潮』8月号をあわせて、ぜひ書店で手に取ってご覧ください。
書誌情報
著者:桐野夏生
発売日:2025年7月30日
発行所:新潮社
定価:2,750円(税込)
ISBN:9784104667055
私の愛した男たちは皆行ってしまった。私の魂を受け止めてくれる相手はもうどこにもいない──衝撃作『ダーク』から20年、村野ミロは生きていた。そして息子のハルオは「悪」を知る旅に出るが……。息子を守るため、凍る火の玉、ミロの最後の闘いが始まる。圧倒的迫力で描く、著者渾身のエンタテインメントの結末は。
(新潮社公式サイト『ダークネス』より)
「ミロ」シリーズ作品
■第1作『顔に降りかかる雨』
- 新装版顔に降りかかる雨
- 著者:桐野夏生
- 発売日:2017年06月
- 発行所:講談社
- 価格:946円(税込)
- ISBNコード:9784062936804
親友のノンフィクションライター宇佐川耀子が、1億円を持って消えた。大金を預けた成瀬時男は、暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は、成瀬と協力して解明に乗り出す。二転三転する事件の真相は? 女流ハードボイルド作家誕生の’93年度江戸川乱歩賞受賞作!
(講談社公式サイト『新装版 顔に降りかかる雨』より)
■第2作『天使に見捨てられた夜』
- 天使に見捨てられた夜 新装版
- 著者:桐野夏生
- 発売日:2017年07月
- 発行所:講談社
- 価格:1,012円(税込)
- ISBNコード:9784062937009
AVでレイプされ、失踪した一色リナの捜索依頼を受けた村野ミロは、行方を追ううちに業界の暗部に足を踏み入れた。女性依頼人が殺害され、自身に危険が及ぶ中、ようやくつかんだリナ出生の秘密が、事件を急展開させる。乱歩賞受賞直後に刊行された圧巻の社会派ミステリー。
(講談社公式サイト『新装版 天使に見捨てられた夜』より)
■第3作『ローズガーデン』
- ローズガーデン 新装版
- 著者:桐野夏生
- 発売日:2017年08月
- 発行所:講談社
- 価格:715円(税込)
- ISBNコード:9784062937320
高校二年生のあの日。薔薇(ばら)が咲き乱れる自宅のベッドで、ミロの口から「義父と寝た」という驚くべき話を聞かされた。「俺」は激しい嫉妬に囚(とら)われ興奮した──。ジャカルタで自殺した前夫・博夫の視点で、村野ミロの妖艶な青春時代を描いた表題作など、4つの事件簿からなる短篇集。
(講談社公式サイト『新装版 ローズガーデン』より)
■第4作『ダーク』(上・下)
- ダーク 上
- 著者:桐野夏生
- 発売日:2006年04月
- 発行所:講談社
- 価格:671円(税込)
- ISBNコード:9784062753852
- ダーク 下
- 著者:桐野夏生
- 発売日:2006年04月
- 発行所:講談社
- 価格:693円(税込)
- ISBNコード:9784062753869
「私の中の何かが死んだ」出所を心待ちにしていた男が四年前に獄中自殺していた。何も知らされなかった村野ミロは探偵を辞め、事実を秘匿していた義父を殺しにいく。隣人のホモセクシャルの親友。義父の盲目の内妻。幼い頃から知っている老ヤクザ。周囲に災厄をまき散らすミロを誰もが命懸けで追い始めた。
(講談社公式サイト『ダーク(上)』より)
■番外編『水の眠り 灰の夢』
- 水の眠り灰の夢 新装版
- 著者:桐野夏生
- 発売日:2016年04月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:935円(税込)
- ISBNコード:9784167905934
本当にお前は何もかも欲しい男なんだな――
オリンピック前夜の熱を孕んだ昭和三十八年東京。連続爆弾魔を追う記者・村野に女子高生殺しの嫌疑が。孤独なトップ屋の魂の遍歴。
(文藝春秋公式サイト『水の眠り 灰の夢』より)
桐野さんのロングインタビュー掲載!『小説新潮』8月号が発売中
発売日:2025年7月22日
発行所:新潮社
定価:1,000円(税込)
JAN:4910047010855
著者プロフィール
桐野夏生
きりの・なつお。1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頰』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2011年『ナニカアル』で読売文学賞、2023年『燕は戻ってこない』で毎日芸術賞と吉川英治文学賞を受賞など、主な文学賞を総なめにする。ほかにも『ポリティコン』『ハピネス』『バラカ』『日没』など著書多数。2015年、紫綬褒章を受章。2021年早稲田大学坪内逍遙大賞、2024年日本芸術院賞を受賞。2021年より日本ペンクラブ会長。