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【売上ランキング】西加奈子 おすすめ作品10選|最新版

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「西加奈子」2024年ベストセラーランキング発表

2004年に『あおい』でデビューして以来、『さくら』や『きいろいゾウ』、『サラバ!』など、多くの話題作を発表している西加奈子さん。直木賞を受賞した『サラバ!』をはじめ、家族や友情、アイデンティティなど自分を見つめるテーマや、生きていく上での“違和感”といったものが反映された、読者の心に深く響く作品を書き続けています。

2019年に語学留学のためカナダのバンクーバーに居を移した西さんは、そこで乳がんの診断を受けました。その後の闘病を綴ったノンフィクション『くもをさがす』では、海外での生活や医療制度の違い、病を得たままならない日々を描き、注目と感動を集めました。

その時期と前後して書かれた短編をまとめた『わたしに会いたい』は、「自分のからだ」と向き合った8編が収められており、コロナ禍や海外生活、闘病を体験した西さんならではの短編集と言えるでしょう。

4月26日からは、西さん初の新聞連載「きずもの」が、東京、中日、北海道、西日本各新聞にてスタートしています。挑戦を続けながら、時にユーモラスに、時に切実に、読む人に希望や勇気を与える力強い作品を生み出している西さん。今回は、そんな西さんの作品で、2024年の販売冊数を集計したベストセラーランキングをお届けします。各作品のあらすじもあわせてご紹介しますので、ランキングを参考に、ぜひ書店店頭で気になる1冊を手に取ってみてください。

※ランキングは2024年の販売冊数を集計しています(集計期間:2024/1/1~2024/12/31)
※日販調べ



 

2024年に一番人気の作品は…?!

西加奈子さんの2024年に一番人気があった作品は、『夜が明ける』でした。

『夜が明ける』は、「俺」と「アキ」の思春期から33歳になるまでの、男同士の友情と成長、「生きていくこと」のさまざまを描いた物語です。

15歳の時、高校で「俺」は身長191センチのアキと出会います。 普通の家庭で育った「俺」と、母親にネグレクトされていた吃音のアキは、やがてお互いにかけがえのない存在になっていきますが……。

刊行時、「今、社会の中で、気付かなくちゃ、感じなくちゃいけないことがきっちり書いてある」(俳優:小泉今日子さん)、「息を殺しながら生きなくてもいいように、誰かの心が壊れないように、この物語が生まれたんだと思う」(俳優:仲野太賀さん)といったコメントが寄せられた本作。貧困や虐待、ハラスメントなどの重い社会問題をはらみながら、「自分には、困ったときにあらゆる人に助けてもらう権利があるんだって」との一文に込められたメッセージと『夜が明ける』というタイトルの意味を、深く考えさせられる作品です。

 

西加奈子著 夜が明ける

『夜が明ける』
著者:西加奈子
発売日:2024年7月
発行所:新潮社
定価:935円(税込)
ISBN:9784101349589

15歳のとき、俺はアキに出会った。191センチの巨体で、フィンランドの異形の俳優にそっくりなアキと俺は、急速に親しくなった。やがてアキは演劇を志し、大学を卒業した俺はテレビ業界に就職。親を亡くしても、仕事は過酷でも、若い俺たちは希望に満ち溢れていた。それなのに――。この夜は、本当に明けるのだろうか。苛烈すぎる時代に放り出された傷だらけの男二人、その友情と救済の物語。

(新潮社公式サイト『夜が明ける』より)

 

「西加奈子」2024年 ベストセラーランキング第2位~第10位

第2位『くもをさがす』

くもをさがす
著者:西加奈子
発売日:2023年04月
発行所:河出書房新社
価格:1,540円(税込)
ISBNコード:9784309031019

カナダでがんになった。
あなたに、これを読んでほしいと思った。

これは、たったひとりの「あなた」への物語――
祈りと決意に満ちた、西加奈子初のノンフィクション

『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品。
カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。
切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。

(河出書房新社公式サイト『くもをさがす』より)

 

第3位『わたしに会いたい』

わたしに会いたい
著者:西加奈子
発売日:2023年11月
発行所:集英社
価格:1,540円(税込)
ISBNコード:9784087718492

この本を読んだあと、あなたは、きっと、自分の体を愛おしいと思う。
「わたし」の体と生きづらさを見つめる珠玉の短編小説集。

わたしを生きるための言葉。#Imissme ––わたしに会いたい。

コロナ禍以前の2019年より、自身の乳がん発覚から治療を行った22年にかけて発表された7編と書き下ろし1編を含む、全8編を収録。

(集英社公式サイト『わたしに会いたい』より)

