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セカオワ・藤崎彩織が妊娠から育児までを綴った『ざくろちゃん、はじめまして』は作家としての覚悟も込めた一冊!

SEKAI NO OWARIのメンバーとして活躍を続けながら、2017年に結婚。その後、出産を経験した藤崎彩織さんが、現在までの6年間を綴った書き下ろしエッセイ『ざくろちゃん、はじめまして』が、4月27日(木)に発売されました。

本書は、心身や環境、生活の変化に向き合いながら過ごした日々を、ユーモアを交えて率直に綴った一冊です。その内容について、編集を担当した水鈴社代表取締役の篠原一朗さんに紹介いただきました。

ざくろちゃん、はじめまして
著者:藤崎彩織
発売日:2023年4月
発行所:水鈴社発行、文藝春秋発売
価格:1,760円(税込)
ISBN:9784164010051

 

妊娠、出産、育児の全てを包み隠さず綴った、笑って泣けるエッセイ

昨年公開された楽曲「Habit」がレコード大賞を受賞し、そのMVが1.5億回再生されたことでも話題の人気バンド・SEKAI NO OWARI。バンドではピアノやライブ演出を担当する人気メンバーのSaoriさんが、本名の藤崎彩織さんとして自身の妊娠、出産、そして育児のことを執筆した3冊目のエッセイ『ざくろちゃん、はじめまして』が刊行され、大きな話題を呼んでいます。

仕事もプライベートも順調に見える一方で、藤崎さんは「未開の地を開拓するような」日々を過ごされていました。

男性メンバーとスタッフに囲まれる中で妊娠することへのプレッシャーと焦り。悪阻を抱えながらの海外ライブ。大勢のファンの前で笑顔で尿もれをしていたツアー。ホルモンに翻弄され被害妄想が止まらなくなり、パートナーを追い詰めてしまった日々。そして愛しい息子の誕生後、夫婦に襲いかかった産後うつ……。

次第にコントロールができなくなっていく身体と心に苦しみながら、メンバーから届いたメッセージに涙し、夫の思いに気づき、家庭と仕事の両立に格闘する6年間。その全てを包み隠さず綴り、切実な願いを込めた、笑って泣ける傑作エッセイとなりました。

藤崎さんは、「あまりに大変なことが起きるので、何が正解だったのか、どうしたらよかったのかと思い悩むことばかりでした。でも、だからこそ、この本をどうしても書きたいと思いました」と語られています。

デビュー作の『ふたご』が直木賞の候補にもなり、文筆家としても注目を集める藤崎さんが、その作家としての覚悟と挟持を込めた一冊です。

SEKAI NO OWARIの音楽を聴いたことのない人、妊娠出産を他人事だと思っていた人にこそ読んでいただきたい作品になりました。

(水鈴社 代表取締役/編集者 篠原一朗)

 

藤崎彩織さんプロフィール


ふじさき・さおり。1986年大阪府生まれ。2010年、突如音楽シーンに現れ、圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感で「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た4人組バンドSEKAI NO OWARIでは“Saori”としてピアノ演奏とライブ演出、作詞、作曲などを担当。研ぎ澄まされた感性を最大限に生かした演奏はデビュー以来絶大な支持を得ている。文筆活動でも注目を集め、2017年に発売された初小説『ふたご』(文藝春秋)は直木賞の候補となるなど、大きな話題となった。他の著書に『ねじねじ録』(水鈴社発行、文藝春秋発売)、『読書間奏文』(文藝春秋)がある。

『ざくろちゃん、はじめまして』刊行記念インタビューはこちら