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【Vol.7:米原信】編集者が激推し!2025年の注目作家はこの人

米原信さん

ほんのひきだしでは、この年末年始も8日間にわたり、各出版社の文芸編集者の皆さんが「今、この作家を読んでほしい」とおすすめする、「編集者が激推し!2025年の注目作家はこの人」をお届けします。

ぜひ、気になる作家や作品を見つけて、書店に足を運んでみてください。

 

文藝春秋 編集者・川田未穂さんの注目作家は「米原信」

米原信(まいばら・しん)
2003年群馬県生まれ。2022年「盟信(かみかけてしん)が大切」で第102回オール讀物新人賞を受賞。19歳という史上最年少での受賞となる。本書がデビュー作。
9歳のとき、からくり人形芝居「忠臣蔵」を観たことで興味を持ち、仮名手本忠臣蔵の絵本から歌舞伎にハマっていく。観劇に通うとともに、演目図鑑や『歌舞伎年表』を暗記する勢いで読みふける。現在は東京大学文学部で学び、さらなる歌舞伎道を邁進中。

 

「オール讀物新人賞」史上最年少受賞者が満を持しての初陣!

これまで藤沢周平さん、宮部みゆきさん、宇江佐真理さん、乙川優三郎さん、山本一力さん、門井慶喜さんら、錚々たる歴史時代小説の名手を世に送り出してきた「オール讀物新人賞」。この伝統ある新人賞を2022年に史上最年少で受賞したのが当時、19歳の米原信(まいばら・しん)さんでした。

子供の頃、同年代がピカチュウに夢中になっている中、自身は小学校3年生で「忠臣蔵」を観たことで歌舞伎にどんどんハマり、『歌舞伎年表』を暗記するほど愛読してきた米原さんは、東京大学文学部で学ぶ傍ら、「在学中に単行本デビューを果たす」という目標を実現させ、2025年1月下旬、初の著書『かぶきもん』を上梓します。

本作の舞台は文化文政お江戸の芝居小屋。今をときめく色男の三代目尾上菊五郎に、押しも押されもせぬ看板役者の七代目市川團十郎、そして天才戯作者・鶴屋南北が、時に派手な喧嘩をしながらも、ケチな金主や座元とあの手この手でばかし合い、四谷怪談のお岩さんや岡崎の化け猫など、現代に伝わる名作を生みだしていく――新人作家が勢いに乗って描き出した6編は、非常に賑々しい、かつ華のある歌舞伎ものがたりとなりました。

「この著者、前世で芝居小屋にいたでしょ!?」(永井紗耶子さん)、「歌舞伎の史実をマニアな視座でやんちゃに創りあげた初陣」(松井今朝子さん)、「大向こうをうならせること請け合いである」(安部龍太郎さん)と、大先輩作家からもエールを送られ、作家として『かぶきもん』で大きな一歩を踏み出した米原信さんを、今後ともぜひぜひご贔屓いただければ有難く存じます!

(文藝春秋 出版局第二文藝部 川田未穂)

 

※『失うことは永遠にない』は1月下旬発売予定です

かぶきもん
著者:米原信
発売日:2025年01月
発行所:文藝春秋
価格:1,870円(税込)
ISBNコード:9784163919355