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組織の問題を解決するには“集団心理”に注目!その本質を解き明かす『だけどチームがワークしない』【総合3.8】

だけどチームがワークしない

だけどチームがワークしない
著者:縄田健悟
発売日:2025年02月
発行所:日経BP
価格:2,200円(税込)
ISBNコード:9784296002221

 

『だけどチームがワークしない』の要点

1.組織とは人の集まり、「集団」だ。集団だから出せる成果もあるが、集団で働くからこそ生まれる問題もある。賢い人たちが集まっているのに、判断を誤ってしまうのもその1つである。

2.チームがワーク(機能)するためには「目標の共有」「相互協力」「役割分担」「成員性」の4つの要素が必要だ。

3.チームワークの土台となるのは「リーダーによるリーダーシップ」だ。これが安定しなければ、チームは機能しない。

4.リーダーシップは「行動」で捉えよう。日常的には「課題」と「対人」を回していき、長期的には「変革型」を取り入れるとよい。

 

『だけどチームがワークしない』レビュー

自分が所属している組織の集団に、不満はあるだろうか? そう聞かれたら、誰でも1つや2つは挙がるだろう。では、その問題はいったいなぜ発生しているのか?という質問を受けたとしたら、なんと答えるだろうか。社長が、上司が、あるいは同僚が――おそらく、問題のあると感じる人物の名前を挙げる人が多いのではないかと思う。つまり、問題は「特定の個人」にあると考える人が多いのだ。

本書は、組織におけるチームワークを「集団心理」という学術的な観点から論じていく書籍である。そこで最初に説かれているのは、人間が集団になることで、さまざまな問題が必然的に生まれてしまうこと、そしてその原因を「個人の存在」に求めるべきではないということだ。

どれだけ優秀な個人を集めたとしても、集団として機能するとは限らない。もちろん、個人の資質がまったく無関係というわけではないが、機能する集団をつくるためには、集団というもの自体の性質を理解することが必要不可欠である。

そのために本書は、個人に問題を帰結させるのではなく、「状況」に注目していくことを推奨している。集団という器が悪ければ、どんなに素晴らしい個人が集まっていても、全体としてはうまくいかない。個人がその力を発揮できる状況を整えることこそが、チームが機能する環境をつくることにつながるのだ。

本書は集団の本質を理解し、実践に活かすための強力なガイドとなるだろう。チームづくりに悩むすべてのリーダーにおすすめしたい。

 

『だけどチームがワークしない』が気になる方におすすめ

離職防止のプロが2000人に訊いてわかった! 若手が辞める「まさか」の理由
著者:井上洋市朗
発売日:2025年02月
発行所:秀和システム
価格:1,760円(税込)
ISBNコード:9784798073804

 

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