大切なのはデータから情報を引き出す力！意思決定に活用していく科学『データサイエンスの基本』【総合3.7】

2024.12.15 / ほん / 記事本の要約サイト flier（フライヤー）

レビューフライヤー ja_book

この１冊ですべてわかる　データサイエンスの基本: 著者：滋賀大学データサイエンス学部宮本さおり中村力; 発売日：2024年09月; 発行所：日本実業出版社; 価格：2,530円（税込）; ISBNコード：9784534061218

『データサイエンスの基本』の要点

1．データサイエンスは、データに基づく知見を人間・組織の意思決定に活用していく科学である。

2．オープンデータの集計データによってまず仮説を構築し、より精緻な分析が必要となった段階で個票データの収集に取り組もう。

3．重回帰分析によって、「ある説明変数の効果を、他の説明変数の効果を除去した上で導き出せる」。

4．統計的仮説検定は、データの背後に確率分布と呼ばれる何らかの仕組みを想定し、手元のデータが得られる確率から結論を導く手法である。

『データサイエンスの基本』レビュー

根拠を示せと上司に詰められて、四苦八苦してしまう。なんとなくで考えて、なんとなくの「答え」を出してやり過ごすこともひとつの能力だが、それだけではいずれ壁にぶつかるだろう。何かへと導きそうなデータは世の中にたくさんあふれている。しかし、そこから情報を引き出せる力が不足している。

そこで大企業もこぞって求めているのが、データサイエンスの知識だ。本書の編著者である滋賀大学データサイエンス学部は、日本初のデータサイエンス専門学部であり、重点教育の拠点校である。

データを扱うには統計の知識が必須だが、細かな計算はコンピュータでカバーできる。データが示していることを理解し、適切に説明できることのほうが大切だ。解釈によっては完全に誤った方向に進んでしまうこともある。だからこそ、データサイエンティストの役割が重視されているのだ。

コンビニで売っている多種多彩なお茶について、味の違いはどれだけ売り上げに影響しているか。なぜあの観光地にはあんなに人が集まるのか。データサイエンスによる「答え」の導出プロセスは、ほかのさまざまな商品、サービスにも応用可能だ。「なんとなくこのブランドが好き」という曖昧な感覚に、説得力をもって応えられる。人びとの「好き」を刺激するヒントが詰まっている。

データに悩まされているすべてのビジネスパーソンに、本書でデータサイエンスの一端に触れていただきたい。

『データサイエンスの基本』のもっと詳しい要約はこちらで公開中！　〉〉