- トークの教室
- 著者:藤井青銅
- 発売日:2024年02月
- 発行所:河出書房新社
- 価格:990円(税込)
- ISBNコード:9784309631752
『トークの教室』の要点
1.トークにはいくつもの「呪縛」がある。たとえばエピソードトークについては「エピソードそのもの」が重要ではなく、あくまで「いかに本当にあったか」と思わせる方が重要だ。
2.つまらないトークは長かったり、話が飛び飛びだったりする。これらを反面教師にすると良い。
3.トークには「切り口」と「語り口」がある。たとえば何もないような場所でも面白くする着眼点が切り口であり、語り口はよりトークの立体感を持たせる技術である。
『トークの教室』レビュー
長らく続いている現在進行形の番組でありながら、もはや伝説になりかけているラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』。そこでよく名前が挙がる「青銅さん」、その人こそ本書の著者である。
作家・脚本家・放送作家として、テレビやラジオの台本なども手掛ける著者が、中でも担当することが多いのはラジオ番組だ。ラジオ番組にはたいてい、近況のトークがある。番組をリスナーとして楽しんでいると、パーソナリティーはやすやすと近況トークをしているように感じられる。
ところが、これを最初からできる人は少ないのだという。いかにも話し慣れていそうで、劇場では笑いをとることのできる芸人さんたちでさえ、ラジオのトークがうまくできないことがあるのだ。そこで悩む人がいれば、相談に乗ってアドバイスをするのが著者の役割だ。
本書では、「トーク」について考えてきた著者が、現場の経験を通して培った方法論を整理して紹介する。トークにまつわるいくつもの固定観念を扱った「『面白いトーク』という呪縛」という章から始まり、「トークの構造」や、つまらないトークを反面教師的に分解した「『つまらない』にはワケがある」、さらにトークの語り口を扱った章など、理論から実践まで、いくつものポイントがまとまっている。
「トーク」と聞くと、一般の人には縁遠いものだと感じられるかもしれないが、そんなことはない。私たちはふだんの生活でたくさんの時間を会話に費やしている。トークの構造が理解できれば、その時間をより豊かにすることができるはずだ。
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