直木賞含む文学賞9冠の『黒牢城』が初登場｜週間文庫ランキング（2024年6月18日調べ）

2024.06.19 / ランキング / 記事ほんのひきだし編集部

今回の文庫ランキングは、第1位に井原忠政さんの「三河雑兵心得」シリーズ第14作『豊臣仁義』、第2位に宮部みゆきさんの「三島屋変調百物語」第8作『よって件のごとし』と、人気時代小説シリーズの新刊が初登場しました。

豊臣仁義: 著者：井原忠政; 発売日：2024年06月; 発行所：双葉社; 価格：748円（税込）; ISBNコード：9784575672046

よって件のごとし: 著者：宮部みゆき; 発売日：2024年06月; 発行所：ＫＡＤＯＫＡＷＡ; 価格：1,056円（税込）; ISBNコード：9784041146323

第4位には、第166回直木賞を受賞した米澤穂信さんの『黒牢城』が初登場しました。荒木村重を主人公に据え、大胆に歴史上の謎に切り込んだミステリー作品で、直木賞以外にも「このミステリーがすごい！ 2022年版」の国内編で第1位となるなど、文学賞9冠を達成しました。

黒牢城: 著者：米澤穂信; 発売日：2024年06月; 発行所：ＫＡＤＯＫＡＷＡ; 価格：1,056円（税込）; ISBNコード：9784041147221

本能寺の変より4年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。このままでは城が落ちる。兵や民草の心に巣食う疑念を晴らすため、村重は土牢に捕らえた知将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めるが――。
事件の裏には何が潜むのか。乱世を生きる果てに救いはあるか。城という巨大な密室で起きた四つの事件に対峙する、村重と官兵衛、二人の探偵の壮絶な推理戦が歴史を動かす。

（KADOKAWA公式サイト『黒牢城』より）

注目作品は、第20位の『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』。6月14日（金）から上映されている映画「ディア・ファミリー」の原作で、余命10年を宣告された娘と家族を巡るノンフィクション作品です。映画には大泉洋さん、菅野美穂さん、福本莉子さん、川栄李奈さんらが出演し、6月14日（金）～6月16日（日）までの週末映画動員ランキング（興行通信社調べ）で第1位となりました。

アトムの心臓　「ディア・ファミリー」２３年間の記録: 著者：清武英利; 発売日：2024年04月; 発行所：文藝春秋; 価格：770円（税込）; ISBNコード：9784167922009

娘の心臓に残された時間はたった10年――。運命に抗った家族の愛の物語。

生まれながらに心臓に疾患を持っていた娘は、医師から余命10年を宣告される。
何もしなければ、死を待つだけの10年。これを運命だと諦めるか、抗うか。

町工場を営む筒井宣政は、家族と共に「人工心臓をつくり、娘の命を救うという不可能」に挑むことを決意する。

筒井夫婦は人工心臓開発のための知見を集めるべく、日本のトップクラスの研究者が集う研究会や大学病院を訪ね歩き、東海メディカルプロダクツを設立。徐々に希望の光が見えてきたのだが――。

絶対に諦めない家族の途轍もない挑戦を描いた、実話をもとにした感動のノンフィクション。

（文藝春秋公式サイト『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』より）