村上春樹の世界的人気作がフランスの世界的アーティスト×日本屈指の俳優で舞台化
日本を代表する世界的作家・村上春樹さんが36歳の時に刊行し、海外でも人気の高い『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』。その長編小説が、フィリップ・ドゥクフレさん演出・振付、藤原竜也さん主演で、2026年1月に東京芸術劇場プレイハウスにて舞台化されることが決定しました。その後、宮城・愛知・兵庫・福岡にてツアー公演が予定されています。
フィリップ・ドゥクフレ(演出・振付)
藤原竜也(主演)
“世界の終り”と“ハードボイルド・ワンダーランド”という異なる2つの世界が並行して描かれる『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は、発売から40年を経た今も、時代と言語を超えて世界中で愛読されています。
今回の舞台で演出・振付を手掛けるのは、フランスを代表する世界的アーティストであるフィリップ・ドゥクフレさんです。31歳でアルベールビル冬季オリンピック開・閉会式を演出し、サーカスと映像トリック、ダンスとが交錯する奇想天外な手法で世界を驚かせました。その後は、自身のダンスカンパニーでの活動だけでなく、ディオールやエルメスでのクリエイションやシルク・ドゥ・ソレイユの演出を行うなど、ジャンルを超えて幅広く活躍しています。
主演を務めるのは、日本屈指の実力派俳優である藤原竜也さん。弱冠15歳の時に演出家の故・蜷川幸雄さんに見いだされて、舞台「身毒丸」で主演、ロンドンのバービカン・センターで鮮烈なデビューを果たし、大絶賛を受けました。以来、数々の舞台や映像作品で主演し、高い評価を受けています。
無意識の選択に翻弄される主人公。2つの物語が問いかける、生きる意味とは......。
才気あふれるクリエイティブチームがおくる、舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は2026年1月開幕です。出演者の続報や配役、チケット販売情報などは後日発表されます。
世界的な才能が出会う舞台に向けて、演出家と主演俳優がコメント
今回の舞台化に際し、演出・振付のフィリップ・ドゥクフレさんは、「世界的に高く評価され、日本を代表する作家・村上春樹氏の小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を舞台化する機会をいただき、心から光栄に思っています。物語性にあふれ、独自の世界観を持つ村上氏の小説は、読む者の想像力を大きくかき立てます」とコメントしています。
それと同時に、「同じ本を読んでも、読者それぞれが異なるイメージを抱くことがあります。文学の魅力のひとつは、読む人の関心や文化に応じて、誰もが自分なりの入り口からその世界に入っていけること。私は、映像、動き、音を通して表現するアーティストです。この壮大なプロジェクトを、私自身の感性と文化を通じて導いていきたい」との決意を表明しています。
また、主演の藤原竜也さんは、「10年前、蜷川さんとの2度目のハムレットでロンドンの舞台を踏んだあと、同じ劇場で連続上演された蜷川さん演出の『海辺のカフカ』を客席から観たのが村上作品との出会いでした。自分自身、村上ワールドに引き込まれたのはもちろんですが、世界中から集まった満席のお客様が時には声をあげて笑いながら、舞台に興奮していた様子を今も覚えています」と村上作品との出会いを回顧。
「今回の作品、俳優人生のターニングポイントになるかもしれません。驚くような舞台にしますので、ぜひ皆様にご覧いただきたいです」とメッセージを寄せています。
▲フィリップ・ドゥクフレのダンスカンパニー公演 観劇時の写真(2024年 韓国にて)
作品のあらすじ
“世界の終り”と“ハードボイルド・ワンダーランド”という2つの世界が同時進行で描かれる。
2つの物語が織りなす、思いもよらない結末とは――。
【世界の終り】
周囲が高い壁に囲まれた街に“僕”はやって来た。街の人々は一見平穏な日々を過ごしている。僕は街に入る際に影を切り離され、いずれ“影”が死ぬと同時に心を失うと知らされる。僕は古い図書館で美しい少女に助けられながら一角獣の頭骨に収められた夢を読む仕事を与えられていたが、“影”から街の地図を作成するよう頼まれる。影は街から脱出する方法を模索していたのだ。僕は地図を完成させるために、図書館の彼女や大佐、発電所の青年から話を聞き、街の正体を探るのだった。
【ハードボイルド・ワンダーランド】
“組織”に雇われる計算士である“私”は、依頼された情報を暗号化する「シャフリング」という技術を使いこなす。ある日私は謎の博士に呼び出され、博士の孫娘の案内で地下にある彼の秘密の研究所に向かい、「シャフリング」を依頼される。博士に渡された贈り物を開けると、そこには一角獣の頭骨が入っていた。私は頭骨のことを調べに行った図書館で、心魅かれる女性司書と出会う。だが博士は研究のために、私の意識の核に思考回路を埋め込んでいた。世界が終るまでの残された時間が迫るなか、私は地下世界から脱出し、どこへ向かうのか。
▼原作小説はこちら
- 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻
- 著者:村上春樹
- 発売日:2010年04月
- 発行所:新潮社
- 価格:935円(税込)
- ISBNコード:9784101001579
- 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻
- 著者:村上春樹
- 発売日:2010年04月
- 発行所:新潮社
- 価格:825円(税込)
- ISBNコード:9784101001586
公演概要
舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」
〈東京公演〉
期間:2026年1月開幕
会場:東京芸術劇場プレイハウス
共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
協力:新潮社・村上春樹事務所
主催・企画制作:ホリプロ
※宮城・愛知・兵庫・福岡にてツアー公演予定
〈スタッフ〉
原作:村上春樹
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ
脚本:高橋亜子
〈キャスト〉
藤原竜也 ほか