 

第4位『白いしるし』

白いしるし
著者:西加奈子
発売日:2013年07月
発行所:新潮社
価格:605円(税込)
ISBNコード:9784101349572

女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、けして彼女だけのものにならない間島。触れるたび、募る想いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった――。恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか? ひりつく記憶が身体を貫く、超全身恋愛小説。

(新潮社公式サイト『白いしるし』より)

 

第5位『きりこについて』

きりこについて
著者:西加奈子
発売日:2011年10月
発行所:角川書店
価格:572円(税込)
ISBNコード:9784043944811

きりこは「ぶす」な女の子。小学校の体育館裏で、人の言葉がわかる、とても賢い黒猫をひろった。美しいってどういうこと? 生きるってつらいこと? きりこがみつけた世の中でいちばん大切なこと。

(KADOKAWA公式サイト『きりこについて』より)

 

第6位『i』

著者:西加奈子
発売日:2019年11月
発行所:ポプラ社
価格:748円(税込)
ISBNコード:9784591164457

アメリカ人の父と日本人の母のもとへ、養子としてやってきたアイ。
内戦、テロ、地震、貧困……世界には悲しいニュースがあふれている。
なのに、自分は恵まれた生活を送っている。
そのことを思うと、アイはなんだか苦しくなるが、どうしたらいいかわからない。
けれど、やがてアイは、親友と出会い、愛する人と家族になり、ひとりの女性として自らの手で扉を開ける――
たとえ理解できなくても、愛することはできる。
世界を変えられないとしても、想うことはできる。
西加奈子の渾身の叫びに、深く心を揺さぶられる長編小説。

(ポプラ社公式サイト『i』より)

 

第7位『ごはんぐるり』

ごはんぐるり
著者:西加奈子
発売日:2016年02月
発行所:文藝春秋
価格:660円(税込)
ISBNコード:9784167905545

食べて飲んで出して、今日もやっぱり生きている。
カイロ&大阪育ち、幸せな食オンチがつづる「グルメ」じゃない「ごはん」のこと。
西加奈子が綴る、かめばかむほど味が出る「食エッセイ」。

まかないの肉じゃがバター・カイロの卵かけごはん・大阪のアメちゃん・ほうれんそうのおしたし・誕生日にはホールケーキにイチゴ・夢は男子校の寮母・おばあちゃんのお好み焼き…

ごはんにまつわる子供時代の思い出、失敗談・笑い話が満載。
文庫版特別付録として、敬愛する料理人・竹花いち子氏との対談を収録。

(文藝春秋BOOKS『ごはんぐるり』より)

 

第8位『おまじない』

おまじない
著者:西加奈子
発売日:2021年03月
発行所:筑摩書房
価格:682円(税込)
ISBNコード:9784480437372

さまざまな人生の転機に思い悩む女性たちに、そっと寄り添ってくれる、珠玉の短編集、いよいよ文庫化! 巻末に長濱ねると著者の特別対談を収録。

(筑摩書房公式サイト『おまじない』より)

 

第9位『サラバ!(上・中・下)』

サラバ! 上
著者:西加奈子
発売日:2017年10月
発行所:小学館
価格:792円(税込)
ISBNコード:9784094064421

第152回直木賞受賞作

僕はこの世界に左足から登場した――。
圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。
そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。

(小学館公式サイト『サラバ!(上)』より)

 

第10位『うつくしい人』

うつくしい人
著者:西加奈子
発売日:2011年08月
発行所:幻冬舎
価格:545円(税込)
ISBNコード:9784344417229

自意識に苦しむ百合は、突発的に会社をやめてしまう。旅先のホテルでノーデリカシーなバーテン坂崎とドイツ人マティアスと出会い、過ごすうち、百合の縮んだ心は、ゆっくりほどけていく――。

(幻冬舎公式サイト『うつくしい人』より)

 

著者のプロフィール

西加奈子

にし・かなこ。1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪で育つ。2004年に『あおい』でデビュー。翌年、1匹の犬と5人の家族の暮らしを描いた『さくら』を発表、ベストセラーに。2007年『通天閣』で織田作之助賞、2013年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で直木賞、2024年『くもをさがす』で読売文学賞を受賞。そのほかの作品に『窓の魚』『きいろいゾウ』『きりこについて』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『i』『夜が明ける』『わたしに会いたい』など多数。

 

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