- 「指示通り」ができない人たち
- 著者:榎本博明
- 発売日:2024年03月
- 発行所:日経BP
- 価格:990円(税込)
- ISBNコード:9784296119868
『「指示通り」ができない人たち』の要点
1.指示通りに動けない人は、認知能力が欠けている可能性がある。このような人たちへの対応策の一つは、指示内容を分割して、対応すべき順を紙に書き出して渡すことだ。
2.何度も同じようなミスを繰り返す人はメタ認知に問題があると考えられる。ミスをしたときに「何がいけなかったんだろう?」「今後どういうことに気をつける必要があるだろうか?」などと自問自答する習慣づけを促すとよい。
3.すぐ感情的になってしまう人の多くは、非認知能力の一つである「自分の感情をコントロールする力」が欠如している。まずは感情的になることのデメリットを伝えよう。
『「指示通り」ができない人たち』レビュー
コミュニケーションはいつも難しいものだが、とりわけ上司と部下、同僚同士、取引先とのコミュニケーションは、仕事における悩みの大部分を占めるのではないだろうか。本書は、特に経営者や管理職に向けた、部下や従業員に接する際の“困りごと”解消のための指南書である。
伸び悩む従業員というのは、どの時代、どの業界、どの職場にも一定数いるものである。その中でも本書では、指示通りに動けない人、質問に対する回答が要領を得ない人、自分の課題に目を向けられない人、何度も同じミスを繰り返す人、仕事はそつなくこなすのに成長スピードが遅い人、すぐに感情的になる人などが挙げられている。これらの人たちに共通するのは、一生懸命やっているのにうまくいかないことだ。
本書の著者、榎本博明氏は心理学者として、職場の困った人たちの思考・行動パターンを分析し、その原因を3つに分類した。著者によると、やる気はあるのに伸び悩む人たちは、認知能力、メタ認知能力、非認知能力のいずれかが欠けている可能性が高い。その前提のもと、一つひとつの行動の原因と対応策が示されている。
本書を一読すれば、困った従業員への対応方針が明らかになるだろう。これまで「気質の問題だから仕方ない」「重要な業務は依頼しないようにしよう」という方針で接していた従業員に対しても、その能力を引き出し、いきいきと活躍してもらう方法が見つかるかもしれない。部下や従業員とのコミュニケーションやマネジメントに悩む人におすすめしたい一冊だ。
『「指示通り」ができない人たち』が気になる方におすすめ
- 職場を腐らせる人たち
- 著者:片田珠美
- 発売日:2024年03月
- 発行所:講談社
- 価格:990円(税込)
- ISBNコード:9784065351925